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コロナ禍のLGBTへの影響を探るアンケートに150件を超える回答が寄せられ、さまざまな問題が明らかになってきました

2020年04月15日

 コロナ禍のLGBTへの影響を探るアンケートを実施中というニュースでご紹介した緊急アンケートですが、12日までに150件を超える回答が寄せられ、さまざまな問題が明らかになってきました。
 
「勤務先には同性パートナーと同居していることは隠して、一人暮らしだと伝えています。もしパートナーが感染したら、私は濃厚接触者になる。そうなったら会社にパートナーのことも、同性愛者だということもカミングアウトしなきゃいけないのかな…」
「パートナーが感染しても、同性愛者だという秘密を守るために真実を話せるかわからない。社内の人にうつしてしまうかもと不安を抱えながら、出社することを選んでしまうかも」
(※「」内は実際に上がってきた声です)
 これは多くの方が感じていることかもしれません。
 現状、在宅ワークに移行できず、通勤を余儀なくされている方も少なくないと思いますが、感染した可能性が高いことを会社に言わなくてはいけないのに、本当のことを言えないという苦悩です。
 
「勤務先にはパートナーと一緒に暮らしていることを隠している。まもなく在宅ワークが始まるが、オンライン会議で一人暮らしではないことがばれてしまうのでは…」という声もありました。
 これもたくさんの方が感じている不安かもしれません。パートナーの方が画面に映ったりということはないにせよ、部屋を見ればいろんなことがわかりますよね…。

 厚生労働省のクラスター対策班の方針により、感染が明らかになると、自治体などで行動歴を聴き取る疫学調査が行われています。しかし、その感染ルートが特定される過程で、意図しないカミングアウト(アウティング)の危険にさらされるのではないかという不安の声もありました。
 
「同性のパートナーが感染して入院した時、医師から病状を教えてもらえるのかわかりません。意識が無くなった時、家族とは認められず、治療内容の決断もさせてもらえないかも」
 たとえ同性パートナーシップ証明制度を利用していても、証明書に法的効力はなく、「役所以外での証明制度の認知度はほぼゼロ。病院で宣誓したことを伝えても、家族と認めるかは病院次第。効果があるかはわかりません」
 すでに「パートナーが入院した病院で居場所や安否を教えてもらえなかった」という方もいらっしゃるそうです。法的に家族と認められないがゆえの悲劇です。
 万が一、自身やパートナーの方が亡くなってしまった場合、共有財産はどうなるのか、今の家に住み続けられるのか…という問題もあります。
「今の状態で私にもしものことが起こったら、パートナーに財産を残せる保証は何もないんです」
 
 アンケートを実施しているMarriage For All Japanのメンバーである森あい弁護士は、「職場でセクシュアリティをカミングアウトできないことや、医療機関で家族と認められない可能性があることなどは、新型コロナで新しく出てきた問題ではなく、そもそも平常時から存在している。当事者たちが直面するそうした問題が、感染拡大によってより露わになったと言えます」と語っています。
「同性婚が法的に認められることで、二人の関係に対する社会の理解も変わる。今回新型コロナで表に出てきた困難を解決する上で、緊急連絡先カードの携帯などの自衛策はもちろん大切ですが、同性婚の制度化も求められます」

 このアンケートは、4月末まで実施されています。上記のようなことであっても、そうでなくても、不安を感じたり、世の中的に改善を求めたいことがある方は、ぜひ回答してみてください。
 

 
参考記事:
差別の恐怖に襲われるLGBTQの人々の暮らし「同性パートナーとの同居、職場にさらされる?」「病院では?」新型コロナの影響、ここにも(ハフィントンポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e952b54c5b63e2705cb1118

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