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連合が勤労者1000人に調査を実施し、セクシュアルマイノリティが8%、職場のLGBT差別をなくすべきとの回答が8割超となりました

2016年08月26日

 労働組合の中央組織・連合(神津里季生会長)は8月25日、全国の20~59歳の勤労者1000人に対してインターネットで実施したセクシュアルマイノリティに関する初めての意識調査の結果を公表し、自身がセクシュアルマイノリティであると回答した人が8%いたほか、職場のLGBT差別をなくすべきとの回答が8割超となりました。
 調査は6月30日から7月4日の間に行われ、全国で仕事をしている(自営業を除く)20~59歳の(出生時の性別で)男性500人と女性500人、計1000人を対象に実施されました。(詳細はこちら。PDFです)

セクシュアルマイノリティは8%

 全回答者の8.0%が自身がセクシュアルマイノリティであると回答しました。内訳は、LGBが3.1%、トランスジェンダーが1.8%、アセクシュアルが2.6%、その他が0.5%でした。この8%という数字は、先日の博報堂の調査と一致します。

LGBT「知っていた」は半数弱

 「LGBTという言葉を知っていたか」という質問に対し、「知っていた」と回答したのは47.1%、「知らなかった」は52.9%で、知らない人の方が多い結果となりました。
 男女別に見ると、女性46.8%、男性47.4%で同レベルでした。
 世代別の認知率を見ると、20代で54.8%、30代で47.6%、40代で46.8%、50代で39.2%と、若い世代ほど認知率が高い傾向が見られた。
 また、職場での役職別に見ると、一般社員・一般職員では45.8%、リーダーの役割(非管理職)では51.8%、管理職では56.1%となり、役職が上がるにつれて認知率が高くなりました。
 
LGBTのイメージ「他の人と変わらない存在」が半数近く

 全回答者に、LGBTに対してどのようなイメージを持っているか聞いたところ、「他の人と変わらない存在」が最も多く47.1%、次いで「差別や偏見を受け、大変な境遇にある人びと」が41.8%、「テレビに出たりする等、芸術やファッション、芸能等の分野で秀でている人びと」が20.0%、「一部の職業に偏っていて、普通の職場にはいない人びと」が16.5%となりました。
 男女別では、「他の人と変わらない存在」と回答した割合は、女性では52.4%、男性では41.8%でした。
 世代別に見ると、「一部の職業に偏っていて、普通の職場にはいない人びと」は、20代が10.8%、30代が14.4%、40代19.2%、50代21.6%となり、世代が上がるほど職場にいないと思っている人の割合が高くなる傾向が見られました。

職場でのカミングアウトは7%弱

 職場でカミングアウトされた経験の有無について質問したところ、「職場の上司・同僚・部下・後輩からカミングアウトされた」または「職場の上司・同僚・部下・後輩がカミングアウトしていると聞いた」と回答した人の割合は6.6%でした。

同僚がLGBだったら「嫌だ」は35%、男性や上の世代に多い傾向

 職場の上司や同僚、部下などがLGB(同性愛者またはバイセクシュアル)であった場合、どのように感じるか聞いたところ、「嫌だ」(どちらかといえばを含む)は35.0%、「嫌でない」(同)は65.0%という結果になりました。
 男女別に見ると、抵抗を感じるという人の割合は、女性は23.2%、男性は46.8%。男性が女性の2倍でした。
 世代別では、抵抗を感じるという人の割合は、20代では28.4%、30代では34.4%、40代では38.0%、50代では39.2%と、世代が上がるにつれ高くなりました。 
 また、LGBTが身近にいる人(上記の職場でカミングアウトされた経験がある人。以下同様)といない人に分けて見ると、抵抗を感じる人の割合は、身近にいる人では19.5%であるのに対し、身近にいない人では38.7%と、身近にいる人の2倍近くになりました。
 連合は「職場に多様な人がいることへの理解が不足している」と指摘しています。

LGBTへのハラスメント、身近に当事者がいる人は半数が経験

 職場(飲み会などを含む)で「ゲイは気持ち悪い」などといったハラスメントを経験したり、見聞きしたことがあるかどうかを聞いたところ、「自分が受けたことがある(LGBT/ストレート問わず)」が1.3%、「直接見聞きしたことがある」が7.6%、「間接的に聞いたことがある」が15.3%で、合計で22.9%となりました。
 役職別に、職場においてLGBT関連のハラスメントを受けたり見聞きしたりした人の割合を見ると、一般社員・一般職員では21.8%、リーダーの役割では25.0%、管理職では35.1%と役職が上がるにつれ高くなりました。部下からの報告を受ける立場である管理職では、3人に1人が職場におけるLGBT関連のハラスメントを見聞きしているようです。
 また、LGBT当事者が身近にいる人といない人に分けて見ると、身近にいる人では、受けたり見聞きしたりした人が57.4%と半数を超える結果となりました。
 連合は「関心のない人はハラスメントに気づいていないことも多く、実際はもっと多いのでは」と見ています。

