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PrEPに関する日本語情報サイトが開設されました

 日本語でPrEPについての情報を提供する日本初のポータルサイト「PrEP@TOKYO」ができました。
 これは、LGBTで精神・発達障害を持つ方のピアサポートグループ「カラフル@はーと」が開設したものです。「カラフル@はーと」は、TOKYO AIDS WEEKS 2017で『PrEP 17』というミニ映画の上映会を主催していて、その時に、会に参加しているゲイ・バイセクシュアル男性の方から(メンタルヘルスの悪化や依存症や様々な心理状況で、生でヤリたがる相手を断れなかったりして)「どうしてもコンドームが使えない」という声をたくさん聞いていたことが、PrEPの普及を目指す活動のきっかけだったと語っています(切実さに寄り添う姿勢に感銘を受けました)
「国内ではPrEPの啓発活動は始まったばかりで、存在を知っている人、正しい知識を持って服用できる人はまだ多くありません。また、2019年7月現在、日本では国立国際医療研究センターがPrEPの治験を実施していますが、参加人数は120人と限定的で、今現在PrEPを必要としながらも、公的な機関からその薬を入手できる人は限られています。また、治験参加者以外は、PrEPに使用する抗HIV薬をジェネリック医薬品の個人輸入という形で限定的に利用することが可能ですが、PrEPに関する情報のほとんどが外国語(主に英語)で提供されているため、言葉の壁により最新かつ正しい情報にアクセスできる人たちは非常に限られています。以上のように、HIV感染予防に高い効果を示すPrEPの存在が知られないままに、あるいは知りながらもその正しい情報が得られないままに、または安全な薬が手に入らないために、HIVに新規感染する人がいる状況は看過できないものです」(プレスリリースより)
 こうしたことから、PrEPについて日本語で正しい情報や最新の情報を提供するポータルサイトが開設されるに至りました。

 「PrEP@TOKYO」の内容を簡単にご紹介します。
 まず、PrEPとは何か?について、曝露前予防とかPEPとの違いとか難しい説明は抜きにして、以下のようにシンプルに示されています。

PrEPはHIVの感染リスクからあなたを守る方法です。性交渉の前後に継続して抗HIV薬(ツルバダ)を服用します。
HIVに感染していない人で、以下のどちらかにあてはまる人に向いています。
・コンドームの使用が難しかったり、使用できないことが多い人
・コンドームと併用しながら、さらに感染リスクを下げたい人
 
 それから、服用の方法(3種類もあります。日々、進化してるんですね)、どこから購入したらよいかについての案内(サポートを受けられる病院)、PrEPについて多くの人が知りたがる事柄についてのFAQもあって、フォーラムまであります(登録制)。これを見ればPrEPについて必要な情報が全部揃っていますし、わからないことがあれば聞くこともできるという、本当に親切で、いたれりつくせりなサイトです。
 上記に当てはまらない方は結構ですが、もし、HIVに感染していない人で、コンドーム使用の難しさに直面している方は、ぜひお気に入りに登録してみてください。

 
PrEP@TOKYO
URL:https://hiv-prep.tokyo
Twitter:https://twitter.com/PrEPTOKYO
Facebook:https://www.facebook.com/PrEPTOKYO
開設者・運営管理者:カラフル@はーと

 

【追加情報】
「PrEP@TOKYO」のサイトを拝見し、「これはどうなんだろう?」と思うことが何点かありました…ので、思い切ってお聞きしてみました。以下、g-lad xxからの質問と、「カラフル@はーと」さんからの回答です。(2019.8.13)

