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米海軍が補給艦をハーベイ・ミルクと命名

 米海軍は11月6日、オープンリー・ゲイとして初めてサンフランシスコ市議に当選した伝説の活動家、ハーベイ・ミルクの名前を冠した給油艦を進水させました。


 ハーベイ・ミルクはもともと潜水士として海軍に勤め、朝鮮戦争では潜水艦救難艦キティウェイクに中尉として乗船していました。しかし、1955年、性的指向について2週間にわたる尋問を受けた末、退役へと追い込まれました。
 その後、故郷のニューヨークに戻り、ウォール街で働いたり、演劇に関わる仕事をしたりして、1972年にサンフランシスコに移り住み、「カストロの市長」と呼ばれるようなコミュニティのリーダーに。1977年には、3回目の挑戦でサンフランシスコ市政執行委員に当選し、初めてオープンリー・ゲイとして大都市の公職に就いた人物となりました。同性愛者が教職に就くことを禁じる州法の撤廃などマイノリティのために尽力し、1978年のサンフランシスコ・プライドではコミュニティのパワーを示すためにレインボーフラッグを掲げて行進しましたが、同年11月、たびたび衝突していたダン・ホワイト前市政執行委員に市長とともに射殺されました。(今月末に上映されるドキュメンタリー『ハーヴェイ・ミルク』に彼の生涯が描かれています。詳細はこちら

 6日、カリフォルニア州サンディエゴで行なわれた給油艦「Harvey Milk」の進水式には、カルロス・デル・トロ海軍長官と、ミルクの甥のスチュワート・ミルクらが出席しました。
 この艦を含めた米海軍の新艦艇6隻に、米公民権運動のリーダーたちの名前が付けられました。ミルクのほかは、連邦最高裁長官を務めたアール・ウォーレン判事、大統領候補の上院議員だった当時に暗殺されたロバート・ケネディ元司法長官などだそうです。
 進水式では、デル・トロ長官がミルクについて、「自分の人生のとても大事な部分を隠す」よう海軍時代に強いられたのは間違ったことだったと述べました。
「あまりに長い間、ミルク中尉のような海軍兵たちは、暗がりの中に身を潜めるよう強いられ、さらにひどい場合は、私たちが愛する海軍を辞めさせられた」
「そうした不正義は海軍の歴史の一部だ。しかし、不正義に直面しながら勤務し続けた人々の粘り強さも、またその一部だ」
「ハーベイ・ミルク氏のような先達は、経歴や経験の多様性が、わが国の強さや決意に寄与することを教えてくれた」と評し、「この艦に乗る未来の水兵たちが、ミルク氏の人生と遺産に触発されることは間違いない」

 米軍では同性愛者の従軍を認めない時代が長く続き、オバマ政権下の2011年にようやく同性愛者排除規定が正式に撤廃されました
 2016年にオバマ政権が海軍艦艇にミルクの名前をつける方針を発表しましたが、その際には、反対意見も出たといいます。今回、ようやく実現したものです。
 今回の補給艦へのハーベイ・ミルクの命名は、米軍が同性愛者排除から受容へと変わった歴史を象徴するものだと言えそうです。
 


参考記事:
アメリカ海軍 同性愛理由に退役の男性の名前を補給艦につける(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211109/k10013339491000.html

米海軍、同性愛者の人権活動家ハーヴィー・ミルク氏の名前を艦艇に(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/59202460

動画:米海軍、給油艦をハーベイ・ミルクと命名 ゲイ公表の政治家(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3374743

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