g-lad xx

FEATURES

特集：新宿の街へ出よう

12月にかけて、二丁目だけじゃなく新宿の街中で素敵な展示やイベントがいろいろあります。週末のデートや友達とのお出かけなどでぜひ、今だけの新宿の街の景色をご覧ください

特集：新宿の街へ出よう

　つい最近までの暑さがうそのように、急に寒くなりましたね。冬のはじまりを感じさせる今日この頃です。街路樹も色づきはじめ、街のあちこちでクリスマスのイルミネーションの準備をしているこの季節、ちょっとセンチメンタルな気分になるかもしれません（脳内BGMは菊池桃子さんの「もう逢えないかもしれない」）。そんな今、新宿の街のあちこちで、これまでは見ることがなかったような、ゲイフレンドリーな光景を見ることができたりします。ゲイ（をはじめとするLGBTQ+Ally）コミュニティの方たちの思いが表れたHIV予防のバナーや同性婚のパネル展など、せっかくの機会ですので、ぜひご覧になってみてください。きっとあたたかな気持ちになれたり、新宿の街をもっと好きになれたりするはず。というわけで、「新宿の街」を切り口に、そうした展示やキャンペーン、エイズ学会やTOKYO AIDS WEEKS、新宿二丁目虹色友の会などのイベントをまとめてご紹介してみます。
（最終更新日：11月19日）
　

◆〜11/22 私たちだって“いいふうふ”になりたい展 in 新宿髙島屋2024
　こちらのニュースでもお伝えしたように、髙島屋新宿店2階のウェルカムゾーンで「私たちだって“いいふうふ”になりたい展」が開催中です。「私たちだって“いいふうふ”になりたい展」は2021年から各地で開催されているパネル展で、法的な保障がない戸籍上同性のカップルが日々の生活で直面する困り事や、結婚できない今をより安心して生きるための方法、そして、同性カップルの想いを素敵な写真などとともに紹介するものです。特に同性カップルの写真とコメントはグッとくるものがあります。
　ウェルカムゾーンは新宿駅新南改札側から高島屋に入って、真っ直ぐ行ったところにあります。ベンチもあって休憩できたりもするスペースなので、お気軽にどうぞ。
　なお、この展示は、日本百貨店協会が同性婚推進団体とコラボして実現したものです。高島屋は、岡山ではパレードのときに大きなレインボーフラッグを掲げてくれますし、先日のIGTLA総会の際は南海なんば駅舎や店舗内でもレインボーな広告を出してくれていました。社長さんは先日のwwPセミナーにも出演しています。
　
期間：2024年11月13日（水）～11月22日（金）
会場：髙島屋新宿店2階 ウェルカムゾーン



◆都庁前と仲通りに「U=U」「PrEP」などのフラッグが
　都庁前中央通りと二丁目の仲通りに、国連合同エイズ計画（UNAIDS）が世界共通のビジョンとして掲げる「HIVの新たな感染ゼロ」「差別ゼロ」「エイズ関連死者ゼロ」の「0（ゼロ）」をあしらった6種類の啓発フラッグが掲げられます（詳細はこちら）。PrEPやU=Uのフラッグもあって、ゲイコミュニティではかなり浸透してきたPrEPやU=Uのことが市民にも周知されるようになったのだなぁと感慨を覚えたり（aktaの方たちが協力して実現したようです）。ぜひ実物をご覧になってみてください。
　都営地下鉄や都バス、メトロの駅構内や都庁周辺のデジタルサイネージなどで「東京都エイズ予防月間」の広告も出ていたりします。

都庁前中央通り：11月16日から12月15日まで
新宿二丁目仲通り：11月25日から12月2日まで






◆11/28〜12/8 都庁が赤色にライトアップ
　実は何年も前から行なわれているのですが、世界エイズデーの前後、レッドリボンにちなんで都庁が赤色にライトアップされます（11/1の東京都パートナーシップ宣誓制度開始日にはレインボーカラーにライトアップされました）。東京都のHIV予防の部署（福祉保健局。現在は保険医療局）は2000年代から様々なかたちで二丁目のHIVコミュニティと協働したり、東京レズビアン＆ゲイパレードに後援してくれたりしています（すでに亡くなってしまいましたが、飯田さんという担当課長が本当に熱心なアライの方でした）。そういう意味で、この赤いライトアップは決して表面的な取組みではないと言えます。新宿でエイズ学会が開催され、都庁前中央通りにバナーが掲げられている今年、赤く染まった都庁を見上げてみませんか？
　　
都庁ライトアップ
期間：11月28日（木）から12月8日（日）まで
時間：17時45分〜21時30分（予定）
※プロジェクションマッピング上映時間は除く
 

