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ハワイ州知事、同性パートナー法案を拒否

2010年07月07日

  7月6日、米ハワイ州のリンダ・リングル知事(写真右)は、同性カップルに夫婦と同等の権利を認める(結婚に準じる)シビルユニオン法案に対して拒否権を行使し、住民投票を実施すべきだとの立場を示しました。

 

 シビルユニオン法案は今年4月、同州の上下両院を通過し、知事のデスクの上でサインを待つばかりとなっていました。しかし、一部の宗教団体などが強く反発し、知事に拒否権発動を求めていました。

 リングル知事は、問題の「社会的重要性」と賛否両派の住民感情に配慮し、「全州民が直接決定すべきだと確信するに至った」と述べました。

 これに対して、州内の同性愛者擁護団体などから非難が集中しています。

 ハワイ州民主党のLGBT部会を率いるジョアン・アダムズ氏は、「同法案は十分な票差で可決され、世論調査でも幅広い支持を得ている。にも関わらず、知事が州民の意思を無視したことに深く失望している」との声明を発表しました。

 1993年にハワイ州最高裁で「ゲイカップルが結婚できないのは違法だ」とする画期的な判決を引き出した弁護士のエヴァン・ウルフソン氏(「フリーダム・トゥ・マリー」代表)は、このように語りました。
「1990年代、ハワイは、結婚からゲイを排除するのをやめさせるという国際的な波にいちはやく乗り、アメリカ合衆国で初めて同性カップルの権利を認めようとしました。ハワイ州最高裁は、初めてゲイカップルを平等に扱う姿勢を見せたことで、歴史に刻まれたのです。しかるに、リングル州知事がシビルユニオン法案を拒否したことは、深く遺憾であり、ハワイという地を不必要に平等や公正さから縁遠い迷い道に放り込みました。知事は州議会の採択とたくさんの指導者たちの意志をはねつけ、この法案を支持してきた多くのハワイ人たちの気持ちを裏切ったのです。私は、ハワイに真の平等と公正をもたらすため、リングル知事の拒否を却下する議決を求めます」

 人権擁護団体「ラムダ・リーガル」のジェニファー・パイザー氏は、リングルの決断を「ハワイ州のビジネスや家族の利害関係にとってプラスにならない」と批判しました。「反対派が作り上げた巧みに操作された偽情報によって、リングル知事は、この法案による保護を待ち望んでいる数千ものハワイ州のファミリーたちを見捨てたのです。さらに悲しいことに、州議会は知事の拒否を覆そうとしませんでした」

 アメリカ自由人権協会の弁護士であるローリー・テンプル氏は、「知事が、彼女のパワーを公民権の否定に使ったことは、本当に残念です。しかし、ハワイ州の憲法は、性的指向による差別を禁じています。もし彼女が憲法の支持を誓わないというのであれば、裁判所も黙ってはいないでしょう」と頼もしい発言をしています。

 ハワイ州では1993年に州最高裁で「ゲイカップルが結婚できないのは違法だ」とする画期的な判決が出ましたが、その後、保守派のバックラッシュに遭ったりしつつ、1998年にドメスティック・パートナー法が成立しました(州としては全米一早いものです)。同性パートナーには相続の権利、労働者としての補償、過失致死に対して訴える権利、健康保険、年金、病院での面会、そして重病のときの治療の決定権などが与えられています。

 米国では現在、首都ワシントンD.C.と5州で同性婚が認められているほか、ニュージャージー州でシビルユニオンが、ハワイ州、カリフォルニア州、メーン州、オレゴン州、ワシントン州、メリーランド州、ネバダ州、コロラド州、ウィスコンシン州、そしてニューヨーク市、オハイオ州のいくつかの市でドメスティック・パートナー法が認められています。(Wikipediaより)

(後藤純一)

ハワイ州知事、同性カップルの権利認める法案に拒否権(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201007070015.html

Lingle Vetoes Civil Union Bill(Advocate.com) 
http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201007070015.html

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