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U2のライブで日本のレズビアン・カップルの写真がフィーチャーされ、話題になっています

 12月4日、U2がさいたまスーパーアリーナで行なった来日公演「U2 THE JOSHUA TREE TOUR 2019」のクライマックス、アンコール2曲目の「Ultraviolet」の演奏中、巨大なスクリーンに歴史に名を残した偉大な女性たちの写真が次々に映し出される演出があったのですが、その中にレズビアンの活動家である大江千束さん&小川葉子さんの写真もあったことが話題になっています。



 アイルランド出身の4人組ロックバンド・U2。グラミー賞を実に22回受賞しており、ロック・バンド史上最多、そしてグループアーティストとしても最多です。2005年には「ロックの殿堂」入りも果たしています。
 U2が初めて全英アルバムチャート1位を獲得した『War』の「Sunday Bloody Sunday」は、北アイルランドでカトリック系のデモ隊に英軍が発砲した「血の日曜日事件」のことを歌った歌で、「New Year's Day」はポーランドにおける民主化運動において主導的な役割を担った「連帯」について歌っていました。U2はその活動の初期からメッセージ性の強い骨太なロックバンドで、非暴力、反核、人種的平等などを訴えてきました。同時に、アフリカの貧困救済へのチャリティなどにも積極的に関わり、ボーカルのボノはAppleの赤い製品で有名なHIV陽性者支援の(PRODUCT)REDを設立したことでも有名です。2002年には「スーパーボウル」のハーフタイムショーに出演し、9.11で犠牲となった全員の氏名をスクリーンに映し、追悼の意を表しました。2011年には、東日本大震災の被災者への支援のために製作されたコンピレーション・アルバム『Songs For Japan』に楽曲提供しています。ボノは過去3回、ノーベル平和賞の候補に挙がっています。
 そんなU2が、ロック史に燦然と輝く1987年の名盤『The Joshua Tree』を引っさげてツアーを行ってから30周年を迎えたことを記念し、ワールドツアー「U2 THE JOSHUA TREE TOUR 2019」を行なうことになり、今回、13年ぶりの来日公演が実現しました。

 ライブは「Sunday Bloody Sunday」で幕を開け、『The Joshua Tree』の1曲目、「Where The Streets Have No Name」へと続きました。そして、世界中で大ヒットを記録した「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」や「With or Without You」などU2のキャリアを彩る多くの名曲が会場を盛り上げます。そして、薬物中毒で命を絶った友人に捧げた名曲「Bad」を演奏する前に、ボノは、MCで「日本の子どもたちのために、平和に思いを馳せよう。この地域、そして世界へ向けて平和への祈りを、そして感謝を捧げよう」といったメッセージを送りました。観客も平和への想いを馳せるようにスマホのライトを照らし、会場はキラキラと光る星空のようになったそうです。
 そして、アンコールでは、「Elevation」に続き、女性礼賛の歌だとの見方もされている「Ultraviolet」が演奏され、巨大なスクリーンに、歴史に名を残した偉大な女性たち、世界で奮闘する勇気ある女性たちの姿が次々に映し出される演出がありました。日本人初の国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんや、世界で最も高く評価される日本人芸術家の一人である草間彌生さん、「コムデギャルソン」の創始者・川久保玲さん、ほかにも、オノ・ヨーコさん、市川房枝さん、伊藤詩織さん、石川優実さん、そして、レズビアン活動家として中野でコミュニティスペース『LOUD』を運営したり、パートナー法ネットの代表を務めるなどしてきた大江千束さんと小川葉子さん(中野区の同性パートナーシップ証明制度の第1号認定カップルでもあります)の写真も映し出されました。さらに、「人は全員が平等になるまで誰も平等ではない」というメッセージも映し出され、感動を呼びました。

 ライブに行った方がこの様子をSNS上でレポートし、たくさんの「いいね」やコメントがありました。
 なぜお二人がフィーチャーされることになったのか?については、事前にFacebookで推薦を募っていたそうで、どなたかがきっと大江千束さん&小川葉子さんのことを推薦し、採用されたのだろう、という見方が有力です。
 


 もしかしたらU2は、LGBTについては他のイシューに比べてそれほど熱心に支援していないイメージがあるかもしれません。
 2015年、アイルランドが国民投票で同性婚を承認した際は、ボノが演奏前に「僕らの国に平和をもたらしてくれた人たちへ感謝したい。アイルランドで今日、僕らは平和を手にした! 今日この日、アイルランドは本当に平等になった! 昨日、この地で愛こそが最高位の法だと言うために何百万人もが投票してくれたからだ! 愛だ!」と叫び、祝福しました。
 同年のアルバム「Songs of Innocence」のジャケ写は、上半身裸の若い男性に、中年の裸だの男性が抱きつくもので、ロシアの右翼政治家が「ゲイのプロパガンダ」だと非難するほどにはゲイテイストでした(実際は、U2のドラマーであるラリーが息子さんを抱き締めている写真でした)
 昨年発表された「Love Is Bigger Than Anything In Its Way」のMVが素晴らしいです。アイルランドのクィアな若者たちをフィーチャーしています。
 
 ともあれ、U2が今回、ひさしぶりの日本公演で、このような素敵で感動的な演出を見せてくれたことには、大いに拍手喝采を贈りましょう。本気で世界をいい方向に変えていこうとする彼らに、これからも注目していきましょう。
 
 

U2がライブで観客の心を動かした、日本語のメッセージとは(Forbes JAPAN)
https://forbesjapan.com/articles/detail/31095

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