LGBTへの差別待遇、身近に当事者がいる人は1/3が経験

 LGBTに関する差別的な取り扱い(解雇・降格・配置変更など)を経験したこと、または、見聞きしたことがあるか聞いたところ、「自分が受けたことがある(LGBT/ストレート問わず)」が0.9%、「直接見聞きしたことがある」が2.9%、「間接的に聞いたことがある」が8.1%で、合計11.4%となりました。 
 役職別に見ると、職場におけるLGBT関連のセクハラと同様に、受けたり見聞きしたりした人は、役職が上がるにつれ高くなり、一般社員・一般職員では10.2%、リーダーの役割では15.2%、管理職では21.1%でした。
 また、LGBT当事者が身近にいる人といない人に分けて見ると、身近にいる人では、受けたり見聞きしたりした人が36.3%と3人に1人の割合となりました。

LGBTへのハラスメントの原因は「差別や偏見」「性別規範意識」

 職場におけるLGBT関連のハラスメントの原因は、どのようなことだと思うか聞いたところ、「差別や偏見」が最も多く59.5%、次いで「性別規範意識(「男」はこうあるべき、「女」はこうあるべき等の規範意識)」43.3%、「職場の無理解な雰囲気」18.1%、「上司のハラスメントに対する意識の低さ」16.9%、「会社
(組織)全体としての職場の人権に関するポリシーがない(またはあいまいである)」15.7%が続きました。 

職場のLGBT差別を「なくすべきだ」が8割に

 LGBT関連のハラスメントについて防止・禁止すべきか聞いたところ、「防止・禁止すべき」が53.7%、「わからない」が35.2%、「防止・禁止する必要はない」が10.1%となりました。連合は「どのようなケースがLGBT関連のハラスメントに当たるのか等、周知を図る必要がある状況もうかがえました」とコメント。

 さらに、職場におけるLGBTに関する差別はなくすべきかと聞いたところ、「なくすべきだ」が81%、「なくさなくてもいい」が15.9%となり、高い賛同を得られています。
 
職場にあるとよいと思うLGBT関連の施策、トップは「ハラスメント防止対策」

 職場で、同性カップルが婚姻や事実婚をしている異性カップルと同等に使える制度等があるか聞いたところ、「利用できる制度はない」が23.8%、「わからない」が52.3%となりました。「わからない」は管理職でも40.4%という結果でした。「同性カップルが異性カップルと同等に使える制度がなかったり、あっても知られていなかったりする状況がうかがえました」

 次に、職場でLGBTに関するどんな施策があるとよいと思うか聞いたところ、「ハラスメント防止対策」が最も多く33.6%、次いで「差別禁止の方針を明らかにする」が28.3%、「いわゆる『トランスジェンダー』に対する配慮」が26.2%、「相談窓口を設置する」が20.7%となりました。 
 
「LGBTの差別をなくすための法整備をすべき」4割強

 LGBTへの差別をなくす法整備についての議論に対する気持ちを聞いたところ、「差別をなくすための法整備をすべき」が44.5%、「啓発や個別対応をすればよく、法整備は必要ない」が23.9%、「何も対応しなくてよい」が6.8%、「わからない」が24.8%となりました。 


 連合の総合男女平等局は「アンケートを使い、LGBTは職場にある課題だという認識を広めたい」と話しています。 
(データはすべて連合調べ)


LGBT 職場差別、2割が「ある」 連合が調査(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160826/k00/00m/040/035000c

LGBT、働く人の8% 職場にいると「嫌だ」35%(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ8T5G48J8TULFA014.html

LGBT、働く人の8% 職場にいると「抵抗を感じる」が35%(調査結果)(ハフィントンポスト)
http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/25/lgbt-rengo_n_11711398.html

「職場で一緒なら?」35%が「嫌だ」 性的マイノリティ意識調査(J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/kaisha/2016/08/26276201.html

LGBT職場ハラスメント防止すべき半数超え 職場での差別もなくすべき8割 理解進むか(ブッチNEWS)
http://bucchinews.com/society/5879.html

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