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レポート:婚姻平等訴訟応援イベント「二丁目で、しゃべろう同性婚」
2月15日(土)、二丁目のEAGLE TOKYO BLUEで、6周年を迎えた「結婚の自由をすべての人に」訴訟を応援するイベント「二丁目で、しゃべろう同性婚」が開催されました。レポートをお届けします

「結婚の自由をすべての人に」訴訟を行なっている団体「Marriage For All Japan」(以下MFAJ)は、一斉提訴から1周年を迎えた2020年2月にアルモニーソルーナ表参道でイベントを開催し、八方不美人がライブを披露するなどして盛り上がりました(原告の佐藤郁夫さんも来られていました。お会いするのはそれが最後になってしまいました…)。その後、コロナ禍を経て、院内集会や、全国各地の「結婚の平等にYES!」の方たちが行なうイベントなどはあったものの、今回がひさしぶりのイベント開催となりました(しかも、二丁目では初めてだそうです)
今年は3月に名古屋高裁と大阪高裁での判決が予定されていますし、最高裁に向けた「最重要イヤー」ということで、一昨日の院内集会と合わせて、この婚姻平等訴訟応援イベント「二丁目で、しゃべろう同性婚」が企画されました。
2月15日(土)、夕方の二丁目はまだ明るくて人影もまばらだったのですが、EAGLE TOKYO BLUEには三々五々、イベント参加者の方たちが集まってきました。入場の際に明治のダイバーシティパッケージの「マーブル」チョコをもらえて、素敵なバレンタインになりました。
壁には同性婚関連のパネルが展示され、パンフレット等がカウンターに置かれ。また、「議員へのお手紙書こうコーナー」の発展形で、自身の写真をその場で印刷してシールとして貼ったり、そのまま写真にメッセージをつけてハガキとして投函できる特設コーナーも設けられていました。
前方のスクリーンの前には椅子が並べられていて、17時にスポットライトが点灯し、「二丁目で、しゃべろう同性婚」がスタートしました。
初めに東京訴訟弁護団の上杉弁護士と、共同代表の松中さんが司会をつとめ、ご挨拶しました。そして予告されていたオリジナル・ミュージック・ビデオのプレビュー上映が行なわれました。日本での同性婚実現のために、作詞、作曲、撮影など、様々なトップクリエイターの方々が集結し、オリジナル楽曲とMVを制作したものです。(撮影禁止と言われるくらいでしたので、あまり詳細はお伝えできないのですが)MVでまず感動したのは、おそらくいま日本のゲイシーンで最も熱烈な支持を集めているあの歌い手さんが歌っていたことです。そして、コミュニティでおなじみのあの方や、わーすごい!と思うあの方なども登場していて、拍手モノでしたし、いろんな人たちが協力してこんなハイクオリティなビデオが…と思うと胸が熱くなりました。3月7日に公開されるそうですので、ご期待ください。
【追記】2025.3.7
MVが公開されました。ご覧ください。
続いてEAGLE TOKYO BLUEの後方(螺旋階段の下)で「しゃべろう」企画がスタートしました。
MFAJのスタッフの方たちがファシリテーターとなり、「家族×同性婚について話そう(親とのこと、パートナー、子どものことなど)」というテーマでお話。「私はまだ家族には話せていません」「私は両親にはカムアウトし、理解してもらえたものの、親戚などには伝わらないように、おとなしくして、と言われました」など、それぞれのリアルな事情が語られました。
20分くらいお話ししたあと、少しの休憩をはさんで「世の中・社会×同性婚について話そう(会社、地域、政治、海外など)」というテーマのお話になりました。
ALAMAS CAFEでは、婚姻平等訴訟の状況について説明するという趣旨のトークも設けられていました。(「府中青年の家」裁判で画期的な勝訴を勝ち取ったり、多大な貢献をしてくださっている)中川弁護士が、私たちもここまでいい判決が出るとは予想してなかった、法廷に立って切実な思いを語ってきた原告のみなさんが裁判官の心を動かしたんです、とおっしゃっていて、ジーンときました。最高裁では原告の方がお話することがないので、そういう場をどうやって作っていこうか思案しているそうです。
「暮らし・生き方×同性婚について話そう(老後のこと、病気、カミングアウト、シングルの生き方など)」では、ニュージラーンド人のパートナーをもつ池田さんがファシリテーターをつとめ、やはり外国人のパートナーを持つ方が相談したりしていました。
最後に、前方のステージでおまちかねのちあきホイみさんの「生歌歌謡ショー」が繰り広げられました。ホイみさんは、5年前、八方不美人として参加した5年前のイベントの時に同性婚が実現するのが先か、自分にパートナーができるのが先か、競争だ!と話したけど、このままでは同性婚実現に先を越されてしまいそうです、と言ってお客さんを笑わせていました(歌だけでなくMCも上手いんですよね。さすがは八方不美人)。ホイみさんはソロシングル曲「かんのん」を艶めかしく歌い上げたあと、敬愛するちあきなおみさんの「黄昏のビギン」を披露し(途中、客席から引き上げられたゲイカップルが歌に合わせてチークダンスをする場面もあって素敵でした)、美空ひばりさんの「愛燦燦」で締めるという素晴らしいライブを披露してくれました。会場の「アンコール!」の声に応え、ちあきなおみさんの名曲「喝采」を歌い上げ(音源がライブバージョンで、無音の部分があったり、速さが変わったりして難しそう…だったのですが、完璧に合わせていました。さすがです)、万雷の拍手を浴びていました。
司会のお二人が締めのご挨拶をして、今回のイベントをオーガナイズしてくれたかしまさんも一言ご挨拶をして(おつかれさまでした)、閉会となりました。
19時に終了した後も(Women Onlyだったのでおじゃましませんでしたが)GOLD FINGERでパーティが続いたり、ホイみさんが仲通りで「マーブル」チョコとMFAJのフライヤーを配ったりもしてました。
同性婚実現のために日頃からMFAJの活動に携わっているみなさんをはじめ、快く会場を提供してくれたEAGLE TOKYO BLUE(やALAMAS CAFE等)のみなさん、ちあきホイみさん、そのショーの音出しをしてくれたDJ Moshinさんなど、いろんな方たちのおかげで開催できたイベントでした。みなさん、本当におつかれさまでした。
同性婚が実現したあかつきには、もっと盛大に二丁目でパーティが開かれることでしょう。その日が来るのを心待ちにしながら、私たちも、できることをやっていきましょう。
(後藤純一)
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