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レポート:Bling Bling Night Presented by HOTEL GROOVE SHINJUKU
6月19日(木)にAiSOTOPE LOUNGEで開催された「Bling Bling NightPresented by HOTEL GROOVE SHINJUKU」のレポートをお届けします

特集:プライド月間の企業の取組みでもお伝えしていたように、東急歌舞伎町タワー(6月30日までレインボーカラーにライトアップ中です)にあるHOTEL GROOVE SHINJUKUは、プライド月間に際し、「TOKYO PRIDE 2025」に協賛・ブース出展し、「Pride Action30」に参画し、ホテル内のレストランでレインボーメニューを提供したりしているほか、二丁目のAiSOTOPE LOUNGEで「Bling Bling Night」というイベントを開催しました。実は「Bling Bling Night」は昨年も開催されていて、なぜ平日の夜にこんな豪華なイベントが?とちょっと不思議に思っていたのですが、今回、HOTEL GROOVE SHINJUKUがプライド月間の取組みの一環として開催していることがわかり、なぜこのイベントをやるのかお伺いしてみました。もともとアライ企業としてLGBTQ+が自分らしく働けて能力を発揮できることで組織や社会の持続的な成長と発展が促進されるとの思いを持っていて、IGLTAに加盟したりもしてきましたが(プライド月間中、みなさんIGLTAのバッヂを着用するそうです)、それだけでなく、二丁目のLGBTQ+コミュニティの活動をもっと世間のみなさんに身近に感じていただけるようなイベントができないかと模索し、ドラァグクイーンやGOGO BOYのショーを楽しめるイベントを通じて、多くの方にプライド月間やLGBTQ+のことを少しでも知っていただくきっかけになれば、とのことで、昨年から「BLING BLING Night」を開催しているんだそうです。これまでもホテルのパーティルームにドラァグクイーンを呼んでイベントを開催するところはいくつかあったのですが、そこにとどまらず二丁目でイベントを開催するというところが素晴らしいと感じました(売上が二丁目に還元されますし、新たな方たちが二丁目に来られるきっかけにもなりますよね)。その姿勢に敬意を表し、今回、取材させていただくことにしました。
「Bling Bling Night」は通常のクラブイベントと異なり、一部/二部の入替制となっていました(私は一部におじゃましました。)。一部は17:30オープンで18:00-19:00がショータイムとなっており、19:30にはクローズします。二部は20:30オープンで21:00-22:00がショータイム、22:30にクローズ、というスケジュールでした。
AiSOTOPE LOUNGEに到着すると、4名のGOGO BOYSが執事のようなスタイルで通路に立ってお客様にご挨拶していました。
メインフロアに入ると、椅子が並べられていて、また、ステージには箏が置かれていて、新鮮でした。フロアで踊る感じではないものの、DJさん(そのときはSHIMAさん)、とてもゴキゲンな、ゲイテイストな曲をかけてくれてました(例えばアレサ・フランクリンの「A Deeper Love」をサンプリングした曲とか)
18:00に箏奏者のけんさんによる「ショー」が始まりました。誰も予想してなかったと思うのですが、おもむろにレディ・ガガの「Abracadabra」が流れ、その音源に合わせて箏を演奏するという斬新なパフォーマンスでした。おそらく既存の音源に重ねる場合、ベースの音を寸分違わず音源と同じに調整し、場合によっては全弦の調律も必要になるでしょうし、いわゆるふつうの箏曲を演奏するのとはまるで違う感覚になると思うので、結構難しいと思いますが、見事に融合していたと思います(しかも「Abracadabra」というのが素敵)。クラブイベントだとなかなか箏の演奏ってお目にかかれないので(太鼓とはありますけどね)、今回拝見できてよかったです。
続くGabby Gabbyさんもレディ・ガガ。曲は「I'll Never Love Again (from A Star Is Born) 」。ガガの曲の中でも最もオーソドックスなバラードです。ステージを飛び出して暴れ回るイメージのGabby Gabbyさんですが、今回はまさかのスタンディング・リップシンク。新鮮でした(実は足をケガしてたんだそう。お大事に)
