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レポート:六尺ケツ割れ大祭
9月22日、AiSOTOPE LOUNGEでは6年ぶりとなる六尺ケツ割れ大祭が開催され、熱い盛り上がりを見せました。
あの2022年1月のageHaでの最後のゲイナイトで伝説を作った六尺ケツ割れ大祭。AiSOTOPE LOUNGEでやるのは、なんと6年ぶりです。乱雄會さん、今年は7月に渋谷のAVALONでも六尺ナイトを開催しましたし、8月には大阪のEXでも初開催して、波に乗っているというか、勢いがスゴいですよね。そんな勢いをそのまま9月の三連休の二丁目に持って来ての六尺ケツ割れ大祭です。3ヵ月連続の六尺ナイトシリーズが最高潮で大団円を迎えた感がありました。レポートをお届けします。
さて、皆さんは、体の奥底から熱い情欲が煮えたぎり、全身の細胞が沸き立ち、頭にカーッと血が上り、心臓がバクバクし、鼻血が出そうになるほどの興奮を経験したこと、あるでしょうか? 「人生観が変わる」というか、決してそこから逃れることができない自分自身の「性(さが)」に目覚めたというか。僕は30代前半の頃、仕事で(どんな仕事よ)上野の某ゲイバーの褌飲みイベントに取材に行ったとき、そんな経験をしました。二丁目ではお目にかかれない、見事な下町系というか、30〜40代のイケてる短髪ガタイ系兄貴がズラリと六尺一丁で座って呑んでる光景に「ここは天国なのか」と思い、しかも、彼らがどんどん酔っ払って、王様ゲームであんな姿やこんな姿を晒しはじめ、漫画みたいに「ブーッ!」って鼻血が吹き出しそうになりました(たぶん鼻血以外のものも出てたと思います)。僕はあまりフェチとかなかったのですが、六尺だけは最強のフェティッシュアイテムになりました。僕はその日から生まれ変わったと言っても過言ではありません。ある意味、第二の人生が始まったのです。(諸事情でしょっちゅう行くわけにはいかなかったのですが)上野や浅草のいろんな六尺バーに行ってみましたし、のちに自分でも六尺イベントを主催するまでになりました。
しかし当時(僕が六尺バーに行きだした頃)、二丁目では全くと言っていいほど六尺への「理解」がなく、二丁目のお店でそういう話をすると「あんなのお年寄りがするものでしょ」と言われたり、「ヘンタイ」扱いされたりして…僕はあまり他の人に六尺バーのことを言わなくなりました。そうこうしているうちに、今はなきArcHで六尺ナイトが始まり、大喜びで、しかし、友達が見たら何と言うだろう…という不安も覚えつつ、出かけました。六尺ナイトはやがてアイソで開催されるようになり、そしてageHaのテントでも開催されるようになりました。以前はアンダーグラウンドなイメージだった六尺が、にわかにメジャー化したのです(スゴいこと。ある意味、歴史を変えたのです)
六尺ナイトに続き、アイソで炎の野郎祭(ケツ割れナイト)も始まって、なんてハードルが高い…と思ったのですが、初回にして、それこそ「CAVE」のお客さんも東中野のGGで日頃から鍛えてる兄貴たちも二丁目のゲイバーの方も、実にいろんな人たちが混ざり合って楽しんでる光景に、ちょっと感動したのを覚えています。昔はゲイバーでは(地方のゲイバーでは今でもたぶん)誰々がどこそこでハッテンしてたとかっていう話をネタにする風潮があって、ゲイバーのママさん・ミセコさんはそういう場所に出入りしないという暗黙の掟があったりしましたが、ケツ割れナイトはそういうタブーを打ち破ったし、限界を突破したと思うんですよね。それと毎回、BR(DR)に搾○用の二段ベッドとか、何らかの仕掛けが設置されていたのも素晴らしかったです(乱雄會の吉野さんが作ってたんだそう。スゴいです)
そんな六尺ナイトとケツ割れナイトがいつしかコラボして「六尺ケツ割れ大祭」として開催されるようになりました。そしてあの、日本最高級のageHaというクラブでの最後のゲイナイトの光景は、忘れられません。BOX(テント)に六尺やケツ割れ姿の男たちがひしめきあい、アリーナの2階部分に六尺とケツ割れ姿の男の子を描いた大きな横断幕が掲げられ、2階席で男たちの祭りが繰り広げられたことは、ゲイシーンにおける記念碑的な出来事だったのではないでしょうか。まさに伝説です。
