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エルトン・ジョン、グザヴィエ・ドラン、ペドロ・アルモドバル…今年のカンヌ国際映画祭で注目を集めたゲイ・セレブたち

 第72回カンヌ国際映画祭が、5月14日〜25日(現地時間)に開催されました。
 
 開幕と同時にニュースになったのは、アラン・ドロンへの名誉パルムドール(功労賞のような栄誉ある賞)の授与に対し、アラン・ドロンは同性婚に反対し「ゲイは自然に反している」などと発言している(ほかにも女性蔑視や人種差別発言もあった)ことから、人権団体から抗議の声が上がり、受賞をとりやめるさせる誓願書に1万8000人がサインをしているということでした。アラン・ドロンといえば、パトリシア・ハイスミス(『キャロル』の作家。オープンリー・レズビアン)原作でルネ・クレマン(オープンリー・ゲイ)が監督し、淀川長治さんが「ホモセクシュアル映画の傑作」と絶賛した『太陽がいっぱい』に主演して世界的なスターになった方ですが、一体どうしてそんなことになってしまったのでしょうか…。
 波乱含みの幕開けでしたが、今回のカンヌは、ゲイ的にたくさんの見どころがありましたので、ピックアップしてお伝えします。
 
 まず、コンペティション(パルムドール=大賞やグランプリ=準優勝に選ばれる資格がある)への参加作品です。

 弱冠20歳でカンヌでの鮮烈なデビューを飾ったグザヴィエ・ドランの『マティアス・アンド・マキシム(英題)』。長年の親友だったマティアスとマキシムが芝居の中でキスをするシーンがあることから、互いを意識しはじめ…というストーリー。ドランは、「僕にとっては、これはホモセクシュアリティについての映画ではないし、ゲイの愛についての映画でもない。もちろん、その要素はある。だけど主人公の二人が、これがゲイの愛だと気付いるとは思わない。ただの愛だ。25年にわたって兄弟同然の親友だったのに、ある日、愛がドアをたたく。あのキスでね。オープニングでのキスが全てを揺さぶり、二人の関係が再定義されることになる。僕にとって、これは第一に友情についての映画なんだ。友情は愛よりも確かで、強いものなのか? 友情は愛なのか? それがこの映画で僕が提示したものだ」と語っています(日本での公開が待ち遠しいですね)

 それから、スペインの巨匠でありオープンリー・ゲイのペドロ・アルモドバル監督(『バチ当たり修道院の最期』『神経衰弱ギリギリの女たち』『アタメ』『キカ』『バッド・エデュケーション』『アイム・ソー・エキサイテッド!』など)の『Pain and Glory』(英題)。陰鬱で告白的な作品で、主人公は、問題を抱えた友人や同僚、自身の母親、子ども時代の太陽のように明るい展望など、自身の最も大きな恋愛や喪失を振り返ります。大胆かつ鮮やかな色彩、見渡す限りの雄大な景色、心に訴えかけるオペラのような楽曲…。『オール・アバウト・マイ・マザー』でカンヌの監督賞やアカデミー外国語映画賞などに輝いたものの、まだパルムドールは獲っていないアルモドバル監督が、初のパルムドール受賞なるか?というところで注目を集めました。アルモドバル作品でおなじみのペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラスが主演しています。
 
 そして、映画祭前半戦で最も賞賛された作品が、セリーヌ・シアマ監督(2007年にレズビアン要素も濃厚な長編『水の中のつぼみ』でデビューし、2作目『トムボーイ』ではトランスジェンダーの子どもを描き、世界的に評価されてきた方。オープンリー・レズビアンです)の『Portrait of a Lady on Fire』だったそうです。18世紀のブルターニュを舞台にした女性たちの物語。グザヴィエ・ドランも「壮観です!」と絶賛したそうです。
 『Portrait of a Lady on Fire』は、今年のクィア・パルム(ベルリン国際映画祭のテディ賞のように、その年の最も素晴らしかったクィア映画に贈られる賞)を受賞しています。
 
 コンペティションには参加していないのですが、今回のカンヌの目玉とも言うべき盛り上がりを見せたのが、エルトン・ジョンの半生を描いた伝記映画『ロケットマン』です。エルトン本人も来場するということで、彼を一目見ようとする人たちが詰めかけ、「カンヌの小さな町は開幕以来、最高の熱気に包まれた」とのことです。エルトンはおなじみのハートのサングラスと背中に「ロケットマン」とラメのロゴを入れたスーツで登場しました。そして、巻き起こる拍手の中で感極まった主演のタロン・エガートンが涙を拭い、タロンとエルトンがハグを交わす場面もありました。
 なお、公式上映の際は、噂されていたようなコンサートはなかったものの、その後ホテルのプライベートビーチで行われたパーティでは、エルトンがサプライズで「アイム・スティル・スタンディング」と、タロン・エガートンとのデュオで「ロケットマン」を披露したそうです(パーティに参加してた方、感激したでしょうね…)
 なお、『ロケットマン』の日本での公開の日程が決まりました。8月23日から全国でロードショー公開されるそうです。楽しみですね!
 
 
 


カンヌ国際映画祭ディレクター、アラン・ドロンへの名誉パルムドールを擁護(ELLE)
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a27471112/cannes-festival-alain-delon-190515/

話題作をいち早くチェック! カンヌ映画祭、注目の11作品。(VOGUE)
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/culture/2019-05-15/cannes-film-festival/cnihub/page/12

グザヴィエ・ドラン「母親&ゲイ」がテーマと言われることに違和感:第72回カンヌ国際映画祭(シネマトゥデイ)
https://www.cinematoday.jp/news/N0108847

2019第3日 エルトン・ジョン描いた伝記映画「ROCKETMAN」にカンヌ沸く(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190517/mog/00m/200/019000c

カンヌ映画祭「ロケットマン」お披露目 エルトン・ジョンがレッドカーペットに(映画.com)
https://eiga.com/news/20190520/12/

タロン・エガートンとエルトン・ジョンがハグ、「ロケットマン」カンヌ上映レポ(映画ナタリー)
https://natalie.mu/eiga/news/331980


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