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2025年秋の舞台作品

2025年9月〜11月に上演されるLGBTQ関連の舞台作品をご紹介。ゴルチェのミュージカル『ファッションフリークショー』、大阪の弁護士夫夫をモデルにした『カラフル -私の息子は"弁護士夫夫"です-』などが上演されます

2025年秋の舞台作品

(ミュージカル『ファッションフリークショー』より)

 映画やドラマもいいですが、舞台上の俳優の肉体美や息遣い、臨場感を生で感じ取れる演劇(やミュージカル、バレエ、ダンスパフォーマンスなど)の魅力も格別なものがあります。この特集では、2025年9月〜11月に上演されるLGBTQ(クィア)を描いた舞台作品をまとめてご紹介。ゴルチェのミュージカル『ファッションフリークショー』、あの黒木華さんがトランスジェンダーの役を演じる『ここが海』、吉田修一原作の『パレード』の再演、大阪の弁護士夫夫をモデルにした『カラフル -私の息子は"弁護士夫夫"です-』などです。生の舞台の熱さをぜひ、お楽しみください。
(最終更新日:2025年9月8日)



9月8日〜22日 東京
9月27日~28日 仙台
10月2日~6日 大阪
10月10日〜19日 東京
コーラスライン

 不朽の名作として名高いロードウェイ・ミュージカル『コーラスライン』。主役ではない(舞台上の「コーラスライン」を越えることができない)「コーラスダンサー」のオーディションに参加するダンサーたちの赤裸々な自分語りにスポットを当て、感動を呼び、ブロードウェイを革命的に変えたと言われるミュージカルの傑作です。あの『ドリーム・ガールズ』も手がけたマイケル・ベネットの原案・振付・演出によって1975年7月25日に初演され、9つのトニー賞とピュリッツァー賞を受賞し、以降、世界中で何度となく上演されてきました。マイケル・ベネットは、ダンサーたちとの深夜の録音セッションから得た実際の証言を基に作品を創り上げたそうですが、ゲイであるがゆえにひどい差別を受けてきたダンサーの語りも複数、盛り込まれていて、70年代〜80年代のまだまだ生きづらかった時代のゲイたちを慰め、励ましとなりました(なお、マイケル・ベネットはバイセクシュアルのダンサー/振付師/演出家で、1987年にエイズで亡くなっています)
 劇団四季などの『コーラスライン』をご覧になったことがある方も多いと思いますが、今回、常に影マイクでオーディションを仕切っていた演出家のザックが舞台に登場し、ダンサーたちと絡むという新演出で上演され、そのザックをマシュー・ボーンの『白鳥の湖』や映画『リトル・ダンサー』への出演で知られる大スター、アダム・クーパーが演じることで話題になっています。

<あらすじ>
舞台はニューヨーク、新作ミュージカルのオーディション会場。ステージ上には1本の白い線が書かれている。その線の前に並んだ、最終オーディションに残った17名のダンサーたちは、演出家のザックに最後の課題を言い渡される。それは『自分自身について語ってほしい』ということだった…。

コーラスライン
【日本プレミア公演】
日程:9月8日(月)〜22日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL
【仙台公演】
日程:9月27日(土)~28日(日)
会場:仙台サンプラザホール
【大阪公演】
日程:10月2日(木)~6日(月)
会場:梅田芸術劇場メインホール
【東京凱旋公演】
日程:10月10日(金)〜19日(日)
会場:シアターH

 

9月12日~9月28日 東京
Jean Paul GAULTIER'S FASHION FREAK SHOW

 全ての人は美しく、フリーク! 世界中から称賛の声が止まない、ジャン=ポール・ゴルチエの激動の半生を描いたエンタテインメント・ミュージカル「ファッション フリーク ショー(FASHION FREAK SHOW)」が東急シアターオーブで再演されます。2018年、パリで初演された際はのべ約25万人を動員、2022年7月にワールドツアーがロンドンで開幕し、日本でも2023年5月〜6月に公演が行われました。ゴルチエがトップデザイナーとして躍進していく半生を描き、「ファッションは自由」「全ての人は美しく、変人(フリーク)」いうゴルチエの信念を表現した舞台で、演出・デザインをゴルチエ自身が手がけ、パリコレのランウェイを彩った実際のオートクチュールが200点超、登場します。オリジナル楽曲制作はナイル・ロジャーズが担当し、振付はマリオン・モーティンが手がけました。再演では新たな衣装が披露されます。
 公演初日には本編が始まる前に催しをする「プレミアム限定オープニングイベント」を実施するほか、期間中の金曜日と土曜日の夜公演は「ドレスアップ推奨ナイト」と題し、タイトルにちなんでお気に入りのファッションでの来場を推奨します。先行販売の期間中でのVIP席の購入者を対象にした抽選イベントとして、終演後に舞台上でキャストとの撮影ができる「フォトセッション・オン・ステージ」や、舞台裏が見学できる「バックステージツアー」も予定されています。
 なお、『ファッション・フリーク・ショー』の舞台裏に迫ったドキュメンタリー映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』のレビューをこちらに掲載しております。単にゴージャスできらびやかというだけでなく、ゴルチェのゲイとしての人生がそのまま反映されているところが素晴らしかったです。

Jean Paul GAULTIER'S FASHION FREAK SHOW 
日程:2025年9月12日(金)~9月28日(日)
会場:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ11階 東急シアターオーブ
休演日:9月15日(月)、22日(月)
チケットはこちら ※ディタ・スターマインさんの割引コードを使うと1000円引きになるそうです。10日まで!



