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ロンドン・プライドに約150万人が参加、ヒースロー空港で特別なキャンペーンも

2019年07月10日

 ロンドンで7月6日(土)、毎年恒例のロンドン・プライドのパレードが行われ、主催者発表で約150万人が参加しました。

 今年は、ニューヨークでストーンウォール50周年を記念するワールドプライドが開催され、ロンドン〜ニューヨーク間で乗員全員がLGBT(ドラァグクイーンのCAも登場)という世界初のフライト「プライドフライト」が運航されるなどしましたが、ロンドン(や欧州各地)でもストーンウォール50周年を祝い、大規模にプライドイベントが開催されました。
 6日(土)のパレードにはサー・イアン・マッケランやサム・スミスらのセレブをはじめ約3万人が参加、600以上のフロートがポートランド・プレースから出発して市内中心部のオックスフォード・サーカス、リージェント・ストリートを通り、トラファルガー広場まで練り歩きました。
 トラファルガー広場で行われたフェスでは、ビリー・ポーターがゲストで出演し、参加者を盛り上げました。

 また、ヒースロー国際空港では今年もロンドン・プライドに合わせてウェルカム・キャンペーンが実施され、レインボーカラーのカップケーキやピンバッジが配布されたり、合唱隊「ヒースロー・プライド」の歌が披露されたりしました。
 今年初めての試みとして、ロイヤルブルネイ航空のチェックインカウンター近くに「性の多様性」をテーマにしたポスターが掲示されました(LGBTの空港職員の写真がフィーチャーされているようです)。なぜロイヤルブルネイ航空かというと、今年、ブルネイで同性愛者を刑事罰の対象とする方針が示されたことに対する静かな抗議だそうです。ヒースロー空港のジョン・ホランドケイCEOは「英国が大切にしている価値観を世界に訴える」ためだと述べました。「世界各国からヒースローにやってくる旅行者は8000万人に上る。同性愛が違法とされていたり、時には死刑を科されるような国々から来る人々も多い。私たちは自らの価値観を世界に訴える必要がある」「こうしたキャンペーンができることをとても誇りに思う。他の国籍の人々と協力できるすばらしいチャンスだった。英国をこれほど住みやすい場所にしているリベラルな価値観を、世界と共有したい」



 
 そんな英国でも、LGBTを狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)が社会問題になるなど、まだまだ課題は残っていますが、大きな課題の一つが、北アイルランドだけが結婚の平等が達成されていないということでした。北アイルランドでは、長年の紛争の後、自治政府と議会が置かれることになりましたが、非常に不安定で、2017年以降、勢力を二分する民主統一党とシン・フェイン党の対立が原因で自治政府が崩壊しています(ちなみに民主統一党は同性婚に反対しています)。そのような事情で同性婚の承認が遅れていたのでした。
 7月9日、英下院が同性婚と人工妊娠中絶の権利を北アイルランドに拡大する内容の法改正案を可決しました。北アイルランドで10月21日までに自治政府が建て直されない限り、同性婚が認められることになるそうです。 
 
 


 
 
ロンドンの「プライド」行進、主催者発表で約150万人が参加(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/video-48904910

London Pride 2019: Partying against prejudice as 1.5 million people sing and dance at rainbow-filled parade(INDEPENDENT)
https://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/london-pride-2019-lgbt-rights-equality-prejudice-party-a8991631.html

ヒースロー空港が「同性愛は死刑」のブルネイに静かな圧力(ニューズウィーク日本版)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/07/post-12492.php

英、同性婚と中絶の権利を北アイルランドに拡大へ 下院が可決(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3234456

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