Gabby Gabbyさんに代わって?暴れ回ったのがMARRAGEさん。『ストリートファイター』のチュン・リーに扮し(もちろん曲はニッキー・ミナージュの「Chun-Li」)、客席から素敵な男性を引っ張り上げ、椅子に座らせて絡んだりして盛り上げてました。
続いて登場したのがSavage Savannahさん。羽織っていた着物を脱ぐとその下はステージ映えするキラキラなフリンジドレス、そしてかんざしをとって髪をほどき、という、艶かしいショーでした。(ちなみにうちの社長がSavageさんにご執心で、本当にきれい、女性みたいだと絶賛してました)
レイチェル・ダムールさんは、昨年のTRPで披露したパフォーマンスの(ちなみに先日のTokyo Pride 2025はMISIAさんの武道館公演への出演と重なっていて出られなかった模様。残念でした)あの素晴らしくカッコいい衣装(たぶんHOSSYさん作)で登場。今回はちゃんみなではなくMAMAMOOの「HIP」に乗ってキレッキレのダンスで魅了しました。
Jessica Jewelry Savannahさんは絢爛豪華な花魁の衣装で登場しました。曲は(知らなかったのでShazamしたのですが)「吉原ラメント ver.96 猫」でした。吉原や花魁は『べらぼう』でもフィーチャーされてますし、世間的にも話題ですよね(二丁目では『吉原炎上』の時から話題でしたが)
リル・グランビッチさんはスーツ姿で登場し、おなじみ「メーン」のショーを披露。もう10回近く見てますけど、いまだに笑えます。熟練の技ですね。プロフェッショナルを感じました(メイクとかリップシンクが完璧で安心して見れるからこそ、笑いが生きるのだと思います)
Clitoria Joroeさん。きゃりーの「ファッションモンスター」にインスパイアされた「Kawaii」衣装でしたが、「GLOW UP!」で見た時よりさらにパワーアップしてて、露出度高めなセクシー衣装でvogue femmeを披露してました。
美澤流二代目家元美澤豊@M2代目さん。今回初めて拝見させていただいたのですが、日本舞踊をベースに大衆演劇のギミックやさまざまな要素をこれでもかと詰め込んだ、実にハイクオリティなエンターテインメントでした。(家元でいらっしゃるので当然かもしれませんが)一挙手一投足、全てが「型」を押さえたちゃんとキマった動きになっていてスゴいと思いました。
そして本日の大トリは、われらがバビ江ノビッチさん。安定の津軽海峡ビデオ(これも10回以上観てますが、何度観ても笑えます。青森の人々のリアクションが本当にいいですよね)に続き、定番の「ゴールドフィンガー」でチップを総取りしてました。(今回、入場時に4枚1000円のBling Bills=チップチケットを購入するようになっていて、みなさん手元にチップを持っていたので、出しやすかったかも)
MCで本日のクイーンさんを紹介したあと、DJがOSARUさんに代わり、夢のGOGO BOYSショーがスタート。NAWOTOさん、SUSUMUさん、TENさん、Rioさんの4人のGOGO BOYSは、ステージを降りて、フロアのお客さんに積極的に絡みにいくスタイルで盛り上げてました。お客さんもキャーキャー言って喜んでました。
★ショータイムのフォトアルバムはこちら
こんな感じで、豪華キャストによる「和」をテーマにしたショーを(フロアに体育座りではなく)椅子に座ってゆっくり、たっぷり堪能できるイベントでした。二丁目の粋を集めた素晴らしいパフォーマンスの数々に、きっとみなさん大満足だったことと思います。
MCで「ドラァグクイーンのショーを観るのが初めての方?」と聞いたら半分くらいの方が手を挙げていたので、お客さんはやはりノンケさんが多かったと思います。だからと言ってノンケさんに媚びたりせず、二丁目のゲイカルチャーをそのままお届けしているところが素晴らしかったです。(キャスティングなどはAiSOTOPE LOUNGEにお任せしてたそう。どうりで!)
あらためて、二丁目でこのようなイベントを開催してくださったHOTEL GROOVE SHINJUKUさんに拍手!です。
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