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レポート:「OPULENCE」vol.5@Zepp Namba
台湾のニンフィア・ウインドが、ついに来日!したほか、ジェイダ・エッセンス・ホールやプレシャス・ポーラ・ニコル、日本のクイーン勢も素晴らしかった「OPULENCE」vol.5。夢のような一夜をレポートします
世界的なドラァグクイーン達による豪華なショーと、クラブイベントのような演出やサウンド、照明を組み合わせた、日本初の大規模ドラァグショー「OPULENCE」(vol.4のレポートはこちら)。そのvol.5は「ル・ポールのドラァグ・レース(以下RPDR)」シーズン12優勝者のジェイダ・エッセンス・ホール、RPDRシーズン16優勝者のニンフィア・ウィンド、そして「ドラァグレース・フィリピン」初代優勝者のプレシャス・ポーラ・ニコルをゲストに迎えた、初の東京・大阪2公演開催となりました。今回はレインボーフェスタ!後の10月27日(日)、初開催の(海外勢でお祭り騒ぎだった)大阪公演を体験させていただきました。ニンフィアがついに来日を果たすということで、本当に楽しみにしていましたが、期待以上の(いい意味で期待を裏切られた)パフォーマンスで、ジェイダ・エッセンス・ホールもプレシャス・ポーラ・ニコルも日本のクイーンのみなさんのショーなども本当に素晴らしかったです。夢のような一夜でした。IGLTA総会とレインボーフェスタ!で海外から大勢の方たちが来日し、連日LGBTQイベントが繰り広げられていた大阪レインボーdaysの素晴らしいフィナーレとなった「OPULENCE」vol.5@Zepp Namba。レポートをお届けします。
(文:Junchan)
(写真は主催のEAGLE TOKYO様よりご提供いただきました。 ※ヴェルマ・ベル以外は東京公演の写真です)
(なお、文中のキャストの皆さんの敬称は略させていただきました。あしからずご了承ください)
10月27日(日)は朝から扇町公園でレインボーフェスタ!が開催され、17時頃に終了しました。ホテルに戻って着替えたり準備をして、なんばに向かいました。
Zepp Nambaに到着。入場する際、BEAMS提供のかわいいサングラスと、プライベートケアクリニックの児雷也さんパッケージのコンドーム&オイルセットがプレゼントされました(お得感)。ドリンクをオーダーするホワイエは大阪初の「OPULENCE」を心待ちにしていたオーディエンスの皆さんで賑わっていました(関西のドラァグクイーンの方たちもいらしていて、たいへん華やかな雰囲気でした)
全体が見渡せる2階席の最前列のシートに着席(Zepp Nambaは座席がありました。年寄りにも優しいホールです)。ワクワクしながら待っていると、映像と音楽が流れはじめ、いよいよ「OPULENCE」がスタート!
音楽がマドンナの「Like a prayer」に変わると、ステージに日本のクイーンとダンサーのみなさんが登場! オープニング・ショーの華やかなステージに、フロアのみなさんも一気にテンションが上がった様子でした。
それから、スパンコールの衣装に身を包んだMCのCODYが、アヴリル・ラヴィーンの「Girlfriend」の替え歌みたいな感じで「CODYは〜ケンコバが〜好きだと思われるけど〜NO!NO!NO! CODYのタイプはオダギリジョー!」という自己紹介の日本語ラップを繰り広げ、盛り上げてくれました(とってもキュートで和みました)
そして!いよいよゲストクイーンの登場です。トップバッターはゴールド&ピンクのゴージャスな衣装に身を包んだプレシャス・ポーラ・ニコル。「If I Were a Boy」「Single Ladies (Put A Ring On It)」というみんな大好きビヨンセの曲でパフォーマンスし、オーディエンスを沸かせました。
パフォーマンス後、マイクを握ったポーラは、母国のフィリピンで慈善事業に携わっているということもあり、お金が必要ですと言って、客席を回ってチップをいただきはじめたのですが、(海外からの方とか特に)ものすごくたくさんの方たちがチップをさしあげていて、ポーラも感激した様子で「私リッチです」と言ってました(その後ニンフィアやジェイダも客席に。ポーラはある意味「OPULENCE」の歴史を変えたかもしれない、と後日、熱心なファンの方が語っていました)
お待ちかねのニンフィア・ウィンドが美しい純白のガウンをまとってステージに登場。曲はビヨンセの「halo」で、今日はビヨンセ祭りなの?と思いきや、Doja Catの「DEMON」に変わり、ガウンを脱ぎ捨てたニンフィアはウィッグと同じ黄色の、ものすごく毛足の長いファーをあしらった素敵な衣装でダンサーたちと妖艶なダンスを繰り広げました。スクリーンに映し出された蜘蛛の映像とも相まって、ちょっと毒気を感じさせる世界観のステージ。何よりもニンフィアのスタイルのよさや(いったい何cmのヒールを履いてるんだろう?って思うくらい、脚が長く見えました)その体の柔らかさに目が釘付けになりました。本当にカッコよかったです。シビれました。
そしてジェイダ・エッセンス・ホールが登場。全身黒で統一された衣装はミニスカートとロングブーツがとてもガーリーでかわいかったです。そんなジェイダはDoechiiの「Alter Ego」に乗って縦横無尽にステージを動き回り、その美しく長い脚を高く上げたり、ジャンプしたりしてオーディエンスを魅了していました。MCでは「日本に来るのが私の夢でした」と満面の笑顔で語り、大きな拍手を浴びていました。
続けてMCのCODYが登場し、3人に質問するQ&Aコーナーとなりました。3人ともスゴいパフォーマーなのに、全然気取ってなくて、お茶目で素敵で、人柄の良さを感じさせました。みんな「日本に来れてうれしい」と言ってくれて、こちらこそ来てくれてありがとう!と思いました。
続けて日本のクイーンによるショータイムがスタート!
