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タキシードドレスで話題をさらったビリー・ポーター、トニー賞では「子宮ドレス」を披露

 ニューヨークで6月9日(現地時間)、トニー賞授賞式が開催されました。アカデミー賞授賞式でタキシードドレスを着てレッドカーペットに登場し、話題をさらったビリー・ポーターが、今度は「子宮ドレス」で登場し、注目を集めました。

 このドレスのトレーン(ドレスの引き裾)には子宮が刺繍でデザインされており、ジョージア州やルイジアナ州など南部の州を中心に妊娠中絶を禁止する州法が次々と可決され、反対運動が起こっているなか、中絶禁止への反対を支持するメッセージとなっています。
「今、女性の権利が攻撃されています。私は、権利を奪われている全ての人たちを擁護します。全ての人が自由にならない限り、私たち全員が自由になることはありません」と、ポーターは語っています。

 大ヒットミュージカル『キンキー・ブーツ 』のローラ役で2013年トニー賞ミュージカル主演男優賞を受賞した(現在放送中の『POSE』では、ボールルームに集う若者たちの父親的存在、プレイ・テルを演じている)ビリー・ポーターですが、このドレスのベルベットの生地は、もともと『キンキー・ブーツ 』の舞台で使われていたカーテンだったそうです。6年間キンキーブーツの舞台にかかっていたカーテンは、女性の権利擁護を訴えるドレスに姿を変えました。

 2月のアカデミー賞でタキシード・ドレスを着た時に、「女性がパンツを履くのは良くて、男性がドレスを着るのはダメというのはおかしい」と語ったポーターですが、今回も、「男性とは何か、という疑問を投げかけたかった」「男らしさ、その中でも私たちが主演俳優に対して期待するような、異性愛の男性らしさは、なくしていかなければいけないと思います」「そういった男らしさが、悪い影響を及ぼします。かつて私も男らしくあるべき、と思ったことがありました。でもそれを克服しました。もう男らしさにとらわれたくはありません」と語っています。
 
 
 さて、トニー賞といえば、ゲイテイストなミュージカルが多数ノミネートされ、授賞式の中でパフォーマンスが行われたり、賞を獲ったり、昨年のアンドリュー・ガーフィールドのようにLGBTコミュニティに捧げるスピーチが行われたりということが多々あり、ゲイ的には要注目!なイベントです。

 今年はどうだったか?というと、まず、司会を務めたのが、俳優としてもコメディアンとしても有名で、男性とキスしてみせたりすることもあるほどゲイフレンドリーなジェームズ・コーデンでした。今回、ロブ・マーシャルの映画『イントゥ・ザ・ウッズ』にも出ていたほどの実力を誇るミュージカル俳優としての才能を遺憾なく発揮しつつ、ブロードウェイへの愛を全身で表現するオープニングアクトを披露し、大喝采を浴びました(これ本当に素晴らしいので、ぜひ観てください→こちら

 授賞式中のパフォーマンスとしては、レズビアンの女子高校生がガールフレンドとプロムに参加しようとしたことから巻き起こる騒動を、差別や偏見といった社会的テーマを盛り込みつつ、軽快な歌とダンスで綴り、大ヒットしている(ライアン・マーフィがNetflixで映画化することが決定した)ミュージカル『プロム』のほか、あのシェールの半生を華やかにミュージカル化した『ザ・シェール・ショー』、昔映画で話題になった女装の男性が主役の『トッツィー』などのダイジェスト版パフォーマンスが披露されました。


 
 肝心の賞の行方は、というと…
 まず、演劇部門では、マット・ボマーザカリー・クイントジム・パーソンズらをはじめとするオール・ゲイ・キャストで上演された(全員ゲイってたぶん史上初じゃないでしょうか)『真夜中のパーティ』(日本でも何度となく上演されてきたゲイ演劇の古典です。ゲイであることをオープンにすれば疎外され、偽って生きていけば孤独感に苛まれ…傷つき、深い自己嫌悪に陥るゲイたちのリアリティが表現されています。こちらもライアン・マーフィがNetflixで映画化するそうです)が、演劇リバイバル作品賞を受賞しました。初演からの50余年を経てトニー賞を受賞した作家のマート・クロウリーは、トロフィーを固く握り締め、涙を流しながらスピーチしました。
 『アグリー・ベティ』でおなじみのマイケル・ユーリーが主演した『トーチソング』も演劇リバイバル作品賞や衣装デザイン賞にノミネートされていましたが、残念ながら受賞は逃しました。
 ミュージカル部門では、『ザ・シェール・ショー』が主演女優賞と衣装デザイン賞、『トッツィー』が主演男優賞と脚本賞に輝きました。『プロム』も作品賞、主演男優賞、主演女優賞にノミネートされていましたが、残念ながら受賞は逃しました。
 
 今年、ニューヨーク・プライドに行かれる方は、『プロム』『ザ・シェール・ショー』『トッツィー』はブロードウェイで上演中ですので、ご覧いただけます(『真夜中のパーティ』『トーチソング』は終わっています。残念!)
 





今度はトニー賞で“子宮ドレス”。ビリー・ポーターの装いが、再び話題をさらう(ハフィントンポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/billy-porter-uterus-dress_jp_5cfdd172e4b04e90f1cb881f

トニー賞授賞式の宴が終わって、ブロードウェイhere and now(otocoto)
https://otocoto.jp/column/tony2019review/4/

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