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与党国会議員によるLGBT差別発言の撤回と謝罪を求める9万4千超の署名が手渡されました

2021年05月31日

 与党国会議員による「道徳的に認められない」などのLGBT差別発言の撤回と謝罪を求めて全国から寄せられた94,212筆の署名が31日、自民党本部に提出されました。みなさんの思いも込められている、10万筆近くにもなった署名のずっしりとした束が、確かに届けられたのです。
 署名呼びかけ人の松岡さんは、「国会議員としてこのような発言をすることは、当事者の命に直結します。自民党として、差別発言をした議員に対して厳正な対処をするのどうか、私たちは見ています」と語りました。民放キー局各局をはじめ、多くのメディアでも注目されています。山谷えり子議員や簗和生議員が発言の撤回と謝罪をするのか、党として厳正な対処をするのかどうか、しっかり見ていきましょう。


 31日午後3時頃、ずっしりと重い署名の束を(建物管理の職員さんが受け取りましたが)自民党本部に手渡した松岡さんは、「自民党議員による差別発言を問題だと思っている方が、日本の社会の中でこれほど多いんだということを実感しています」と語りました。
 5月20日夜に始まった署名は、31日0時までの10日間で9万4212筆に達しました。署名の宛先は、差別発言をした自民党の山谷えり子議員と簗和生議員、そして自民党総裁の菅義偉首相です。 
 
 松岡さんは差別発言について「国会議員がこのような発言をすることは当事者の命に直結します」と、「当該議員がしっかりと謝罪、撤回、または辞職をするのか、自民党としてこうした差別発言をした議員に対して厳正な対処をするのかどうか、私たちは見ています」と語りました。
 また、「特に種の保存という発言は、(杉田議員の)生産性の発言と全く根本は同じであり、優生思想に基づく差別発言だと思います。この3年間何も学んでこなかったとことが露呈しているなと感じています」とも。
 そして、「差別発言に対する謝罪や撤回もなし、法案の提出もなしというのは、あまりに不条理な状況です。当事者の命をまさに軽んじていると言っても過言ではないと思っています。自民党は政党としてしっかり声を受け止めて厳正に対処し、対応してほしいと思っています」と述べました。  
「この10万人の声というのは重いと思っています。この声をちゃんと受け止めて、自民党は発言の責任をとってもらいたい。そして謝罪や撤回や辞職を求めたい。その上で政党としてちゃんと性的マイノリティの問題に向き合い学んで差別をなくす法律を作ってほしいと思います」

 
 なお、同日、プライドハウス東京と「AthleteAlly」も合同抗議文を自民党本部に提出しました(抗議文の内容はこちら



 また、同日、北海道LGBTネットワーク(にじいろほっかいどう、さっぽろレインボープライド、NPO法人L-Port、Q we'reの4団体)は、差別発言をした除名・辞職勧告とLGBT法案の成立を求めて、道内選出自民党国会議員と自民党本部に対して要請文を送付しました。自民党北海道支部に対して6月2日(水)に北海道LGBTネットメンバーが事務局を訪れ、直接要請を行なうそうです。

 昨夜から行なわれていたLGBT差別に抗議する24時間シットイン。今朝8時からも、LGBT法連合会の方々や、aktaの岩橋さん、トランス女性で職場でハラスメントにあったという方、映画監督の東海林毅さん、研究者の方、ヒューマン・ライツ・ウォッチの土井香苗さん、立憲民主党の福山幹事長など、たくさんの方々がリレートークに参加しました。そして、署名や抗議文の提出の後、シットインが延長され、夜18時から再びリレートークが行なわれ、乙武洋匡さん、石川大我さん、トランスジェンダーのりんさん、「Proud Futures」代表の小野アンリさん、フォトグラファーのKotetsuさん、二丁目のバー『Bridge』のみつあきさんなど、多くの方々がリレートークに参加し、熱い展開を見せました(公式Twitterからご覧ください)
 
 自民党は31日の役員会で、LGBT法案について、日程的な理由から今国会に提出しないことを確認。二階俊博幹事長は記者会見で、提出時期について「今後の国会の状況を見ながら検討したい」と述べるにとどめました。
 
 一方、31日夜には、超党派のLGBT議連で会合が行なわれ、あきらめずに今国会での成立に向けて努力を続けることが確認されました。
 中心メンバーである自民党の稲田朋美元防衛相は記者団に「党幹部に働きかけ、何とか成立させたい」と述べました。
 立憲民主党の枝野幸男代表は、「LGBT法案だけ国会日程のせいにするというのは、これこそまさに恣意的だと言わざるをえません。日程が足りないなら延長すればいいだけの話であります」「国会審議や会期延長については柔軟に協議に応じる」「今は国家の危機で通年国会とするべき。少なくとも3カ月程度の延長は必要だ」と述べました。

 「LGBT差別は許されない」と記された法案が無事に国会に提出されるとともに、差別発言議員への厳正な対処が行なわれることを願います。
 
 
参考記事:
「何でこんな国に生まれたんだろう」LGBT差別発言に約9万4千の抗議署名(FNN)
https://www.fnn.jp/articles/-/189701
LGBTへの差別発言 団体が自民党に謝罪と撤回求める(テレ朝)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000217766.html
今国会見送り“LGBT法案”抗議の声拡大(日テレ)
https://www.news24.jp/articles/2021/05/31/04881229.html
“LGBT法案”抗議デモ 午後に自民党本部へ署名提出へ(TBS)
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4280724.html
LGBT差別議員は「辞職を」 抗議署名9万筆、自民党に提出(共同通信)
https://www.47news.jp/news/6329417.html
抗議署名9万筆、自民に提出 LGBT発言で有志市民(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021053100712
「この10万人の声は重い」自民党議員によるLGBT差別発言、撤回と謝罪を求める署名を手渡す(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/lgbt-law-signature-campaign-ldp_jp_60b465e1e4b0f2a82eeb8fa7
LGBT法案「成立を」 当事者ら「命を軽んじている」(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP506TPNP50UTFK00P.html
LGBT法「今国会成立へ努力」 与野党議連が確認(共同通信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fac7ede22f8f9b99b0c1a7dc0e49e778b61426d5
自民、LGBT法案先送り確認 議連「何とか成立を」(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021053101002
LGBT法案巡り…立憲・枝野氏「会期延長すればいい」(テレ朝)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000217803.html

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