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伊賀市長らが「住所公開は人権侵害」として小林県議と三重県議会に抗議しました

2021年04月07日

 三重県伊賀市の岡本栄市長は6日の記者会見で、伊賀市のゲイカップルの氏名と住所を無断でブログに公開した小林貴虎三重県議(自民党県議団)を「明らかに人権侵害だ。許されない」と厳しく批判し、抗議する意向を明らかにしました。


 岡本市長は2016年、同性カップルを婚姻相当と認めるパートナーシップ制度を全国で3番目に導入するなど性的マイノリティ支援に力を入れている方です。制度導入にあたり、「いろいろな生き方が認められる、多様性を認め合う社会は、誰もが住みやすい社会ではないでしょうか。今年はG7の伊勢志摩サミットが開かれます。日本以外の先進国では、そういったケアができています。開催県の市として、そうした国際的な共通認識を市民と共有していくことが大事で、それが今だという風に思います」と語っています。そうした伊賀市の支援的な姿勢に惹かれ、ゲイカップルは大阪から移住してきました。
 昨年10月には、LGBT差別禁止や支援に関する条例制定を検討している鈴木英敬三重県知事を訪問し、県としての同性パートナーシップ証明制度の導入を求めていました。
 
 岡本市長は今回の事件について「性的少数者に対する人権侵害にも値しうるものであると考え、はなはだ遺憾であるといわざるをえない」「差別や偏見が助長されかねないもので、到底看過できない」「性的少数者がさらに生きづらい状況に追い込まれることが危惧される」と語り、近く小林議員と県議会議長に抗議文書を提出することを明らかにしました。

 また、6日、稲森稔尚県議(草の根運動いが)も「県民の自由な言論や表現活動を萎縮させる許しがたい人権侵害行為。議員辞職が必要だ」として、政治倫理審査会を設置して調査と処分を求める申し入れ書を県議会の日沖正信議長宛てに提出したそうです。
 

 住所を晒された後、伊賀市のお二人のもとには「非通知の電話が鳴り続けた」そうです。「寝つけないし、動悸がすることもあった」といい、精神的にまいってしまったようです。本当にお気の毒です…。
 このような嫌がらせを受ける可能性があることをわからないはずがないでしょうに、県議会議員という公職にある人物が、一般市民、しかもマイノリティである市民の住所をネット上で全国に晒したことには、憤りを禁じえません。まさに人権侵害です(プライバシー侵害で損害賠償請求できるのでは?との指摘も上がっています)
 県議会も調査に乗り出しているそうですし、こうして伊賀市長などもお二人の味方となり、声を上げてくださいました。多くのメディアも小林県議の非道な振る舞いに批判的で、被害者のお二人に対しては支援的な論調です(公正に報道しています)
 今後、「異常動物」発言の海老名市議のように議会で辞職勧告が出たり、足立区議のように謝罪を求められたりすることになるのではないでしょうか。全国で初めてアウティングの禁止を決めた三重県議会は、きっと今回の件に関しても公正に対処してくれることと信じます。
 

参考記事:
伊賀市長「住所公開は人権侵害」 三重県議に抗議、性的少数者巡り(共同通信)
https://this.kiji.is/752075376049504256?c=39546741839462401
三重県議が同性カップルの住所をブログで公開 地元市長が抗議する構え(CBCテレビ)
https://news.goo.ne.jp/article/hicbc/region/hicbc-00050BE9.html
男性カップル個人情報を無断掲載、県議らに伊賀市長が抗議書 三重(中京テレビ)
https://www.ctv.co.jp/news/articles/pdbxk7aw2jl2211b.html
住所と名前を三重県議に公表された同性カップルが激白「電話が鳴り続けて精神的に病んでしまった」〈dot.〉(AERA)
https://dot.asahi.com/dot/2021040500077.html
同性カップルの住所、県議が無断公開…居住地の市長は「差別を助長」(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210407-OYT1T50133/

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