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レポート:「OPULENCE」vol.4

5月19日(日)にZEPP SHINJUKUで開催された「OPULENCE」vol.4のレポートをお届けします。『ル・ポールのドラァグ・レース』のスター3人によるスーパーDQグループ「AAA Girls」のアラスカ、コートニー、ウィラムが揃って来日し、華やかに楽しく盛り上げました。チームJAPANのクイーンさんのショーも素晴らしかったです

レポート:「OPULENCE」vol.4

「OPULENCE」とは

 2020年3月2日、Zepp DiverCityで開催された「WERQ THE WORLD 2020 in TOKYO」は、『ル・ポールのドラァグ・レース』(以下RPDR)のスター、ヴァイオレット・チャチキ、シーアクエリア、シャロン・ニードルズ、モネ・エクスチェンジ、キム・チー、プラスティーク・ティアラ、デトックスという豪華クイーンが出演る夢のような一夜となりました。しかしその後、世界はコロナ禍に突入し、緊急事態宣言が出たり大規模イベントが開催できなくなったり…そんな厳しい数年間を経て、2023年1月、RPDRの世界的なクイーンたちによる豪華なショーとクラブイベントのような演出やサウンド、ライティングを組み合わせたスペクタクルなドラァグショーイベント「OPULENCE」が誕生。心待ちにしていたRPDRファンのみなさんの熱い支持を得て、今回でめでたく4回目を迎えることとなりました。いずれもEAGLE TOKYOさんが運営に携わっています(二丁目のゲイカンパニーがこのスゴいイベントを実現していること、素晴らしさしかありません。拍手)
 
 今回の「OPULENCE」vol.4は、Alaska Thunderfuck 5000(アラスカ)、Courtney Act(コートニー)、Willam Belli(ウィラム)、つまりAAA Girlsの3人が揃って来日するという企画でした。
 2014年、LGBTQフレンドリーなことで知られるアメリカンアパレルが、自社ブランドの広告に初めてドラァグクイーンを起用するにあたり、RPDRの3人のスターをリクルートし、(そのまんまなネーミングですが)American Apparel Ad Girlsを結成、同名のシングルも発表し(BillboardのComedy Digital songs chartでTOP10にランクイン)、その後もクリスマスソングなど数曲をリリースし、アイドル的な人気グループになりました。ブランドのコマーシャルのためのグループなのにドラァグらしさが全然失われてなくて(魂を売ってなくて)ゴージャスでありながらも下ネタを入れたりしっかり笑いもとってて、すごくいいグループです。きっとファンも多いハズ。

 
「OPULENCE」vol.4レポート

 5月19日(日)、小雨がポツポツ降ってる夕方でしたが、去年できたばかりの注目スポット・東急歌舞伎町タワーのZEPP SHINJUKUの前にはすごい人の列ができてました。通りすがりの人たちは「こんな列を作らせる人って誰?」とか噂してそう、って思いました。
 実はこの場所に入るのは初めてだったのですが、ZEPP SHINJUKUは渋谷のクラブみたいな雰囲気のBrand-newでオシャレなハコですね。どんどん地下に降りていって、巨大なホールにたどり着きます。
 海外アーティストのコンサートと同様、DJさんが場をあっためてます(お名前を存じ上げなかったのですが、あとでクレジットを確認したところDJ Assassinさんという方でした)。ちょっと踊ったりパフォーマンスする感じがとってもキュートでしたし、ビヨンセとかアリアナとかウチら好みな曲をたくさんかけてくれてアゲでした。ドラァグイベントのDJはこうあるべきというお手本のようなプレイでした。
 フロアは外国人の方たち、ゲイと女性がとても多かったと思います(そりゃそうですよね)。ノリよく踊ってる方たちもたくさんいました。

 
 DJタイムが終わり、ニューヨークの街をイメージしたようなオープニング映像が流れ、歓声が上がりました。期待に胸が高鳴ります。
 まずは東京が誇るクイーンのみなさん&ダンサーさんたちが登場し、オープニングのショーを披露しました。



