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ニューヨーク州知事がマーシャ・P・ジョンソンの功績を讃え、その名を州立公園の名前に冠しました

2020年08月26日

 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事は8月24日、生きていれば75歳の誕生日を迎えたはずのマーシャ・P・ジョンソンの功績を讃え、ニューヨークのイーストリバー州立公園をマーシャ・P・ジョンソン州立公園という名前に変えたことを発表し、LGBTQコミュニティへの贈り物をしてくれました。それはニューヨーク州最初のLGBTQの名前を冠した公園となりました。


 1945年8月24日生まれのマーシャ・P・ジョンソンは、ドラァグクイーンともトランス女性とも見られていますが、トランス女性シルヴィア・リヴェラとともに、1969年6月28日未明、ストーンウォール・インで最初の抵抗の口火を切った人たちの一人であり、その翌日にはゲイ解放戦線(GLF)という団体を結成し、ゲイ解放運動の最前線で活動してきた伝説の英雄です。二人はまた、Street Transvestite Action Revolutionariesという組織も立ち上げ、親に勘当されて行き場を失った有色人種のホームレスのトランスジェンダーを保護するためのシェルター「Transy House」をブルックリンに設立しました。マーシャは、いつも白い歯を見せてニッコリ笑う、グリニッジ・ビレッジの女神のような存在で、コミュニティの人たちに愛されていましたが、1992年、ハドソン川で遺体として発見されました…。
 
 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事は8月24日、「今日、マーシャ・P・ジョンソン州立公園が、最初のLGBTQの名誉を讃える公園になったことを誇らかに宣言します」とアナウンスしました。
「ニューヨークは、彼女の勇敢な前進と、LGBTQの平等を求める容赦ない闘いに多くを負っています」

 キャシー・ホチュル副知事も、声明で「今日、私たちはLGBTQのヒーロー、マーシャ・P・ジョンソンを讃え、ニューヨーク州の公園の名前を彼女に捧げました」と述べました。そして、LGBTQの解放運動がマーシャとストーンウォールから始まったことに言及しながら「マーシャ・P・ジョンソン州立公園は、すべての人の公正と平等の権利を導いた有色人種のトランス女性を讃えるものです」と述べました。

 この公園は、もともとイーストリバー州立公園という名前で、ブルックリン近くのウィリアムズバーグにある、イーストリバー沿いの7エーカーの公園で、マンハッタンを望む市民の憩いの場所です。今年2月頃から、公衆トイレなどインフラの整備の改良に伴って、計画が進行していました。マーシャの功績をフィーチャーし、その生涯を祝福するような新しいディスプレイなどもつくられるそうです。
 グリニッジ・ヴィレッジの「ストーンウォール・イン」やクリストファー・パークだけでなく、ニューヨークにまた一つ、訪れたい場所ができました。
  
 なお、昨年のストーンウォール50周年のお祝いに際し、ニューヨーク市は、マーシャ・P・ジョンソンとシルヴィア・リヴェラの功績を称え、グリニッジ・ヴィレッジに2人のモニュメントを建てることを決定しました。トランスジェンダーが公共の記念碑となるのは世界で初めてのことです。2021年までに完成する予定だそうです。そちらも楽しみです。


参考記事:
New York Dedicates Marsha P. Johnson State Park in Historic First(Out)
https://www.out.com/activism/2020/8/25/new-york-dedicates-martha-p-johnson-state-park-historic-first
NY市 トランスジェンダー活動家のモニュメント建設へ(mashup NY)
https://www.mashupreporter.com/transgender-monument-stonewall/

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