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彦根市が同性パートナーシップ証明制度導入へ、豊田市はファミリーシップ証明制度を記念して豊田スタジアムをレインボーカラーにライトアップ

2021年07月16日

 彦根市は7月12日、滋賀県で初めて「パートナーシップ宣誓制度(仮称)」を導入することを発表しました。8月に制度案を公表し、パブリックコメントを募った後、10月に制度を導入する予定です。
 市の公式サイトによると(ひこにゃんがカワイイです)、「この制度の導入により、性的マイノリティに関する市民の理解が広がり、市民一人ひとりが相手を思いやり、多様な価値観を認め合う社会が実現できることを期待するものです」と述べられています。
 彦根市ではこれまで、「性の多様性」に関する取組みをさまざま行なってきました。2018年には人権のまちづくりフェスタで「あなたの身近にもいるLGBT」と題した講演を実施、2019年には「性の多様性」をテーマにした人権啓発冊子を作成、昨年は市職員への啓発や企業への研修を実施しています。そして今年4月〜5月に「パートナーシップ宣誓制度(仮称)」の導入による影響や、申請書等の性別記載欄の見直しについて検討したそうです。

 なお、同じ7月12日、同じ滋賀県の大津市が同性パートナーシップ証明制度の導入を見送ったことがわかりました。「性的少数者への理解が社会的に進んでいない現状では制度が形骸化する可能性があるため」との理由です。
 大津市は2017年12月、当時の越直美市長の主導で(全国でもかなり早く)LGBT支援宣言を発し、同性パートナーシップ証明制度の導入も検討すると発表しました(詳細はこちら)。2018年12月には当事者や支援者らを交えた同性パートナーシップ証明制度の検討会議を設置、2019年度に制度の骨格をまとめていました。2020年度に入り、市は「制度を導入する以前に性的少数者について周知することが先決だ」として、導入の見送りを決めたそうです。(主導していた越直美市長が2019年度で引退したということも関係がありそうです)

 それから、こちらでお伝えしていた愛知県豊田市ですが、同性パートナーシップ証明だけでなくファミリーシップ証明も含めた「市ファミリーシップ宣言」として16日から導入することを発表しました。同性パートナーシップ証明制度としては愛知県内4例目、ファミリーシップ証明としては全国5例目です。制度の導入に合わせ、22日までの午後7~9時、豊田スタジアムをレインボーカラーにライトアップするそうです。

 佐賀県は8月中に「パートナーシップ宣誓制度」を導入する意向をあらためて県議会で表明しました。県営住宅への入居、県医療センター好生館(佐賀市)で家族同様に面会できること、などを検討中だそうです。
 県内の支援団体「SOiGIEs(そいぎーず)」の共同代表、茜さんは、「当事者目線に立ち、安心して使える制度を作ってほしい」と歓迎しています。「運用する中で出てきた課題は県と議論していきたい。制度を利用しない当事者にとっても安心できるものの一つになれば」

 愛媛県松山市の「カラフル松山」は11日、伊予鉄道松山市駅前で署名活動を行い、制度導入への賛同を呼び掛けました(今年6月に署名キャンペーンを立ち上げ、賛同者が1万3000人を超えました。ご協力くださったみなさん、ありがとうございます)。メンバーの方は「制度があれば同性カップルらが家族として認めてもらえる。皆さんのご協力をお願いします」と訴えていました。

 石川県白山市では12日、「にじ♡はぐ石川~ひだまりの会~」が山田憲昭市長と白山市教育長、白山市立図書館に当事者の声を集めた冊子『ここにいるよ~北陸から(あなたに)届けたい にじいろの手紙 ことば編・マンガ編~』を寄贈した際、山田市長が「今年12月からの導入を目指している。パートナーシップ宣誓制度は今、困っている人々にとって、とても必要な制度である。白山市としては、段階を大切にしながら、パートナーシップ宣誓制度の導入に向けて取り組んでいきたい」と語ったそうです(詳細はこちら

 躍進めざましい足立区では、同性パートナーを持つ職員への待遇を改善し、法律婚などと同様、介護や子どもの看護のための休暇制度を使えるような対応が実現しました。区人事課によると、条例施行規則の改正により、これまで法律婚か事実婚のカップルにしか認められていなかったパートナーを介護する際の休暇や結婚した場合の休暇を、同性パートナーを持つ職員にも認めました。また、パートナーの出産時に家事などを行うための出産支援休暇と育児参加休暇も従来、男性職員にしか認められていなかったものを、対象を同性パートナーを持つ女性職員にも広げました。さらに、子どもを看護するための休暇も、同性パートナーの子どもを看護する場合にも利用できるようにしたそうです。


 なお、全国の同性パートナーシップ証明制度やファミリーシップ制度について、日本地図を用いて視覚的にわかるようにした「みんなのパートナーシップ制度」というサイトが立ち上がっています。とても見やすく、目に楽しいサイトです。ぜひご覧ください。



参考記事:
彦根市、パートナー制導入へ 一部の行政サービスで婚姻相当扱い(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/290796
大津市、パートナーシップ制度導入見送り 「制度形骸化の可能性」理由に(京都新聞)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/597042
LGBT、子も親も家族に 豊田市が宣言(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP7H6SNDP7HOBJB003.html
パートナーシップ制度、来月にも 県が導入発表 支援団体「歓迎、期待」/佐賀(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210713/ddl/k41/040/395000c
同性パートナー持つ職員も可に 足立区、介護休暇など(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210710/ddl/k13/040/003000c

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