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ホイットニー・ヒューストンが同性と恋愛関係にあったことが明らかにされました

2019年11月07日

 今年初めに公開されたホイットニー・ヒューストンのドキュメンタリー映画『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー』をご覧になった方もいらっしゃると思いますが、その中でも示唆されていた親友ロビン・クロフォードとの関係が「友達以上」だったことが、ロビン・クロフォードの回顧録で明らかにされました。

 あまりご存じない方のためにお伝えすると、ホイットニー・ヒューストンは、「すべてをあなたに」「恋は手さぐり」「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」「すてきなSomebody」「やさしくエモーション」「恋のアドバイス」「ブロークン・ハート」「オールウェイズ・ラヴ・ユー」「アイム・エヴリ・ウーマン」「アイ・ハヴ・ナッシング」「ステップ・バイ・ステップ」「マイ・ラヴ・イズ・ユア・ラヴ」「100万ドルの恋」など数々の名曲をヒットさせ(ゲイナイトで定番のアンセムも多数)、累計セールスはアルバムが1億4000万枚超、シングルが5000万枚超、自身が主演した『ボディガード』のサントラはグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞、第25回スーパーボウルで試合前に行った国歌斉唱が史上最高と絶賛されるなど、数々の輝かしい偉業を成し遂げた伝説の歌姫(ディーヴァ)ですが、2012年、グラミー賞授賞式を翌日に控えた2月11日に、コカイン摂取による心臓発作で、ビバリーヒルトン・ホテルの浴室で急死したのでした(48歳でした)
 
 ドキュメンタリー『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー』は、『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』でアカデミー賞に輝いたケヴィン・マクドナルドが膨大な映像資料を丹念にリサーチし、なぜホイットニーが薬物中毒になっていったのか、その真の原因に迫るものでしたが、その中で、ホイットニーの親族らが寄ってたかってホイットニーに「おんぶに抱っこ」状態だったこと、父親に財産を横領されたことなどが暴かれていきますが、最後に、最も本人が苦しんでいた秘密として、幼少期に従妹(ディー・ディー・ワーウィック)から性的虐待を受けていたことを明らかにし、世界に衝撃を与えました(この件について母親のシシーは、映画公開の直前までそのことを知らされなかったと、「娘はこんな形で世間に公表されることを望まなかっただろう」との声明を発表しています)
 
 上記のドキュメンタリーにも登場する、ホイットニーが親友としていつも一緒に過ごしていたロビン・クロフォードが、出版予定の回顧録「A Song for You:My Life with Whitney Houston」の中で、ホイットニーとの関係が「友達以上」であったことを告白しているそうです。
 1980年、ロビン・クロフォード(当時19歳)はホイットニー(17歳)と知り合い、以来、特別な関係にあったといいます。
「私たちは、恋人どうしになりたかった」 
「レズビアンかゲイかなど、互いの関係にレッテルを貼ることはなかった。自分たちの思うままに、ただ永遠に続くことを願っていた」
 家族はみんな、二人の関係を知っていたそうです。
 しかし、1982年に歌手としてレコード会社と契約を結んだホイットニーは(まだアフリカ系女性がレズビアンとしてカミングアウトしてスターになれる時代ではなかったので)、ロビンとの関係を終わらせる決意をします。
 ホイットニーはその後、歌手のボビー・ブラウンと結婚し、娘を授かりますが、ロビンはその間もホイットニーのマネージャーを務めるなどして、精神的な支えとなっていました。長年にわたり秘密を隠し通してきましたが、彼女のホイットニーへの思いが消えることはなかったそうです。
 2012年にホイットニーが急死してから7年が経過した今、ロビン・クロフォードが回顧録を出版することを決めたのは「素晴らしい才能を持った彼女の本当の姿、有名になる前の彼女の物語を分かち合い、私たちの友情を抱きしめたかったから」だそうです。

 2012年、アメリカ初の女性宇宙飛行士サリー・ライドが亡くなった後、彼女と27年間連れ添っていたパートナーが、同性愛者だったことを発表し、インパクトを与えましたが、今回も同様のケースと言えます(すでにドキュメンタリー映画でほのめかされていましたし)。が、すでに鬼籍に入った人とはいえ、ある意味、長年秘密にしていた同性愛のことを暴露(アウティング)したわけで…これはセンシティブな問題ですね(アメリカの法体系では、死者のプライバシーや名誉に関する権利はあまり重視されないようです)
 
 ホイットニーといえば、今年、30年前の東京公演で初披露されたカバー曲「Higher Love」がDJカイゴによってリミックスされて再び注目を集めたり、つい先日、ミュージカル『ボディガード』の来日公演が行われたり、2020年度「ロックの殿堂」入りアーティストの有力候補となったり、来年にはUKでホイットニーのホログラムによるツアーが行われるそうで、今もなお、話題を呼び、偲ばれ、愛されています。たとえ彼女がバイセクシュアルであったとしても、その評価には何ら影響せず、これからも偉大な歌姫として世界中で愛され続けていくことを願います。
  
 
 
ホイットニーさん親友、回顧録で同性愛関係を告白(朝日新聞/日刊スポーツ)
https://www.asahi.com/and_M/entertainment/ent_7128353/

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