g-lad xx

FEATURES

レポート:レインボーフェスタ!2024(2)

10月26日(土)27日(日)、レインボーフェスタ!2024が扇町公園で開催されました。天候にも恵まれ、過去最多となる64,000人が豪華ゲストのステージパフォーマンスや広場に並んだたくさんの出展ブースを楽しみました。パレードが行なわれた2日目のレポートをお届けします

レポート:レインボーフェスタ!2024(2)

 2024年10月26日(土)27日(日)、10回目を記念するレインボーフェスタ!2024が「十人十色~これからも+(プラス)の虹をつなげよう」をテーマに扇町公園で開催されました(関西レインボーパレードは2006年から始まりましたが、扇町公園でレインボーフェスタ!として開催されるようになってから10回目を迎えました)。昨年、一昨年とパレードの日に雨が降るという残念な天気が続いていましたが、今年は10回記念を祝うかのように、天候にも恵まれました(両日とも雨が降らなかったのは実に8年ぶりだそうです)。こちらのニュースでもお伝えしたように本当にたくさんの豪華ゲストがステージに登場し、参加者のみなさんを楽しませてくれました。また、広場には旅行関係のパビリオンをはじめたくさんの出展ブースが並び、パレードも晴れやかに開催されました。こうして2日間にわたって開催されたレインボーフェスタ!2024は、過去最高となる64,000人が参加し、パレードも過去最多となる3,700人が歩き、大成功のうちに幕を閉じました。
 2日目の様子をレポートいたします。
(取材・文:後藤純一)


ステージ前半

 ちょっと前の天気予報ではこの日は雨マークがついていて、今年も降るのか…とどんよりした気持ちにさせられたのですが、直前に予報が変わり、晴れました(奇跡!)
 
 この日は朝10時からステージイベントが始まりました。日曜の朝10時って土曜の夜に遊んだみなさんにとっては結構来づらい時間だと思うのですが、それでもお客さんが来られていました。
 トップバッターはもはやレギュラーと言っても過言ではない、天神橋筋商店街のご当地アイドル、TEN6のみなさん。今回もファンの方たちが駆けつけ、熱い盛り上がりを見せていました。

 続いて、NLGR+にも出演していた、裕子と弥生プロデュースの昭和レトロアイドル・桜木ちえりさん。80年代の懐かしい感じが素敵でした。

 続いて大阪のラグビーチーム・レッドハリケーンズ大阪のみなさんが登場。スポーツのチームがレインボーフェスタ!に出演してくれること自体が有り難い(滅多にない)ことです。ボールをパスする様子とかジャンプキャッチの様子を再現してくれて、なんと、お客様の中から数名、ジャンプキャッチを体験させてくれたりもして、サービス満点でした。



 大阪が誇るハロプロ楽曲オンリーのダンスカバーグループ「H-pag!」のみなさんが登場。ビヨーンズの「灰toダイヤモンド」や、あややの「桃色片思い」、金銀黒白レインボーメドレーなど、色にまつわる多彩な曲でステージングされていました。また、今回は研修生のエイチパグエッグの方たちが初お披露目となり、初々しさと元気のよさで観客のみなさんを魅了していました。終演後、サプライズでリーダーのひろきちせんせーのお誕生日祝いも行なわれました(おめでとうございます)




 サックス&フルートデュオ、IYO&YUKAさんの演奏に続き、2020年に解散した名古屋のLGBTQアイドルグループ「NSM+」が、今年のレインボーフェスタ!のために再結成され、1日限りのライブを披露してくれました。IYO&YUKAさんもコラボしてくれました。



 パレード出発前のステージのトリを務めたのは、八方不美人のメンバーで先日ソロアルバム『かんのん』をリリースしたちあきホイみさん。駆けつけたファンの方たちに向けてタイトル曲「かんのん」を艶かしく歌い上げました。ほかにも青江三奈さんの「大阪ブルース」や、『かんのん』の中で唯一幸せな曲だという「女冥利」などを熱唱し、喝采を浴びていました。




パレード

 12時半頃からパレードに向けて整列が始まりました。ちょっと汗ばむくらいの、でも日差しが強いというわけでもない、絶好のパレード日和でした。個人的にもレインボーフェスタ!のパレードは6年ぶりで、ワクワクした気持ちになりました。

 扇町公園から出る所で交通整理をしていたベテランな感じのおまわりさんが「走らないようにしてくださいね。走るとコケますんでねー」と言って笑いをとっていました(さすがは大阪です)

