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レポート:『UPDATE!?』vol.2
2026年10月2日(金)に金沢で開催されたHIV/STI啓発のGAY MIXクラブパーティ『UPDATE!?』のレポートをお届けします

2023年2月、金沢にコミュニティセンター「かなざわにじのま」が誕生したのに合わせ、金沢レインボープライドが初のHIV予防啓発のクラブイベント「UPDATE!?」を開催しました。大勢の方たちが心から楽しみ、最初から最後まで盛り上がっていて、とてもいいパーティになりました(レポートはこちら)
今回、金沢プライドウィークの1日目、前夜祭的な感じで「UPDATE!?」の第2弾が開催されることになり、プライドイベントに出演することになっていたブルボンヌさん(やWAKUWAKU♡サセコさん、よしひろまさみちさん、サムソン高橋さんといった「ジョソラジ」出演のメンバー)、八方不美人のエスムラルダさん&ちあきホイみさん、富山の宝・肉襦袢ゲブ美さん、GOGO BOYのNAWOTOさん、BRAVEさん、RIOさん、DJのAsakoさん、OSHさん、新潟のわっきーさん、金沢のゲイバー「Power Bomb」のcomacoさん、「Power Bomb」のスタッフの方たちによるダンスグループ「P.B.DRUNKERS」のみなさん、そしてぷれいす東京の生島さんというたいへん豪華なキャストが出演しました(おまけでクィアパフォーマーのラッセラーじゅんも出演)
ブルボンヌさん、エスムラルダさん、WAKUWAKU♡サセコさん、肉襦袢ゲブ美さん(おまけで元ジュヌヴィエーヴ)という1990年代〜2000年代に二丁目やパレードを盛り上げ、人気を博したドラァグ集団「UPPER CAMP」の面々が集結したことに個人的に感慨を覚えるとともに、地方のシーンを盛り上げることやHIV予防の趣旨に賛同して東京からたくさんの豪華なキャストのみなさんがわざわざ金沢に来てくださったことも素晴らしいと感じました。
レポートをお届けします。
(文:Junchan a.k.a. ラッセラーじゅん)
(写真提供:金沢レインボープライド)
10月2日(金)、金沢の繁華街・片町にあるクラブ「DOUBLE金沢」には早い時間からお客さんが集まっていました。
20時にオープンし、comacoさん、わっきーさんのJ-POPで盛り上がり、21時に第一部のショータイムがスタート。最初にラッセラーがHIVのことをテーマにしたショー※を披露。続けて生島さん&ジョソラジーズ&松中権さんによるHIV予防啓発のトークショー。PrEPなど最新の情報を届けつつ、ジョソラジーズのみなさんが笑いを添えてくれました。
第一部の最後は、ゲブ美さんとエスムラルダさんの楽しいショーでした(すみません、画像がありません。どちらも本当に楽しい、素晴らしいショーでした)
※説明が長くなるので注釈で。90年代前半の絶望的で自暴自棄だった自分が、ダムタイプ『S/N』を観てドラァグを始め、ゲイとして生きる意味を見出し、生まれ変わった、といったことを語る声を流しながら、『S/N』の古橋悌二さんのようにスーツ姿で登場し、舞台上でメイクしてドラァグクイーンになって…というショーでした。実は足が腫れていてあまり動けなかったのでダンスじゃなくリップシンクものをやろうと思ったのと、石川県の方が見に来ると聞いたので、以前の時代のゲイたちが未来への希望を抱けず、リスキーなセックスをしてしまったり、ホモフォビアがHIV感染に密接に関わっているというリアリティを知ってほしいという気持ちもあってこれをやりました。



22時からのGOGOショーは、トップクラスのスゴいGOGOさんたちが登場!ということで、お客さんも初めはウットリしながらドギマギしながら見ていたのですが、そのうちどなたかがチップを渡しに行くと、僕も僕もという感じで次々に行って、とてもうれしそうにはしゃいでいて、素敵でした。

23時からの第二部のショータイムは「P.B.DRUNKERS」のみなさんのダンスパフォーマンスで幕を開け、たいへん盛り上がりました(爆裂とか泡沫とか)。それからラッセラーの美輪様追悼「愛の権利」ショー、ゲブ美さんのアナ雪ショー、ブルボンヌさん&サセコさんのピンクレディーショー、そしてエスムラルダさん&ちあきホイみさんのライブという、楽しく華やかなショータイムとなりました。



