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三重県第1号カップル「コロナで入院した時を考えて」パートナシップ宣誓

2021年09月01日

 三重県で9月1日から「三重県パートナーシップ宣誓制度」がスタートし、津市在住のトランスジェンダーと女性のカップルが第1号としてパートナーシップ宣誓を行いました。
 お二人は「最高のパートナーと家族になれて、うれしい気持ちでいっぱい」と喜びを語りました。トランスジェンダーの方は 「もしコロナにかかって、自分たちが入院した時に家族としての面会が仮にできなかった場合を考えて、利用しようと思った」と語っています(コロナに限らず、最愛のパートナーの身に何かあったとき、病院で家族として扱ってもらえるかどうかは、本当に切実な願いです…)
 鈴木知事は「人生を共に歩もうと誓い合った二人に受領証を渡せて光栄だ。当事者が安心して暮らせるよう寄り添った支援をしていきたい」と述べました。
 三重県によると、県内で少なくとも7組がカップルとして制度を利用する予定だそうです(三重県ではすでに伊賀市といなべ市で同性パートナーシップ証明制度が導入されていて、これまでに5組がパートナーシップ登録をしています ※虹色ダイバーシティと渋谷区の「全国パートナーシップ制度共同調査」より)
 都道府県としての制度導入は、茨城県、大阪府、岐阜県、佐賀県に続き、5例目となります。



 埼玉県入間市は8月30日の定例記者会見で埼玉県初の「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」について説明しました。ファミリーシップ宣誓については、カップルのどちらかに未成年の実子か養子がいる場合、カップルまたはその子どもが親子であることを宣誓すると、市が宣誓書受領書や宣誓書受領カード(ファミリーシップ証明書)を交付するということです。市にはすでに制度についての問い合わせがあったそうで、杉島理一郎市長は「宣誓することで(一部の金融機関で)ペアローンなどの利用ができるようになると聞いている。市が提供できるサービスも調整していく」と述べました。
 9月1日に更新された市公式サイトの「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」のページによると、入間市は、パートナーシップ宣誓を行なった方たちに特設ブースで記念写真を撮れるサービスを提供しているそうです。宣誓書を入れる額のほか、かわいい2匹のうさぎと2つのブーケも用意されています(市の男女共同参画推進センターでLGBTQのコミュニティカフェを開催しているMateRioさんが寄贈してくださったんだそう)。素敵ですね!
 ほかにも、入間市は、婚姻届を出したカップルに対して結婚式場「Pleats.I」のチャペル・フォトブースで写真撮影等のサービスを受けられるようにしたり、入間市作業協会でつくった急須をプレゼントしたりしているのですが、宣誓した同性パートナーに対しても、同じサービスを提供するそうです(婚姻と平等に扱ってくれること、うれしいですね)
 

 山口県宇部市も、県内自治体として初めて「宇部市パートナーシップ宣誓制度」を導入しました。
 本当は昨年度中にスタートする予定だったのですが、昨年12月に実施したパブリックコメントで217件の意見が寄せられ、「時期尚早」「実際にはほとんどいないのではないか」「少子化に拍車がかかる」など(何かの組織が動員をかけているのではないかと思われるほどステレオタイプな)反対意見が8割を占めたため、市は制度開始を9月に延期し、半年間を市民への周知期間に充てることを決めました。4月以降、市では希望者に向けて出前講座を開催し、民生児童委員らに制度を説明したほか、病院や宅建業界にも赴いたといいます。
 人権・男女共同参画推進課の方は「半年前に比べ、市民の理解は進んでいると認識しています」「見た目にはわかりませんが、多くのマイノリティがいることを知ってもらい、偏見、差別の無い社会をつくっていければ」と語っています。
 市役所の1階では9月10日まで「宇部市パートナーシップ宣誓制度啓発パネル展示」が開催されているそうです。
 紆余曲折を経て、無事に制度がスタートしたことをお慶び申し上げるとともに、市の担当者の方々の尽力に敬意を表します。
 初日の1日はまだパートナーシップ宣誓を行なうカップルはいませんでしたが、これまでに複数件の問い合わせがあったといいます。宇部市は、今後提供できるサービスを増やし、引き続き、啓発活動を続けていくとしています。
 
 
 それから、栃木県日光市でも「日光市パートナーシップ宣誓制度」がスタートしました。栃木県では鹿沼市、栃木市に次いで3例目となります。
 他の自治体と同様の条件・手続きで、パートナーシップ宣誓を行なうと宣誓受領証(パートナーシップ証明書)が発行されます。
 パートナーシップ宣誓したカップルは市営住宅の⼊居や市営墓地の継承など、婚姻に準じた⾏政サービスを受けられるようになります。今後は、民間サービスの拡大も目指して市民への制度の普及を図り、「心を感じるまち日光」を目指し、多様な価値観を認めるまちづくりを進めていく、とのことです。

【追記】
 東京都北区が「北区パートナーシップ宣誓制度」を、大分県豊後大野市が「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」を来年4月から導入することを発表しました。
 

 
 自治体にパートナーシップ制度を求める会によると、ほかにも宮崎県新富町でも制度がスタートしたそうです。制度導入自治体は117に上り、総人口に対するカバー率は40%を超えました。制度が始まって6年でこれだけの自治体が「戸籍上同性であるカップルのパートナーシップも婚姻と同等」であると承認し、証明書を発行してくれるようになったのは、感慨深いです。
 このコロナ禍の状況で、同性パートナーシップ証明制度が利用できるかどうか、搬送先の病院で家族として認められるかどうかというのは、冒頭の三重県のカップルもおっしゃっていたように、とても切実な問題です(昨年も、COVID-19で入院した際、家族でないからという理由で転院先を教えてもらえなかったという話が聞かれました)。せめて容態だけでも知る権利は保障してもらえないと、もしパートナーの命に別状があった場合、悔やんでも悔やみきれませんよね…。「エイズの衝撃〜スターの告白が世界を変えた〜」で社会に蔓延するゲイ差別が多くのHIV感染者の命を奪った歴史が描かれていましたが、私たちはエイズ禍から30年以上経った今も、このコロナ禍において、異性婚の家族とは差別され、パートナーの病状を知ることができないという悲劇に見舞われる可能性に直面しているのです。札幌地裁の違憲判決も出ていますし、国は一刻も早く、この構造的差別を解消し、結婚の平等を認めてほしいと思います。
 

参考記事:
第1号カップル「コロナで入院した時を考えて」 三重県でパートナシップ制度開始(名古屋テレビ「メ〜テレ」)
https://www.nagoyatv.com/news/?id=008645
三重でパートナーシップ制度開始 第1号カップル「やっと家族に」(共同通信)
https://nordot.app/805624096059179008?c=39546741839462401
ファミリーシップ宣誓制度 入間市、あすから導入 県内初/埼玉(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20210831/ddl/k11/040/153000c
日光市パートナーシップ宣誓制度を開始=栃木県日光市(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=20210831Pr3
日光市がパートナーシップ宣誓制度を導入 県内では3市目(下野新聞)
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/492123

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