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米「同性婚の父」エヴァン・ウォルフソン氏が来日、札幌と福岡で講演会

2019年08月03日

 今年2月、「結婚の自由をすべての人に」訴訟が札幌、東京、名古屋、大阪で一斉に始まりましたが、この秋からは、福岡でも訴訟が始まります。
 つい先日には、日弁連が国に同性婚を認めるよう求める初の意見書を提出しました。日本での同性婚実現は夢物語ではなくなっています。
 そんななか、LGBTアライアンス福岡が主催し、Marriage For All Japanほか3団体が後援し、全米での同性婚実現に多大な貢献をしたエヴァン・ウォルフソン氏を福岡に招聘して講演会が行われることになりました(札幌でも映画上映とトークセッションが行われます)

 講演会に先立ち、来日中のエヴァン・ウォルフソン氏へのインタビューが毎日新聞に掲載されました。
 ウォルフソン氏は、日弁連が同性婚の法制化を求めた意見書について「力強い法的分析だ」と評価し、また、山下法相が「(同性婚は)家族の在り方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討が必要だと考えている」などと述べた対応について、「慎重さは当事者や家族を日々傷つける」として、同性婚を承認するよう強く促しました。
 映画『
The Freedom to Marry』にも描かれていたように、ウォルフソン氏は30年以上にわたってアメリカの同性婚承認を求める訴訟をリードし、2015年6月の連邦最高裁判所のアメリカ全土での同性婚承認という歴史的な判決に大きく貢献しました。
 ウォルフソン氏は、婚姻の自由が認められないという差別が続く限り、同性カップルは結婚による社会的承認や配偶者としての相続や税制上の優遇などを受けられないと述べ、「親は自分の(同性愛の)子どもが結婚するのを見ることができずに亡くなり、同性カップルが保護や安定を得られなくなるかもしれないことを意味する」と語り、「今こそ行動の時だ」と呼びかけました。
 また、ウォルフソン氏は、「結婚の自由をすべての人に」訴訟が全国で一斉に提起され、支援団体の連携が深まっていることは「大きな進展だ」と述べました。米国や欧州の在日商工会議所などが、人材確保や競争力向上の見地から日本政府に同性婚承認を求め、日本企業が同性カップルに夫婦に準じた扱いを与えていることにも触れて、経済的な必要性も示されていると強調しました。
 2020年には同性愛の選手も参加する2020東京大会が開催されますが、ウォルフソン氏は、五輪ホスト国としても同性愛者に対し平等な対応を示す必要があると指摘しました。また、G7の中で「同性婚やそれに準じるパートナー制度がないのは日本だけだ」とも。台湾でも5月にアジア初の同性婚制度が始まったことにも触れ、日本も一歩を踏み出すよう促しました。
 アメリカで同性婚が認められるようになった背景として、社会的受容が進んだことがあると説明し、「同性カップルやその家族、企業や専門家などの関係者が公の場で議論を行うことが有益だと思う」と語りました。

 エヴァン・ウォルフソン氏は今回、講演や関係者との協議のために来日し、約10日間滞在する予定です。まず8月5日(月)に札幌で映画『The Freedom to Marry』上映会と、ウォルフソン氏も登壇するパネルディスカッションが開催され、翌6日(火)には福岡で、講演会と「結婚の自由をすべての人に」訴訟九州弁護団員とのセッションが行われます。

映画「Freedom to Marry」から考えるLGBTの未来- アメリカから北海道へ-
日時:2019年8月5日(月)17:30–20:30 (17:00受付開始)
会場:野村證券株式会社札幌支店(日本生命札幌ビル)4階大ホール
主催:一般社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に、LGBTとアライのための法律家ネットワーク(LLAN)
協力:野村証券、「結婚の自由をすべての人に」訴訟北海道弁護団
協賛:株式会社アシスト
入場料:無料

Freedom toMarry エヴァン・ウォルフソン氏講演会
日時:2019年8月6日(火 18:30–20:30 (18:00受付開始)
会場:福岡アメリカンセンター(福岡県福岡市中央区天神2-2-67 ソラリアパークサイド・ビル8階)
主催:LGBTアライアンス福岡
後援:在福岡米国領事館、福岡県弁護士会、一般社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に、LGBTとアライのための法律家ネットワーク(LLAN)
入場料:無料



同性カップルを守るため「婚姻の自由」を 米「同性婚の父」弁護士インタビュー(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190802/k00/00m/040/304000c?pid=14516

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