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香港政府が正式に同性パートナーへの配偶者ビザの発行を承認しました

2018年09月22日

 この7月、香港最高裁が香港在住の英国人レズビアンカップルに対して家族ビザと同等の就労権を認める判断を下しましたが、これを受けて9月19日、香港政府が就労ビザ取得者の同性パートナーに対して長期滞在が可能な「被扶養ビザ」を認める新たな入管制度を始めました。 

 香港政府は、海外で婚姻や婚姻に準ずるパートナーシップ制度(シビルユニオンなど)で公的に認められた同性カップルについて「被扶養ビザ」を認めることにしましたが、香港政府の李家超・保安局長は18日、「(運用変更の)目的は優秀な人材を香港に引きつけることだ」と述べ、同性婚制度の導入は強く否定しました。

 アジアには未だに同性婚を認める国・地域がなく※、欧米から進出した企業などからは、同性愛者に対する差別が人材獲得の妨げになっているという批判が出ているそうです。今回は司法判断を受けた措置であり、また、同性婚への入り口ではない、と釘を刺されてしまいましたが、ともあれ、同性パートナーへの配偶者ビザという点では、アジアの中では先進的な環境が整いました。
 
※台湾で昨年、最高裁が同性婚を2年以内に法制化するよう政府に命じる判決を下していますが、反対派の動きなどもあってまだ制度化されていません(2年以内に法制化されない場合、2019年5月に結婚が認められるものとする、と最高裁は述べています)。それから、イスラエルでは、海外で結婚した同性カップルに対して国内でも結婚していると認めるようになっています。

 日本の場合、事実婚でも異性カップルであれば在留が認められるのに、24年間日本に住んでいる台湾籍のゲイの方が入管から国外退去を言い渡されているという現状です。現在、裁判が行われている最中です(参照:シンポジウム「同性国際カップルの在留資格をめぐって」)
 日本は同性婚についても台湾に先を越され、同性パートナーの配偶者ビザについても香港に先を越された形になります(そればかりか、一部でヘイトスピーチまがいの差別的言説が横行してしまっている状況です…)。が、先日の豊島区のような地方自治体における同性パートナーシップ証明制度の導入は日本が先でしたし、東京都でもLGBT差別解消を理念化する条例案が提出されたところです。国としても、同性カップルを異性カップルと平等に扱うような施策を進めていただくことが望まれます。
 
 なお、香港では11月17日(土)に香港同志遊行(The Hong Kong Pride Parade)が開催されます(詳しくはこちら

 


 
参考記事:
香港 同性パートナーに「被扶養ビザ」 アジアでは先進的(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20180922/k00/00e/030/277000c

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