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毎日新聞が同性愛者をルポ

2010年11月14日

 性同一性障害や性分化疾患の当事者に取材した「境界を生きる」がファイザー医学記事賞優秀賞を受賞した毎日新聞ですが、今度は地方版(熊本)で同性愛者についてのルポを3回にわたって掲載しました。
 
 第1回目では、東京郊外に住む50代男性とその同性パートナーのことが取り上げられました。
 2人は大家にいやがられて同居することができず、20年間も別々に暮らしていましたが、パートナーの退職を機にマンションを共同で購入しました、しかし、「2人に法的な関係がないままでは、どちらかが亡くなった場合所有権が親族に渡ってしまう」ため、公正証書を作成することし、セクシュアルマイノリティ向けサイトを開設していた熊本の行政書士に相談を始め、2005年に公正証書を作成できたそうです。 
「通常の結婚なら当たり前に保障される遺産相続や医療方針決定などの権利が、同性パートナーには認められていない。当事者たちは年を重ねるごとに将来への不安を深めている。何を悩みどう生きていくのか。同性愛者や支援者の声を聞いた」

 第2回目では、熊本に住む佳美さんと清子さんという30代のレズビアン・カップルに取材しています。2人は市内の集合住宅で同居しています。「もし制度で認められていれば結婚しているかもしれない」
 佳美さんは2年前、清子さんのお父さんの葬儀に参列しましたが、親族から「認められていない気がして切なかった」といいます。2人にとっても死と向き合う場面となれば事態は深刻で、相手が突然事故や病気で倒れたとしたら、連絡が来るのかどうかわかりません。
 佳美さんは「周囲が同性愛を認知し、理解してくれれば財産相続など将来の不安を取り除いてくれるようなパートナーとしての権利を保障する制度や法律もできるかもしれない」と語ります。

 第3回目では、セクシュアルマイノリティ向けにサイトを開いた熊本市の行政書士法人ウィズネスのことが紹介されています。城本亜弥行政書士が性同一性障害の友人から「法律的な相談をする所がない」と聞いたのがきっかけだったそうです。
 同性愛者は結婚という制度の恩恵を受けられないため、どうやったらパートナーに不動産などを相続できるかといった相談が多いそうです。
 年間50~100件の問い合わせがあるそうです。城本行政書士は「相談を受ける中で、自分が何者であるかわからない、など、内面の悩みを抱える人が多いことを実感した。自分たちは法律面でアドバイスしていくこともできるが、内面をサポートするような機関が行政民間ともに充実していく必要がある」と語っていました。

明日への不安:同性愛カップルの課題/上 将来の安心へ遺言作成/熊本(毎日jp)
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101110ddlk43040458000c.html
明日への不安:同性愛カップルの課題/中 「制度変わる実感ない」/熊本(毎日jp)
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101111ddlk43040608000c.html
明日への不安:同性愛カップルの課題/下 「内面サポート機関必要」/熊本(毎日jp)
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101112ddlk43040577000c.html

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