 13時頃、いよいよパレードがスタートしました。今年も変わらず、扇町公園から天神橋筋を北上し、天六の交差点で左に曲がり、都島通りを進み、堂山のところで左折して御堂筋を歩き、曽根崎東の交差点で左折して扇町通りへと入り、堂山町や神山町の南側を通るようにして扇町公園に帰着するというコースでした。(今回、最初は扇町公園の出発地点で写真を撮っていたのですが、見送りの方や信号待ちの方が写り込んだり、強引に道を通ろうとするチャリがぶつかってきたり、なかなか撮りづらいものがあったので、途中で天神橋筋を北上し、いくつかのフロートを追い越して天六の交差点まで行って撮影しました)
 
 先頭は日本イーライリリーのフロート。たぶん実行委員の方たちが横断幕を持ち、マーチングバンド(府立桜和高校の吹奏楽部のみなさん)とJPN(全国プライドネットワーク)のみなさんが続き、アライ企業の方、Transgender Japanのみなさん、株式会社アカルクのみなさんなども歩いていました。




 その次は大使館や領事館が合同で出展した「Diplomats for Diversity」のフロートで、ドラァグクイーンや外国系の方が乗っていました。大使館や領事館の方たちだけでなく、野村證券、JR西日本、デロイトトーマツ、三井住友信託の方なども歩いていました。




 3番目はLGBT-Allyプロジェクト(Out Japan)のフロートで、「SOLUNA ESPERANZA」のトランス男性のお二人がお祭り野郎の格好で乗って盛り上げ、その後をVENさんが横断幕を持って歩いていました。トラックの横にはLGBTQやアライの方のメッセージがたくさん貼り付けられていて、素敵でした。三洋化成やユニバーサルスタジオジャパンなどたくさんのアライ企業の方たちが参加していました。





 4番目はIGLTAフロートで、ドラァグクイーンや海外の方たちが乗って、盛んに沿道にアピールしていました。海外からの方が大勢歩いていて、まるで海外のパレードのようにレインボーでハッピー感があふれてました。













 5番目もIGLTAフロートで、IGLTAのジョン・タンゼラ会長や小泉伸太郎さんらが乗って、やはり海外からの方が大勢歩き、後ろの方には株式会社アワーズ(南紀白浜アドベンチャーワールド)などの企業の方、群馬、岸和田、宝塚のプライドの主催者の方なども歩いていました。








 6番目はベルシステム24のフロートで、ちあきホイみさんが乗っていました。アクセンチュア、資生堂、IBM、伊賀市、MFAJ関西原告のみなさん、レインボーフェスタ和歌山のQちゃんなどが歩いていました。








 7番目はチェリオコーポレーションのフロート。車の中から手を振ってくれました。チェリオだけでなく、KAWASAKI、G-FRONT関西、Salesforce、ヒルトン、アストラゼネの方なども歩いていました。




 8番目はパナソニックオペレーショナルエクセレンスのフロート。CHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH」が流れてて、おそらく社員のストレートと思われる男性がめっちゃ盛り上がってました。司法書士会のみなさん、ハピネスお茶会のみなさんなども歩いていました。





 9番目はパナソニックインダストリーのフロート。KURABO、ANA、IKEA、CONRADの方なども歩いてました。




 最後に撮影禁止ブロックもありました。数十名の方が歩いていました。結構な高齢の方(ちょっと脚が悪そうでした)と50代くらいの方のカップルが寄り添うようにして歩いていらして、これまでお二人が長く一緒に暮らしてきたことや絆の強さが想像され、涙が出てきました。いろんな人生を生きてきた方たちがこの日、年に一度のパレードを歩くために扇町公園に来られます。その一人ひとりの思いの尊さに胸が打たれます。
 
パレードのフォトアルバムはこちら


ステージ後半〜フィナーレ

 全フロートを見送った時点でほぼ14時でした。後半のステージイベントが14時15分スタート予定でしたので、パレードを追いかけず、そのまま扇町公園に戻りました。すでに最初の方のフロートは公園に帰着しているようでした。
 広場には本当にたくさんの方たちがいて、たぶん1日目よりも2日目のほうが人出が多かったと思うのですが、EXPLOSIONで受付をやってた方も来られてましたし、Xで見たことのあるイケメンさんとか、いろんなタイプのゲイの方たちがお祭りを楽しんでいて、いいなぁ素敵だなぁと思いました。
 
