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尾辻かな子参議院議員がHIV問題について国会で初質問

2013年05月29日

 先日のニュースでもお伝えしたとおり、尾辻かな子さんが参議院議員に当選し、日本初の同性愛者であることをカミングアウトした国会議員となりました。

 5月23日には総務省で当選証書を受け取りました。尾辻議員は記者団に「国会で隠すことも恥じることもなく活動したい。LGBT(性的少数者)の国会議員がいることで、日本が人権を尊重する国というメッセージを発することができる」と語りました。また、日本維新の会共同代表を務める橋下徹大阪市長の従軍慰安婦発言を念頭に「国際社会の中で日本の人権感覚が問われている。マイノリティの人権を尊重するメッセージを発したい」と強調しました。
 同日、朝日新聞の「ひと」欄にも載りました。「同じ悩みを抱える若者への希望の1議席になりたいと願う。『自分をセクシュアリティだけで否定しなくていいんだよ。なりたい自分を諦めないで』」と綴られていました。

 そして、文教科学委員会と沖縄及び北方問題に関する特別委員会※に所属することになった尾辻議員は、29日、参院沖縄北方特別委員会で初めて質問を行いました。質問は沖縄のゲイ・バイセクシュアル男性の間でのHIV感染についてでした。
 沖縄県は人口比で全国5番目にエイズ患者が多い、男性の感染者の75%が同性間性的接触で感染した――。厚生労働省などのデータを示しながら、尾辻議員は「HIV感染は、社会で疎外された社会的弱者のあいだで集中的に増加している」「感染拡大の背景に同性愛男性の生きづらさがある。そういう方への予防を重点的にやるべきだ」と訴えました。山本一太沖縄・北方相は「正直に申し上げて知らなかった。勉強させていただきたい」と答えました。
 質問を終えた尾辻議員は、「社会の周辺にある目に見えない問題だけど、私が取り上げて国会の議事録に残り、大臣も答弁した。社会を変える最初のとっかかりになったかな」と笑顔を見せたそうです。

 尾辻かな子参議院議員の任期は7月の参院選までの約2ヶ月(今国会は6月26日まで)となりますが、きっと日本の国政における大事な一歩となるような仕事をしてくれるはずです。その活躍に期待しましょう。

尾辻かな子氏のblog
http://otsuji.blog.so-net.ne.jp/
尾辻かな子氏のtwitter
https://twitter.com/otsujikanako
尾辻かな子氏のFacebook
http://www.facebook.com/otsujiosaka


※参議院における委員会とは、予算・条約・法律案などの議案や請願などを、本会議にかける前の予備的な審査機関として、専門的かつ詳細に審査を行う会議です。また、それぞれ所管の事項について国政調査を行ったり、法律案を提出することができます。文教科学委員会は常任委員会のひとつ(議員は必ずいずれかの常任委員会に所属します)、沖縄及び北方問題に関する特別委員会は特別委員会のひとつです。


民主・尾辻かな子参院議員に当選証書(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0523/TKY201305230347.html

「同性愛者に勇気与えたい」尾辻かな子氏に当選証書授与(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/05/23/kiji/K20130523005863120.html

同性愛公表の尾辻議員、国会初質問「社会変える契機に」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0529/TKY201305290400.html

 

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