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トランス男性やパンセクシュアルの方を含む8名の性的マイノリティが同性婚訴訟に加わりました

 「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟に8名の性的マイノリティの方たちが原告として加わりました(追加提訴しました)。これまで原告のみなさんはゲイやレズビアンの同性カップルだったのですが、第二次訴訟ではトランスジェンダーやパンセクシュアルの方も加わっており、性自認に基づく差別も憲法14条1項(法の下の平等)に違反すると訴えていくそうです。

 3月26日、8名の性的マイノリティの方たちが法律上同性どうしのカップルの結婚が認められないのは憲法違反だとして東京地裁に提訴しました(「結婚の自由をすべての人に」訴訟に加わりました)。これまで「結婚の自由をすべての人に」訴訟は全国5ヵ所の地方裁判所で起こされていますが、その一連の訴訟につづく第二次訴訟として、あらためて現行法の違憲性を訴えていくそうです。
 弁護団によると、今回、追加で提訴したのは、都内在住の同性愛者やトランスジェンダー、パンセクシュアルなどの8名の性的マイノリティの方たち(40代〜50代。都内在住)です。
 現在、戸籍上同性の結婚は不適法とされ、婚姻届は受理されません。そのため、原告の方たちは憲法上の権利である「婚姻の自由」(憲法24条1項)を侵害され、法の下の平等を定めた「平等原則」(憲法14条)にも違反する不当な差別的扱いであると訴えます。
 これまでの訴訟の原告は、ゲイやレズビアンの方たちでしたが、今回の第二次訴訟では、同性愛者だけでなく、さまざまな性的マイノリティの問題として、現行の民法や戸籍法の違憲性を訴えていくそうです。
 
 この日、原告のうち5人が東京・霞が関の司法記者クラブで会見しました。
 異性愛カップルとして初めて原告になったのは、一橋穂(いちはし・みのる)さんと武田八重(たけだ・やえ)さんです。一橋さんはトランスジェンダー男性で性自認は男性ですが、戸籍上の性別は女性であるため、女性パートナーの武田さんと結婚ができません。
 一橋さんは、「家のローンのこと、税金のこと、社会保障のこと、病院での付き添いのこと、数えればキリがありませんが、その一つ一つの権利が私たちにはありません」と語ります。
「トランスジェンダーである私にとって、パートナーとつくる家庭は、心の底から安心できる場所であり、私が自分らしく生きるために必要不可欠な場所です。私たちにも人権があります。私たちにも、ほかの異性カップルと同じように婚姻を認めてほしいと思い、提訴する決意をしました。私たち二人のためだけではなく、未来を描けずに絶望しかけている次の世代のためにも、訴えたいと思っています」

 河智志乃(かわち・しの)さんと鳩貝啓美(はとがい・ひろみ)さんは、連れ添って15年目のレズビアンカップルです(鳩貝さんは「LGBTQコミュニティ・アーカイブ」の活動にも参加しています)。お二人は2019年2月に婚姻届を提出していますが、受理されませんでしたた。結婚できないことで様々な不平等や不利益を被ってきたといいます。
「二人で家を建てた時には、ローンを組むためにも『任意後見契約』の公正証書を作成することが必要でした。また、片方に財産を残すために遺言公正証書も作りました」と、鳩貝さん。性的マイノリティの若者たちに自分たちと同じような苦労をさせないためにも、原告になる決断をしたそうです。

 パンセクシュアルで、同性パートナーと22年間をともにしてきたケイさんは、「早く結婚しないのか」という周囲からの圧力から逃れるために、同じ悩みを持つゲイ男性と結婚したことがあるそうです。しかし本当のパートナーとの関係が認められないことや、自分の大切な人たちに嘘をついている罪悪感に苦しみ、うつと診断されるに至りました。
 原告になった気持ちを、「人生の半分以上、大切な人のことを隠し、多くの不本意な嘘を重ねて生きてきました。これからの世代には私のような窮屈な人生を歩んでほしくありません」と語りました。
 
 福田理恵(ふくだ・りえ)さんは40歳の時にがんを患いました。その時に全力で支えてくれたのがパートナーの藤井美由紀(ふじい・みゆき)さんでした。しかし闘病中、病院から家族しか手術に付き添えないと言われたため、藤井さんのことを「いとこ」と偽らざるをえなかったといいます。
「伴侶という言葉以外では言い表せない絆があるパートナーのことを、病院にはずっと『いとこ』と嘘をついてきました」
「嘘をつくことで、私自身も、セクシュアルマイノリティが嘘をつかなくてはならない社会の一員となっていることに、息がつまりました」と福田さんは、声を詰まらせながら会見で語りました。
 福田さんは先日の札幌地裁の判決を聞いて、「二人で泣いた」そうです。「結婚が近づいたと思え、泣いてTwitterとかで繋がっている人とみんなで『よかったね』と喜び合いました。これを東京につなげたい、他の地方にもつなげたいと思っています」

 また、東京レインボープライドの元共同代表で編集者・ライターの山縣真矢(やまがた・しんや)さんも原告に加わりました。山縣さんには20年近く同居している同性パートナーがいますが、つきあい始めた1998年当時は、同性婚を法制化している国はなく、パートナーとの結婚という発想は全くなかったそうですが、「しかし、人類の歴史は歩みを進め、20年以上たった今では、30近い国や地域で同性婚が認められるようになりました」
 東京レインボープライドは大きなイベントに成長した一方で、「私自身の人生に目を向けてみると、私とパートナーとは、法的に赤の他人で、病気や失業、死などに直面した時に、結婚していれば当たり前に享受できる法的保障が得られないという理不尽な現実がありました」と語ります。
「先日、同性婚は認めないのは憲法14条に違反するという、画期的な判決を札幌地裁が出しました。各種世論調査でも、同性婚に賛成が過半数を上回っています。この判決をふまえ、国会の場でしっかり議論するとともに、来たる衆院選においては、争点のひとつとして、国民的議論になることを願っています」
 
 今回の第二次訴訟も、訴訟内容は基本的に同じであるものの、「性的指向だけではなく、性自認に基づく差別も憲法14条1項が定める平等原則に違反しているという主張している点で第一次訴訟と異なります」と、弁護団事務局長である沢崎淳一弁護士は語りました。
「どのような性自認を持つのか、あるいはどのようなセクシュアリティを持つのかというのは、多様な人としての性あり方の一つにすぎず、異性愛規範を正当としそれに当てはまらないセクシュアリティを持っている人を差別することはいけない、という主張を組み立てています」
「札幌地裁では憲法14条違反という判決でしたが、あらためて憲法24条違反も訴え、必ず違憲判決を勝ち取りたいです」

 この提訴により、全国の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告団は合わせて37名となりました。

 
 

参考記事:
同性婚訴訟、新たに8人が提訴。トランスジェンダーやパンセクシュアルの人も婚姻の平等を訴える(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/marriage-equality-new-lawsuit_jp_605d7a89c5b67ad3871e550a
同性婚、性的マイノリティ当事者8人が新たに提訴 「絶望しかけている次世代のためにも」(弁護士ドットコム)
https://www.bengo4.com/c_23/n_12857/
同性婚認めずは違法、8人が追加提訴 東京地裁(TBS)
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4231685.html
「同性婚を認めないのは違憲」 都内の8人が提訴(テレビ朝日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000211152.html
同性婚訴訟、新たに8人が提訴 トランスジェンダーは初(共同通信)
https://this.kiji.is/748130252597690368?c=39546741839462401

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