 お猿の森という、和歌山の猿まわしの方たちが来てくれて、かわいいお猿さんのパフォーマンスを見せてくれました。横に渡した棒に幕がかけられていて、幕をずらすとお猿さんが消えたように見える(棒につかまってぶら下がってる)というイリュージョンをわざと種明かしして見せたりするのも面白かったです。海外の方なども珍しそうに見ていらっしゃいました。


 長年、全国のプライドイベントをレインボーカラーに彩り、楽しく盛り上げてきた虹組ファイツのみなさんのライブが始まり、大勢のファンの方がステージ前に詰めかけました。おなじみ「なんちゃって大奥」だけでなく「関西弁ダイヤモンド」(いい曲でした)なども披露してくれました。一人、ろうのメンバーの方もいらして、応援したくなりました。



 花*花のお二人が登場。2022年のKANE&KOTFEさんの結婚式でライブを披露してくれて、なんて素敵なお二人だろうと感激していたので、今回も会えるのを楽しみにしていました(残念ながら撮影は禁止でしたが、ステージの真ん前で観てました)。「ずっと一緒に」という歌の「しわくちゃのおじいちゃんとおばあちゃんになろう」という歌詞を「おじいちゃんとおじいちゃん」「おばあちゃんとおばあちゃん」に替えて歌ってくれたのが胸熱でしたし、「今日は選挙もあります。(同性婚ができる世の中に)変わるといいな」というMCも素敵でした。
 
 そして、今年の大トリは天道清貴さんがつとめました。「The Only One」から始まり、「はじまりはありがとう」など「OUT IN JAPAN」のテーマソングにもなった名曲を次々に披露。新曲「人生の交差点」も歌ってくれました。コーラスのみなさんのたたずまいや表情も素敵で、ジーンとさせられっぱなしでした。2日間にわたる、過去イチ盛り上がったレインボーフェスタ!の締めくくりにふさわしい、心に沁みるライブでした。



 クロージングでは、ステージ上から記念撮影をしたり、出演者のみなさんがコメントしたり、集まった寄せ書きを紹介したりしたあと、一斉にレインボーカラーの風船を空に放ちました。代表の桜井さんが涙ながらに感謝のコメントをしていました。







レインボーフェスタ!2024を振り返って

 6年ぶりに2日間とも取材でき、パレードやフィナーレにも立ち会えて、本当によかったです。
 一昨年は悲願の島谷ひとみさん、昨年は酒井法子さん(会えなくて残念)、今年はさらにたくさんの著名アーティストのみなさんが出演しました。来場者もパレード参加者も過去最多となり、年々パワーアップしている様子がうかがえます。
 
 パレードはTRPなどと同様、企業のみなさんの参加が増えた印象(半分くらい?)ですが、そんな企業の中でも当事者の方が働いていたりするわけで、そういう方が社内でカムアウトして同僚の方たちと一緒にパレードを歩いている姿は素敵だと感じましたし、パレードを歩くのをためらってしまうような地元の当事者の方たちも、世の中こんなにLGBTQフレンドリーになってるんだと感じていただけることで励まされるというか、少し勇気が出るんじゃないかなと思いました。

 今年はIGLTA関連で海外から本当にたくさんの方が来られてパレードにも参加してくださいましたが、海外のプライドパレードさながらに、ここぞとばかりにレインボーカラーを身につけたり派手にしたりコスプレしたり何かをアピールする方が多くて、パレードってそういう場だよね、と再認識させられました。何百人ものLGBTQの方たちが同時に海外から集まることってなかなかないので、今回のレインボーフェスタ!はそういう意味でも本当に稀有なイベントになったと思います。

 扇町公園は代々木公園ほど広すぎず、行ってたけど会えなかったね?ということもなく、ちょうどいい会場ですよね。また、レインボーフェスタ!はメジャー感と手作り感が絶妙なバランスで成り立ってる感じがあって(ちゃんと当事者のパフォーマンスもたくさんあって)、適度なゆるさもあって、いいですよね。関西のゲイコミュニティのみなさんが結構たくさん来られてる(景色がよい)のも魅力です。
 
 今年は運悪く台北プライドと重なってしまいましたが(それでも過去最多を記録したのだからすごい)、来年はまた、今まで通りスポーツの日の三連休に戻るのではないかと思われますので、みなさん来年の10月はレインボーフェスタ!と台北プライドの両方とも楽しんでいただければと思います(私も両方行きたいです)

INDEX

SCHEDULE

    記事はありません。