(前置きが長くなりましたが)そんな六尺ケツ割れ大祭が、6年ぶりにAiSOTOPE LOUNGEで開催されることになりました。六尺を乱雄會の陵さんが、ケツ割れを吉野さんがそれぞれ分担してオーガナイズすることで今回の六尺ケツ割れ大祭が復活を果たしたんだそうです。
炎の野郎祭を主催してきた貫井(ぬくい)さんがコロナ禍の間にがんで亡くなっていたことを知った時は、言いようのない悲しみを覚え、動揺し、ショックを隠しきれませんでしたが(詳細はこちら)、彼の遺志を継いで、乱雄會さんがこうして、六尺単体ではなく炎の野郎祭を含めたかたちで開催したのは、貫井さんへのオマージュであり友情の証なのだということを、ここでお伝えしておきたいと思います。
そんなわけで、今回の六尺ケツ割れ大祭、僕もケツワレで参加することにしました(要らない情報ですよね、すみません)
9月22日、六尺ケツ割れ大祭がオープンした頃、フォロワーさんが「長蛇の列。ガチムチだらけ」とXで報告していたので、「やば、早く行かないと」と思い、22時前にはアイソに到着しました。そこまでの(昨年の「CHUNKS」ほどの)行列ではなかったですし、韓国から来たと思われるガチムチさん2人が前に並んでいて、かわいいなぁと思いながら、ウキウキしながらしばらく並んで、無事に入場できました。いつものお金を払う受付の前に、ゲストやディスカウントの方をチェックしたり褌を持ってない人に販売したりするカウンターが設けられていて、実にシステマティックで、スムーズに入場できるようになっていました。ロッカーの前にはスタッフの方が何人もいて、「アシストが必要な方〜」と呼びかけていました(褌を締めて差し上げるサービスですね)。プラス、ロッカーが埋まった時のためにクロークも設けられていました。
協賛店の名前が書かれた提灯がフロアの両サイドに並び、祭りの雰囲気を演出していたメインフロアは、すでに六尺やケツワレ姿の裸の男たちが大勢ひしめきあう「肉の海」状態で、それはそれは迫力のある、セクシーな光景でした。
カウンターでビールを頼み、友達に挨拶したり、乾杯したり。よつんばいナイトなどD-lightの脱ぎ系イベントでお会いする方たちが本当にたくさん来てましたし、ageHaで会ってたような人たちや、ジムで見かける人たち、OFやSNSで見たことのある人たち、わざわざ大阪や沖縄から来られた方もいましたし、海外からのお客さんもいらっしゃいました。何かのナイトの告知で「みんな来ます」って書いてあってツボに入ったのですが、ホントにみんないる!って思いました。プラス、見たことのない、惚れ惚れするほどガタイのデカい兄貴たちが互いの筋トレの成果を称えあったり、じゃれあったりしていて、たいそう目の保養になりました。天国の貫井さんもさぞかし喜んだことでしょう。
そうこうしているうちにGOGOショーが始まりました。メインステージと、フロアの後方に作られた特設ステージ、そしてバーカウンターの3ヵ所に16〜17人くらいのガチムチ系GOGO BOYsが登場し、歓声が上がり、みなさん四方八方を見渡しながら、セクシーなショーを思い思いに楽しんでいらっしゃいました。
どこまで書いていいのかわかりませんが、DJブースの後ろのBR(DR)も大賑わいでしたし、いつもはそこにない、行為をいたすのにちょうどよい感じのベンチが置かれていて、ちゃんと(ちゃんと?)炎の野郎祭の伝統が守られてるんだなぁと感心しました。
その後も、お客さんが入れ替わりながら盛り上がり続け、ケツ割れショー、六尺ショー、そして3時頃には、六尺とケツワレを交換するという、たいへんエロティックなショーも繰り広げられました。
帰りがけ、サブフロアで前髪系の若い細めの方が恥ずかしそうに六尺を締めてもらっているのが見えました。たぶんこのイベントに来るのも六尺を締めるのも初めてだったんじゃないかと思います。自分が初めて褌を締めたときのドキドキ感を思い出し、彼もきっと新たな一歩を踏み出し、いろんなものが広がり、これから六尺の魅力にハマっていくんじゃないなと思い、心の中でエールを送りました。
(文:Junchan)
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