−−購入できるサイトに「PrEP Online」の名前がないのはなぜでしょう? 日本語ですし、利用者にとってはとても便利だと思うのですが…

 ご指摘の通り、今回、リストに掲載している4つのオンラインショップは、すべて英語のサイトばかりです。理由としては、ロンドンを拠点に活動しているPrEPの普及啓発団体「PrEPster」が覆面調査を実施した6つのオンラインショップに含まれていなかったことが大きな理由です。
 「PrEP Online」はサイト上に以下の文言を掲載しています。「当サイトで販売するPrEPは、Hetero Drugs社から直接調達されており、Therapeutic Drug Monitoring(TDM)によって品質が保証されています」
 TDMとは、治療用薬物モニタリング検査のことで、薬剤を服用している人から血液を採取し、血中に検査対象となっている薬の成分が確認できるか、という検査になります。まず、この検査を実施しているクリニックの名称がサイト上に記載されていません。「PrEP Online」のオーナー兼代表が2月に来日して「PrEPと日本~今とこれから」に出席した際、「Webサイト上にTDMを実施していると掲載していますが、どの機関(クリニック)がTDMを実施し、どれくらいの服用ユーザーが検査対象になっているのでしょうか?」と直接質問しました。
 彼からは「56 Dean Street」とだけ回答があり、私からTDMを実施している機関(この場合、クリニック)をサイトに掲載しないと、購入者(ユーザー)は安心できないのでは?と提案しましたが、今のところクリニック名の記載を確認できていません。また、ジェネリック医薬品の品質検査は、第三者が身分や所属を明かさない形で、ショップから薬剤を購入して実施するのが好ましく、販売者(兼オーナー)自身が品質検査を実施し、「偽薬ではないことを確認している」と主張しても、説得力に欠けると考えています。
 また、販売しているジェネリック医薬品の価格設定にも疑問を感じています。「PrEP Online」が現在販売しているTenof EM (Hetero)は、一般的なショップでは30錠入りの1ボトルあたり21~25$(米ドル。以下同)で販売されていますが、「PrEP Online」は追跡番号無し送料込み60$という価格設定です。たとえば、私たちのサイトに掲載している「Green Cross Pharmacy」の場合、同一製品を21.16$で販売しており、追跡番号無しの送料は10$、合計で31.16$です。「PrEP Online」の半値で同じ製品が入手可能です。
 このような理由から、掲載を見合わせました。

 
−−購入者がサポートを受ける手段は、たぶん現状としては東京の国立国際医療研究センターで実施されている「SH外来」しかないと思うのですが、遠い地方に住んでる方がサポートを受けられるような手段はあるのでしょうか?

 この件は、私たちも懸念材料のひとつに捉えています。
 結局、東京近郊に住んでいる人たちだけが、PrEPにアクセスできる状態になりかねないので、少なくとも大阪、名古屋、仙台、札幌、福岡、那覇などの都市で定期検査を実施できる病院やクリニックを開拓する必要があると考えています。
 私たちの団体は小さな予算規模で運営されており、現在7名スタッフが在籍していますが、全員交通費なども支給されず、ボランティア状態での運営です。そのため、上記に挙げた都市にあるHIVの拠点病院などに出向いて説明・説得するという手段は取れないため、普段からHIV/AIDSに特化した活動を行っている団体や組織、学会などに動いてほしいと強く思っています。
 東京地区に関しては、横のつながりをすでに持っておりますので、ぷれいす東京や「SH外来」などと協力しつつ、東京での普及活動に力点を置くつもりでいます。
 

−−身近な友人に聞かれて、うまく答えられず、この機会にお聞きしようと思ったのですが、生でやることもあるバリタチの人(ケツウケを全くしない人)にとって、PrEPはどの程度必要性があるのでしょうか。そもそも感染のしやすさがウケの人に比べて格段に少ないということは承知してますが…。「いやいや、タチもぜひ、PrEPやるべきだよ!」と言った方がいいのか、「そんなに必要ないかもね」でいいのか。微妙な話かもしれませんが…
 
 この質問の意図はよく理解できます。挿入しかしない人の感染リスクがどの程度なのか、いまひとつはっきりしませんし、そういう情報があまりないからだと思います。以下にわかりやすい数値を提示します(出典は、アメリカ疾病管理予防センターが作成した「HIV Risk Reducation Tool」です)

◎予防策をまったくしないHIVの感染リスク
行為               数値
肛門性交:予防なし:挿入する側  11
肛門性交:予防なし:挿入される側 138

◎PrEPを使用した場合
行為と予防             数値
肛門性交:PrEP服用中:挿入する側  1
肛門性交:PrEP服用中:挿入される側 11

 上記の表の数値(感染率)は、10000回のセックスで何回かということを示しています。見比べると一目瞭然ですが、タチの人で全く予防していない人がHIVに感染するリスクは11/10000ですが、PrEPを行うことで1/10000まで下がります。ウケの人の場合は、予防なしで138/10000、PrEPを行うと11/10000まで感染リスクを低減できます(約92%の予防効果です)
 この確率の計算式をどう受け取るかは、人によって異なると思います。性交渉の頻度や、性的パートナーの人数が多い人の場合は、服用をおすすめしたいです。
 
 以上です。「カラフル@はーと」さん、お忙しいなか、回答ありがとうございました。

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