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『センス8』俳優のブライアン・J・スミスがゲイであることをカムアウトしました

2019年11月09日

 熱狂的なファンを生んだNetflixドラマ『センス8』で警官ウィル・ゴースキーを演じていた俳優のブライアン・J・スミスが、英ゲイ雑誌『Attitude』誌の表紙に登場し、ゲイであることをカムアウトしました。

 ブライアン・J・スミスは、81年テキサス州生まれの俳優で、TVドラマ『スターゲイト ユニバース』にレギュラー出演したり、舞台『ガラスの動物園』に出演してトニー賞候補になったこともありますが、世界的に有名になったのは『センス8』でウィルの役を演じたことがきっかけでした。シカゴ在住の警官ウィルは観察眼や洞察力に優れているが、 敵であるウィスパーズから集中的に狙われ、潜伏生活を余儀なくされるというキャラクターです。ブライアンはウィルについて「誰かが行動を起こそうとするときに一人でやらせはしない。結束がウィルの役割なんだ」と語っています。また、『センス8』の登場人物のセクシュアリティについて「ラナ・ウォシャウスキー監督は、8人の主役全員がパンセクシュアルだと考えている」と語っていました。

 『Attitude』誌のインタビューでブライアン・J・スミスは、10代の頃は周囲にカムアウトできなかったということ、『センス8』がターニングポイントとなったこと、などを語りました。
 ブライアンは、「テキサスでは家族にカミングアウトすることが禁じられていた」と語りました。
「テキサスの田舎で育ったせいで、どれだけ「この世界に自分の居場所がない」と苦しんだかしれない」
「学校では、本当にどこにもフィットしなかった。体育会ではなかったし、オタクでもなかった」
「LGBTの団体やグループなんて、存在すら忘れていた。何もなかったんだ、本当に」
「完璧に孤独だった。パンジーとかファゴットみたいな(ゲイに対するあらゆる)侮辱語を聞いた」
 彼は、10代で本当の自分を隠さなければいけなかった体験が、彼を俳優の道へと進ませた、と付け加えました。
「自分自身でらられたことが一度もなかった。常に、誰かをじっと見つめたりしていないか、誰かに不快な思いをさせたりしていないか、と自分にチェックを入れなければならなかった」
「自分のことを誰かに語るときは、本当に慎重にならなくてはいけなかった」

 そんなブライアンが、『センス8』のオーディションに合格し、パンセクシュアルで乱交のようなシーンがある役を演じることになったとき、最初は「怖かった」と感じたそう。
 しかし、『センス8』に参加して初めて、自分自身でいられる場所が提供されたといいます。
「とてもリラックスしたのを覚えてる」
「『やっと、自分でいられるようになった』と思った。他の人に対して自分を偽ったりしなくてよかった」

 そして30歳のとき、家族にカムアウトしました。家族は「素晴らしい」という反応で、とても支援的だったそうです。
「いつ言うのかと待っていた、と言うんです」
「僕が思ってたより、ずっと物事はうまく進展した」
「僕は大丈夫って思えたのもそのときだった」
「まさに『世界は思ったほど危険じゃない』ってことだなって」
 
 さらに、彼の『センス8』への出演は、彼にとってのターニングポイントとなりました。共同監督のラナ&リリー・ウォシャウスキーは、ある意味、ドラマ出演以上のものを与えてくれました。
「ルールが変わったんだ」
「何百年もの間、彼らの運命について述べたいかなる言葉も捨て去ってきた人々によって書かれたルール。それは正しかった」
「誰もが、自分にとって何が心地よいかを自由に発言できた。今度は僕が、話を聞き、寄り添う番になった。白人のシスジェンダー男性として、もっとマイノリティ性を抱えた人たちに『何が必要? そして僕にどんなサポートができる?』と聞く時がきたんだ」


Sense8 star Brian J Smith comes out as gay and makes a moving point about sexuality(Pink News)
https://www.pinknews.co.uk/2019/11/08/brian-smith-sense8-coming-out-gay-attitude-magazine/

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