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PrEPユーザーへの調査の結果、セックス依存や薬物使用が減ったことが明らかになりました

 長期にわたってPrEPをしている人は、セックス依存症(強迫的性行動)の割合が減り、薬物の使用が減ったという調査結果が明らかになりました。
 
 医学雑誌の権威『ランセット』誌に、アムステルダム最大の性感染症クリニックで3年にわたってPrEPユーザー340人を追跡調査し、PrEPの長期の使用がメンタルヘルスや依存症にどのような影響を及ぼすかについて評価した研究論文が掲載されました。
 調査に参加した人は、不安や鬱のレベル、アルコール依存や薬物依存、コントロールできないような性行動についての質問に回答しました。例えば「私の性的な考えや行動が、人生において問題を引き起こす」「私の性行動が、人との関わりや責任ある場面での失敗につながることがある」のような質問です。

 その結果、このようなデータが示されました。
・sexual compulsivity※は、3年間で23%から10%に低下した
・薬物使用は31〜38%も減った。これは主に、MDMAとRUSHで見られた。他のGHB、コカインなどの薬では、明らかな低下は見られなかった
・問題のある飲酒については、明確な低下は見られなかった
・不安や鬱については、明確な低下は見られなかった。しかしながら、HIV感染に関する不安は明らかに低減した
・この調査を受けた人たちは、メンタルヘルスの問題でヘルプを求めている人は少なかった(わずか18%だった。オランダ人の平均は34%)

※sexual compulsivity:sexual addiction(セックス依存症)やhypersexual disorder(異常性欲障害)などとも類似している概念であり、性的ファンタジーや性行動の頻度や内容が日常生活を阻害するまでに達するものをさし、継続的、反復性、侵襲的、かつ望んでいないのにもかかわらず、しばしば儀式化あるいはルーティーン化された特定の行為をせきたてられてやってしまうこと(「Sexual Compulsivity スケール日本語版 Ver.1 の開発と,信頼性,妥当性およびカットオフ値の検討」より)

 結論として著者は、「薬物依存とsexual compulsivityが同時に減ることは予想外だった」と述べました。
 その背景として、HIV感染に関する不安が減って、性的抑制と闘うために薬物に頼ることが少なくなったということがあるのではないか、と述べられています。
 また、PrEPユーザーが3ヶ月毎の性感染症検査を受けなければいけないことも関係があると指摘されています。これが性行動についてのカウンセリングを受けるきっかけになりますし、sexual compulsivityが低減した理由の説明にもなります。
 
 しかしながら、著者はさらなる調査が必要だと述べています。「なぜ薬物依存の割合が下がるのかがはっきりしない。不安や鬱は変わらなかったのに」


 ともあれ、まだ明らかになっていない部分はありつつも、PrEPの使用が副次的に、ある意味でのメンタルヘルスの改善や、薬物離れというプラスの効果をもたらすことがわかってきました。そういう意味でも、日本で正式に認可されるようになってほしいですね。
 なお、9月5日、PrEPについてのオンライン学習会が開催されますので、興味がある方はぜひ参加してみてください。
 

参考記事:
Men taking PrEP show decrease in ‘sexual compulsivity’ and drug use(Queerty)
https://www.queerty.com/men-taking-prep-show-decrease-sexual-compulsivity-drug-use-20200825
The 3 Year Study Revealed Significant Decline In 2 Specific Drugs(instinct)
https://instinctmagazine.com/the-3-year-study-revealed-significant-decline-in-2-specific-drugs/

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