セラ・トニンは(ちょっと聖闘士星矢を彷彿させる)ギリシア神話に出てくる戦士のような神々しさを感じさせる衣装で登場し、盾を持ったダンサーたちとともに、「聖なる戦い」的な世界観のショーを披露してくれました。「戦争と祈り」といったタイトルがつきそうな、一篇の短編映画を観ているような、実に芸術的なショーでした。
ヴェラ・ストロンジュは今回、自慢のTwerkやダイナミックなダンスだけでなく、大きな羽を広げた蝶のイメージだったり、コンテンポラリーダンスのように真っ白な布をステージいっぱいに広げたり、「静」の表現を重視したショーを見せてくれました。毎回、新鮮な驚きがあり、夢中にさせてくれる方ですが、今回も素晴らしかったです。今度は何をやってくれるんだろう?と期待させます。
二丁目のビヨンセこと、サーシャ・B・サバンナの登場です。Zepp Nambaという大舞台ということで、いつもよりもゴージャスみを増した演出でしたが、みなさんきっとAiSOTOPE LOUNGEなどでご覧になったことがあると思われる、あのライブバージョンの「Crazy In Love」を堂々とやりちぎっていました。拍手!
再びポーラが登場。今度は実に美しいピンクのロングドレス姿で登場し、宇多田ヒカルの「First Love」で、しっとりと、たおやかに。客席のみなさんはスマホのライトをゆっくり振って、さながらライブ会場のようでした。日本人のために宇多田を選んでくれたこともさることながら、「First Love」が会場に流れている時間のエモさにもジーンとさせられました。
ニンフィアの2本目のショーはレディ・ガガの「You and I」。ヌードカラーに黄色の波状の模様が入ったセクシーないでたちで登場し、(たぶんアドリブだと思うのですが)客席に降りて、お客さんにサービスしまくりながらのショーで盛り上げました。
ジェイダは打って変わってちょっとプリンスみのある高いウィッグと黒のボディスーツ姿で登場し、Ke$haの「Die Young」(アガる!)に乗ってステージや客席を走り回り、盛り上げました。
大阪で活躍する(昨年のレインボーフェスタ!にも出演した)ヴェルマ・ベルが登場。全身ピンクの衣装で、チャペル・ローンの「Pink Pony Club」を生で歌いながら、だんだん身に着けたものを脱いでいくショーを披露。客席のクィア女性と思しき外国人の方たちが立ち上がって大盛り上がりしていたのが素敵でした(チャペル・ローンはレズビアンですし、今年のアメリカのLGBTQの顔的な存在でしたので、このショーがあってとてもよかったと思いました。さすがはヴェルマ。拍手です)
最後、ゲストクイーンがもう1本ずつショーを披露してくれました。
ポーラはThe Pussycat Dollsのヒット曲「Hush Hush; Hush Hush」に乗せてダンサブルなショーを披露。セラ・トニンやサーシャも登場し、盛り上がりました。
ジェイダはパープルの美しい衣装でゴージャスに締めくくりました。
スクリーンに学校の校舎が映し出され、キンコンカンコーンという放課後のチャイムが鳴り、ミーガン・ザ・スタリオンの「Mamushi feat. Yuki Chiba」が流れはじめ、Harajukuなギャルのいでたちでニンフィアが登場(ちゃんとルーズソックスやバッグが黄色でした)。同じくギャルなヴェラやダンサーたちと一緒にギャルピースで自撮りしたり、バッグから取り出したバナナを食べたり、ダンスバトルを繰り広げたりという、実に楽しいショーでした。
そのまま、本日の出演者のみなさんやウェルカム・クイーンの方たちもステージに上がってゴージャスなフィナーレとなりました。最後に登場したニンフィアにみんながひざまづいて崇めるような場面もあったりして、大阪らしく遊び心満点でした。楽しい時間はあっという間。こうして夢のような一夜が幕を下ろしました。
ニンフィアは25日に東京の「OPULENCE」に出演した後、台北に帰って26日の台湾同志遊行(Taipei LGBTQ Pride)に参加し、27日にはまた大阪に来て「OPULENCE」に出演という超ハードスケジュールだったと思います…本当におつかれさま&ありがとう。でも、疲れを微塵も感じさせないパワフルさで素晴らしかったです。
個人的には、水曜からのIGLTA総会とレインボーフェスタ!という連日LGBTQイベントづくしだった大阪の旅が、この「OPULENCE」で最高にハッピーなフィナーレを迎えて、本当に満たされた、幸せな気持ちになりました。
夜から降り始めるとの予報だった雨も降らず(ホテルに着いて22時過ぎから降り始めました)、天の恵みだと思いました。
大阪で「OPULENCE」を体験する機会ってこの先そうそうないと思いますし、この夜の夢のような時間のことをずっと忘れずにいたいと思います。このような素晴らしい時間をプレゼントしてくれたEAGLE TOKYOさんにも心から感謝申し上げます。
INDEX
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- 特集:年越しカウントダウンイベント 2024→2025
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- レポート:エイズ学会2024(2)
- レポート:エイズ学会2024(1)
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- 特集:2024年12月の映画・ドラマ
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- レポート:みやぎにじいろパレード2024
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- 01.18令和のぺ祭 -順平 BIRTHDAY PARTY-
- 01.18GLOBAL KISS