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東京都港区が全国で初めて性表現の自由を謳う条例改正を行う方針を固めました

2020年01月07日

 東京都港区が、条例の改正によって同性パートナーシップ証明制度を実現する方針であることをお伝えしましたが、新たに、トランスジェンダーをはじめとする性的マイノリティの外見のジェンダーの表現(Gender Expression=性表現)の自由を保障する内容も条例に盛り込む方針を固めたと報じられました。性表現の自由を条例で謳うのは、全国で初めてとなります。
 
 具体的には「男子はズボン、女子はスカート」といった学校の制服の原則を見直し、自由に選べるようにすることなどを想定しています。対象は、全ての区民と区内在学、在勤の方。普段の服装のほか、学校や会社の制服の選択、化粧など、戸籍上の性別に関係なく自由に自身の外見のジェンダーを表現できることを保障するものです。 
 港区は今年2月の定例区議会に、上記の性表現の自由と、同性パートナーシップ証明などの新たな条文を入れた男女平等参画条例改正案を提出し、4月からの施行を目指すそうです。 
 
 港区のLGBTに関する取組みが始まったのは2017年、同性パートナーシップ証明制度の実現を求める区民(TAKACOさんというゲイの方)の請願を採択した時からでした。制度づくりの参考にするため、2018年に都内の18歳以上のLGBT約400人にアンケート調査を実施しましたが、戸籍上の性別が男性である10~20代の約37%がSOGIを理由に学校でいじめにあったと回答し、全体の22%が自殺したいと思ったことがあると回答、「差別や偏見を多く感じる」「見た目の悪口を言われる」などの意見が多く寄せられたといいます。区はこうした意見を踏まえ、区男女平等参画推進会議に諮問し、その答申をもとに素案をまとめました。条例を改正し、LGBT(性的マイノリティ)が暮らしやすい環境づくりを目指します。
 区の担当者は「戸籍上の性別と違う制服を着たいと相談してきた中学生や、就職内定を取り消された大学生もいた。当事者の生きづらさを解決する必要がある」としており、区は条例改正後、学校長や事業関係者に理解を求める考えだそうです。 

 FtMトランスジェンダーで、LGBTの子どもの居場所づくりや自殺防止などに取り組んできた活動家の遠藤まめたさんは、「トランスジェンダーの子どもは制服がきっかけで不登校になるケースがよくあるので、画期的。一般の人も男子はズボン、女子はスカートという既成概念を解放する時に来ているのでは」と評価しています。 
 
  
 

LGBTの服装「自由を保障」 東京都港区、全国初の条例改正へ(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020010600892

港区、全国初の条例改正へ 性的少数者 制服選択の自由保障(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020010502000116.html

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