9月20日〜10月12日 東京
ここが海

 『ここが海』は性別を変更したいと告げられた家族の物語です。性の多様性をめぐる可視化や制度の整備は進みつつあるものの、理解の浸透や差別の解消には、なお多くの課題が残されているとの認識のもと、作品づくりのプロセスにおいても、2023年春の初稿完成以降、シスジェンダーとトランスジェンダーのメンバーが対話を重ね、デベロップメントを行ない、上演に至ったそうです。配偶者から「性別を変更したい」と告げられる主人公・岳人を橋本淳さんが、性別変更の意志があることを告げる友理を黒木華さんが演じます。当事者と非当事者のあいだに存在する「壁」を前に揺れながらも、対話を重ね、理解を深めようとするアライという立場を、創作を担うカンパニーとして明確に掲げながら本作を創り上げました。公演サイトでは、映画文筆家・児玉美月さん×作・演出の加藤拓也さん、トランス女性の映画プロデューサー・谷生俊美さん×橋本淳さん、トランス男性の俳優・若林佑真さん×黒木華さんのそれぞれ約8,000字に及ぶ対談原稿が公開されています。

<あらすじ>
岳人と友理は共に仕事をしながら、真琴を連れて日本各地のホテルやロッジ等を転々としながら暮らしている。ホテルに長期滞在中のある日、友理の誕生日を祝うためにレストランを予約していた岳人は、性別を変更しようと思っていると友理から告げられる。

ここが海
日程:2025年9月20(土)〜10月12日(日)
会場:シアタートラム
チケットはこちら
作・演出:加藤拓也
出演:橋本淳 / 黒木華 / 中田青渚

 

10月24日~11月1日 東京
パレード

 『最後の息子』『春、バーニーズで』『横道世之介』『怒り』などゲイが登場する小説をたくさん書いてきた吉田修一さんが2002年に発表した山本周五郎賞受賞作の『パレード』が(2010年に行定勲監督・脚本で映画化されたのち)2022年に舞台化されているのですが、このたび再演が決まりました。この作品にはウリ専をしているゲイのサトルという男の子が登場します。18歳で公園に立ち、友達の家や買ってくれた人の家や公園を転々とする生活ですが、同世代の男女4人が共同生活をしている部屋に転がり込むことになり、そこから、一見当たり障りなく過ごしていた4人の間に、波紋が広がっていくというお話です。「現代を生きる私たちにとって、よりリアルで共感可能な物語として、新たな『パレード』が誕生する」とのことです。映画では、あの(『おっさんずラブ』で大活躍した)林遣都さんがサトルを演じ、鮮烈な印象を与えていました。今回の舞台では宮地樹さんという方が演じます。(※なお、この作品はLGBTQのプライドパレードとは関係ありません)

<あらすじ>
千歳烏山のマンションでルームシェアをしている20代の男女4人。本音を明かさず、“本当の自分"を装うことで優しく怠惰な共同生活。そこにひょんなことから謎のゲイの少年・サトルが同居することになり、徐々に小さな波紋が広がっていく…。

パレード
日程:2025年10月24日(金)~11月1日(土)
劇場:シアターH
チケットはこちら(※一般販売は9月13日から)
脚本・演出:平塚直隆
原作:『パレード』(吉田修一)
出演:馬場良馬、岩田陽葵、伊藤理々杏(乃木坂46)、宮地樹(劇団4ドル50セント)、安藤夢叶、佐藤礼菜(劇団俳優座)



11月19日〜24日 東京
カラフル -私の息子は"弁護士夫夫"です-

 舞台を通して《生きていることの素晴らしさ》《人とつながって生きることの意義》を広く伝えたいとの思いで活動している劇団朋友が、大阪の南和行さん&吉田昌史さんをモデルとした舞台作品を制作することになりました。弁護士夫夫(ふうふ)として人を守るべき法に時に傷つきながらも、支えあい、懸命に生きている息子とその恋人、泰之と真人の姿、そして、ゲイである息子を少しずつ理解し、受け容れていくようになる母・良枝の姿を通じて、《相互承認》が共生社会へとつながっていくことを示したい、とのことです。アフタートークとして11月20日にフライングステージの関根さんが、23日に南さんが登壇します。

<あらすじ>
専業主婦だった良枝は、夫を亡くしてぼんやりと日々を過ごしている。ある日、息子の泰之から自分はゲイだと告げられる。良枝はそんな泰之をなかなか受け容れることができない。大学を卒業した泰之は、就職のため実家の近くに引っ越してきた。泰之は引っ越しの手伝いに来た男性、真人とつきあっていると話すが、良枝はどうしていいかわからずにいる。そんな良枝に泰之は、司法試験のためロースクールに通う自分と真人、二人分の弁当をつくってほしいと頼む。そして、弁護士になった二人は法律事務所を立ち上げ、良枝に事務員として働くことを提案するのだった。

カラフル -私の息子は"弁護士夫夫"です-
日程:2025年11月19日(水)〜24日(月) 全6ステージ
会場:中野・BONBON
チケットは9/22より発売(公式サイトでご確認ください)
原作:「ぼくたちのカラフルな毎日」(南和行+吉田昌史)
脚本:関根信一 (劇団フライングステージ)
演出:高橋正徳 (文学座)
監修:南和行
出演:今本洋子、椎名一浩、村上和彌、水野千夏、野田裕、矢嶋俊作、敦澤穂奈美、鈴木千晶、大山聖乃、椿いづみ、本田玲央

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