 そして!ついに!AAAガールズの3人が登場! アラスカ! コートニー! ウィラム! 本物のスターたちを間近で見れる感激が、周囲からビンビン伝わってきます。
 3人は「フェラ50回してでもほしくなる」「トラボルタがカムアウトしたくなるほど素敵な」「ドラァグコンで盗まれちゃうほど」みたいな歌詞の爆笑ソング「A Lacefront Like This」を含め(あのスキンヘッドの映像もバックに流れてました)、数曲をパフォーマンスしてくれて、感無量でした。
 それぞれソロでもパフォーマンスしてくれたのですが、世界の歌ウマDQ・コートニーが、僕の大好きなマイリー・サイラスの「Flowers」とオリビア・ニュートン=ジョンの「Xanadu」を歌ってくれたのが(オリビアもオーストラリアですものね)感激でした。ウィラムはつけ爪が取れたりなんかしたけどそれも笑いに変えててさすがだと思いました。モデルばりの高身長クイーン・アラスカも、優雅に見えて結構グイグイくる感じで楽しませてくれました。
 MCはMiss Leadingさんがつとめ、ちゃんと日本語でも喋ってくれましたし、AAAガールズの3人のトークも聞きやすかったです。






 「Japan's greatest international drag show」も素晴らしかったです。
 ヴェラ・ストロンジュさんは太陽神のようなゴールドでゴージャスな衣装(装置?)で登場し、得意のダンスで(ダンサーに全然引けをとらないのがスゴイ)オーディエンスを魅了し、フロアを大いに湧かせていました。
 ラビアナ・ジョローさんはビヨンセの「Run the World (Girls)」を選曲し、スクリーンに「FEMINISM」という文字が大写しになり、女性の権利を高らかに称揚するカッコいいパフォーマンスを魅せました。
 セラ・トニンさんは雪の妖精のような純白のこのうえなく美しい衣装で登場し、会場からため息が漏れるのが聞こえそうなほどでした。とてもアーティスティックでウットリするようなショーでした。




 それから、TRP公式イベントとして開催された「Sparkle」での新人ドラァグバトルで勝ち残ったファイナリスト、メレンゲさんとデレク・トロさんがステージに登場し、優勝を賭けた決勝戦のパフォーマンスが行なわれました。メレンゲさんはコックの格好で登場し、イチゴのケーキを作るというかわいらしさあふれるパフォーマンス、デレク・トロさんは背中に背負った筒から紙テープが噴射されたり、レインボーフラッグが登場したり、大きなステージに映えるようなパフォーマンスでした。

 最後にAAAガールズが再び登場し、デビュー曲の「American Apparel Ad Girls」をパフォーマンス。みんなで一緒にサビの振付を踊ったりして、盛り上がりました。
 そして、ドラァグバトルの決勝戦の行方、優勝者の発表が行なわれました。栄えある優勝者はデレク・トロさん。ドラァグキングってどうしてもクイーンほどゴージャスにはなりづらいし不利だと思うのですが、堂々と勝負し、見事に優勝。スゴいです。拍手!


 最後の最後はみなさんステージに上がり、華麗なるフィナーレとあいなりました。あっという間の夢のような時間。きっとフロアのみなさんも全員、大満足だったと思います。


 海外の有名クイーンに会える(ファンにとっては夢が叶う)っていうのが本当にうれしいし、彼女たちが(ビヨンセもそうですが)ちゃんと日本を見捨てずに大事にしてくれてるのも本当にうれしかったです(結構日本語もいっぱい喋ってくれてました)
 いつか台湾のニンフィア・ウィンドも来てほしいですね!



 次回の「Opulence」vol.5は東京だけでなく初の大阪公演もあるそうです。お楽しみに!(出演者等の詳細はこれからです。「Opulence」の公式Instagramをフォローして続報を待ちましょう)
 
「Opulence」vol.5
10月25日(金) at ZEPP Shinjuku (Tokyo)
10月27日(日) at ZEPP Namba (Osaka)

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