◆11/28 aktaでエムポックス対策シンポジウム開催
　2022年以降、世界中で流行が拡大したエムポックス。現在、コンゴを中心に、以前のものとは違う強毒性のエムポックスが流行中で、WHOが緊急事態宣言を発し、世界的な懸念事項となっています。そんななか、日本とヨーロッパの最前線でエムポックスに対応してきた専門家たちが集まり、その成果と今後の課題を共有します。会場の皆さんともお話ししたり、活発な議論が期待される会になります。
（なお、TOKYO AIDS WEEKSの一環として、この時期、様々なイベントが開催されます。コラム「世界エイズデー2024のキャンペーン」をぜひ読んでみてください）
　
エムポックス対策シンポジウム：ヨーロッパと日本の現場から学ぶ！
日時：2024年11月28日（木）19:30-21:00
会場：コミュニティセンターakta（新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301）
入場無料
座長：村松崇先生（東京医科大学病院臨床検査医学科）、山本朋範先生（国立感染症研究所感染症危機管理研究センター）
演者：Chloe Orkin先生（Queen Mary University of London）、石金正裕先生（国立国際医療研究センター国際感染症センター）、岩橋恒太先生（特定非営利活動法人akta）

　ちなみにaktaでは11月24日までS.オニクボ写真展が開催中です。



◆11/29 二丁目で「RAINBOW REAL 〜新宿二丁目はしご酒〜」開催
　二丁目の街を舞台に、参加店舗のお店を自由に巡って、飲食を楽しみながら、みんなの「出会い」を応援する交流するイベント「RAINBOW REAL 〜新宿二丁目はしご酒〜」が開催されます。以前は「新宿二丁目街コン」というタイトルでしたが、友達探しを目的とした彼氏持ちの方やカップルでの参加が難しいというご意見をいただき、リニューアルしたそうです。7人のドラァグクイーン＆GOGO BOYSがサポーターとなって盛り上げてくれるそうです。

RAINBOW REAL 〜新宿二丁目はしご酒〜
日時：11月29日（金）19:00-24:00（受付18:30）
料金：28店舗で使える5ドリンクチケット付き 前売3000円、当日3500円
※MEN ONLY（20歳以上）

 

◆11/30 京王プラザでエイズ学会イベント開催
　NPO法人aktaの代表・岩橋恒太さんが大会長を務める「日本エイズ学会学術集会・総会」のコミュニティ向けプログラムが11月30日に新宿の京王プラザホテルで開催されます。
　コロナ禍以来5年ぶりとなる「合唱ミニコンサート」（ゲイコミュニティのいろんな方たちが出演します）、JaNP+の高久陽介さんらが出演する市民公開講座「エイズ・性教育再考 ～伝えるむずかしさ～」、ジャンジさんらが出演する市民公開講座「HIV/AIDS ごちゃまぜトークセッション すべての垣根を越えた先に見える未来」です。

TOKYO AIDS WEEKS 2024 合唱ミニコンサート
日時：2024年11月30日（土）12:40-13:20
会場：京王プラザホテル 第2会場 4階 錦（新宿区西新宿2-2-1）
入場無料
演者：TOKYO AIDS WEEKS CHOIR

【市民公開講座】 エイズ・性教育再考　～伝えるむずかしさ～　＠第38回日本エイズ学会学術集会・総会
日時：2024年11月30日（土）13:40-15:10
会場：京王プラザホテル 4階 扇
司会：岩室紳也　
パネリスト：高久陽介（NPO法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス代表理事）、清水美春（びわこんどーむプロジェクト代表：コンドーム伝道師/元高校保健体育科教諭）、高橋幸子（埼玉医科大学医療人育成支援センター/産婦人科医）