24時に2回目のGOGOショーがあり、24:30からはOSHさんのJ-POPでフロアも大盛り上がりして、24:45からはキャスト総出演のフィナーレとなり、DJ Asakoさんが「Everlasting Love」とか定番のアンセム(オネハ)を次々にかけ、金沢が誇るクイーン・阿部虎さんも飛び入りでステージに上がったりして、楽しく盛り上がりました。
UPDATE!? 2026を振り返って
東京や大阪では毎週のようにLGBTQ(主にゲイ)のクラブイベントが開催され、当たり前のようになっていますが、地方ではクラブイベントってめったにないので(東北や北陸、中四国や南九州では本当に少ないです)、今回初めて参加した方がクラブっていいなぁと感じてくれたり、DJやパフォーマーを目指すようになったりしてくれたらうれしいです。
帰り際にお話した方が、だいぶ前に日本からアメリカに移住して、今回たまたま旅行で金沢に来ていたゲイの方だったのですが、地方でこんなイベントが開催されるようになったなんて本当に感慨深い…泣きそうになりました、と語っていて印象的でした。
歴史を振り返ると、東京でも90年代に、新宿のリキッドルーム(FACEと名前を変えましたが、ついに先日、閉店しました)や日比谷のラジオシティで開催されていた1000人規模のゲイナイトに参加したゲイたちが、こんなに仲間がいるんだ、こんな素敵な空間でゲイだらけで盛り上がるって最高!という体験をして、ゲイであることを肯定的に受け容れられるようになったり、パレードに参加するようになったりということがありました。クラブイベントの果たす役割って決して小さくないし、地方では今でも本当にそういうことが言えると思います。
それから、外の喫煙所で(派手な格好で)タバコを吸ってたら、「DOUBLE」の上にあるバーの男性スタッフの方が話しかけてくれて、自分は当事者の友達がいて、去年パレードを見に行ったんです、と教えてくれて、うれしかったです。
最後のフィナーレのとき、GOGOのNAWOTOさんがフロアに降りてお客さんに前に行くよう促してくれたり、50代も半ばとなったブルボンヌさんが「Everlasting Love」がかかるやステージに飛び乗り、ノリノリで(30年前と変わらないカッコよさで)踊ってたのも素敵でした。
考えてみれば、UPPER CAMPのクイーン(当時は“貧乏女装”って言ってました)のみんなは、90年代に始まったゲイコミュニティ向けのHIV予防啓発イベント(ぷれいす東京の「VOICE」とか長谷川さんの「ピンクベアカフェ」とかバビ江さんが主催した「GRATIA」とか)を支えてきた功労者なんですよね。当時はHIV/エイズに対する恐怖心やフォビアがものすごくて、なかなかそういうイベントをやるのも難しいものがあったのですが、UCのみんなは強力な笑いを武器に、コミュニティの皆さんの恐怖心を解きほぐすことに貢献したと思います。あれからもう30年も経つわけですが、その間もずっと、二丁目コミュニティやLGBTQのために活躍してきたわけですから、素晴らしいと思います。本当におつかれさまです。
(あまり知られてないと思うのでここで書いてしまいますが、実はDJのAsakoさんも、2000年代にNLGRに歌で出演したり、GUTSというHIV予防啓発サークルのイベントでDJデビューし、その沖縄愛が高じて沖縄初のHIV予防啓発のクラブイベントの開催を実現したり、仙台のやろっこさんに協力して5年くらいゲイナイトを手伝ったりしてました。そういう、目立たないけれどもコミュニティのために頑張ってきた功労者の方ってたくさんいると思うんですよね。いつかそういう方たちが拍手や感謝の言葉を贈られたりする機会が訪れるといいな、と思います)
昔からゲイコミュニティのために体を張って活躍してきた方たちが軒並み50代になり、“老体”に鞭打って出演していたなか、今回の「UPDATE!?」が地方の若い方たちにバトンを渡すようなきっかけになったとしたら、うれしい限りです。
INDEX
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