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月刊『サムソン』が廃刊へ−−商業ゲイ雑誌が49年の歴史に幕を下ろすことになりました

 4月17日、海鳴館公式サイトおよび公式Twitterで、月刊『サムソン』が、今月発売の6月号をもって休刊(事実上の廃刊)となることが発表されました。
 


 
 2016年に『G-men』が、2019年に『バディ』が廃刊となり、定期刊行される商業ゲイ雑誌として最後まで残っていた『サムソン』がこのたび廃刊となったことで、紙媒体がすべてなくなり、1971年から始まった商業ゲイ雑誌の歴史は49年弱で幕を下ろすことになりました。(少々長いですが、こちらにゲイ雑誌の歴史をまとめていますので、興味がある方は読んでみてください)
 
 昭和生まれのゲイの方の多くは、世の中にゲイについての情報がほとんどないなか、町の書店でゲイ雑誌を見つけて、世の中に自分と同じような人たちがいるんだ、二丁目という街に行けばいろんなことがあるんだ、ということを知ったり、通信欄を使って他のゲイの人と知り合ったりしました(アラフィフ以上の方は最初に読んだのが『薔薇族』『さぶ』『サムソン』『アドン』、アラフォー以下の方は『バディ』『G-men』『サムソン』のどれかではないでしょうか)
 おそらくゲイ雑誌の黄金時代は、『バディ』『G-men』『サムソン』が3強だった90年代後半〜2000年代半ばだったと思います。『バディ』は若者向けで体型で言うと細〜マッチョ系、『G-men』はマッチョ〜がちむちの野郎系・兄貴系、『サムソン』は太め・おじさま系という「住み分け」がなんとなくあって、自分のタイプを伝える時に雑誌の名前を言えば通用する、そんな時代でした。
 だいたいどのゲイバー(やハッテン場)にもゲイ雑誌が置いてあり、ちょっと手持ち無沙汰な時にページをめくってみたり、このモデルさんかっこいいね、みたいな感じで会話が生まれたり。おそらく浅草や新世界のお店には『サムソン』を置いてあるところが多かったと思います。
 『サムソン』は『バディ』『G-men』とは異なり、パレードやクラブシーンとはあまり関わらず、創刊当初から同じようなスタンスを貫いてきたと思いますが、太め系・おじさま系の情報がだいたいわかり、タイプが似ている人どうしで同じノリを共有したり、出会ったり、漫画や小説を楽しんだり、そういう世界につながれる、浸っていられるという魅力があったと思います(情報が何もなかった時代、特に地方の方にとっては、ゲイ雑誌はかけがえのない楽しみでした。ワクワクしながら読んだ方は多かったはず)
 昔はゲイ雑誌の通信欄を読んで、気になる人に手紙を書き、回送してもらうという、なんとも牧歌的な出会い方をしていましたが、苦労して知り合うからこそ、一人ひとりとの出会いを大切にできたり、(たとえタイプでなくても)相手を思いやれたりという面もありました。『サムソン』の誌面にはおそらく、そういう時代の「情」や「あたたかさ」が、まだ息づいていたのではないでしょうか。
 もしかしたら、この世からゲイ雑誌がなくなるということには、単に媒体が変わるということ以上の何か(失ったものの意味)があるのかもしれません…。

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