市民公開講座２「HIV/AIDS ごちゃまぜトークセッション すべての垣根を越えた先に見える未来」
日時：2024年11月30日（土）13:40-15:10
会場：京王プラザホテル 4階 花A（新宿区西新宿2-2-1）
入場無料
座長（予定）：岡本学（独立行政法人国立病院機構大阪医療センター）、荒木順／ジャンジ（特定非営利活動法人akta）　
演者（予定）：奥井裕斗（HIVと共に生活する新宿区民）、後藤正善（一般社団法人アプローズ、薬害エイズ被害者のHIV陽性者）、岡本学（ゲイの支援者）、藥師実芳（認定特定非営利活動法人ReBit、トランスジェンダーの支援者）
主催：第38回日本エイズ学会学術集会・総会


◆12/1 NOT ALONE CAFE MEETS RED RIBON at EAGLE TOKYO BLUE〜モンゴル交流会
 「NOT ALONE CAFE」は日本に来たばかりのLGBTQのための居場所であり、参加者と気軽に話し、知り合いをつくることができるような場所です（日本語の練習相手も必要ですので、日本語話者の皆さんの参加も大歓迎です）。今回は世界エイズデーにモンゴルの「Youth for Health Center」の方たちが来日し、アジアの視点でエイズを考える機会となります。ラビアナさん、アクセルさん、Vanity Ingaさん、ジャンジさんの素敵なパフォーマンス、MAXIMさんのDJもお楽しみいただけます。

NOT ALONE CAFE MEETS RED RIBON at EAGLE TOKYO BLUE〜モンゴル交流会
日時：2024年12月1日（日）14:00open、15:00- TALK＆SHOW TIME、17:00- SHOW TIME
会場：EAGLE TOKYO BLUE（東京都新宿区新宿2丁目11-2 カーサ・ヴェルデ 1階+地下1階）
入場無料（1drink オーダーください）
PERFORMER：Vanity Inga、Labiana Joroe、Axel Abysse、Madame Bonjour JohnJ
DJ：MAXIM
TALK：Miigaa Myagmardorj（Youth for Health Center NGO Directer)
司会：ピロシ（ぷれいす東京）
※モンゴル語通訳付き
主催：NOT ALONE CAFE、TOKYO AIDS WEEKS 2024


◆シネマート新宿で映画『クルージング』を観よう
　伊勢丹メンズ館から二丁目へ向かう道の途中（明治通り沿い）にあるシネマート新宿では、伝説の映画『クルージング』（1980年）がリバイバル上映されています。
 『クルージング』は、当時の人気俳優アル・パチーノが主演し、ハリウッド映画史上初めてNYアンダーグラウンドのBDSMのゲイカルチャーを正面から描いた作品です。しかし、ゲイのハッテン場に警官が「潜入」するというストーリーがゲイ差別を助長するとして全米で猛抗議を受け、興行も振るわず、長い間言及もされずにきたという問題作です。しかし近年、クエンティン・タランティーノやセリーヌ・シアマなどの名監督がフェイバリットに挙げ、各国のクィア映画祭ではエイズ禍以前のゲイ・カルチャーを記録した貴重な作品として再上映されるなどして、再評価が進んでいます。レザーマンたちがBDSMを愉しむなか、主人公がストレートとしてのアイデンティティを揺るがせる様も描かれたセクシャルな映画でもあります。
　監督は『エクソシスト』『恐怖の報酬』のウィリアム・フリードキン。1973年〜79年、NYで実際にSMクラブに出入りするゲイたちを標的とした猟奇連続殺人事件が起こりましたが、フリードキンは、逮捕された容疑者が『エクソシスト』で病院のシーンに出演していた放射線科の看護師だったことに驚き、容疑者に面会し、元NY市警の友人にゲイSMクラブへの潜入捜査の話を聞き、自らもそこに足を運び、この映画を完成させたんだそうです。

＜あらすじ＞
夜のニューヨークでゲイを狙った連続殺人事件が発生。密命を受けた市警のバーンズはゲイを装い、ストレート立入禁止のSMクラブで潜入捜査を開始する。そして男たちの性の深淵を彷徨い、身も心も擦り減らしていくなか、ついに犯人の手がかりを掴むのだが……。

クルージング
原題：WILLIAM FRIEDKIN‘S CRUISING
1980年／米国／102分／脚本・監督：ウィリアム・フリードキン／出演：アル・パチーノ、ポール・ソルヴィーノ、カレン・アレンほか
11月8日からシネマート新宿で上映中（上映終了日未定）


INDEX

SCHEDULE