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2021年の新規HIV感染者報告数の速報値が発表され、前年から2割近く減少した昨年よりさらに少なくなりました

2022年03月20日

 2021年の新規HIV感染者・エイズ患者報告数の年間速報値が発表されました。新規HIV感染報告は717名、新規エイズ患者報告は306名、合計1023名となり、前年から2割近く減少した2020年よりもさらに少なくなりました。

 
 3月15日、厚労省エイズ動向委員会からの四半期報告がAPI-Netに掲載され、2021年第3四半期と第4四半期の新規HIV感染者・新規エイズ患者の報告数が発表されましたが、委員長コメントの最後に、年間新規報告数(速報値)が付け加えられていました。
 これによると、新規HIV感染者報告は717名(過去20年間で3番目に少ない)、新規エイズ患者報告は306名(過去20年間で最も少ない)で、合計は1023名(過去20年間で3番目に少ない)となりました。新規HIV感染者のうち同性間の性的接触で感染したと申告した方は513名(約72%)、新規エイズ患者では同性間の性的接触が151名(約49%)で、割合としてはこれまでと同様の傾向です。
 コロナ禍以降、保健所等でのHIV検査や相談の件数が顕著に減っていますが、2021年は、前年の半数以下となった2020年よりもさらに減って、検査数が約5万8000件、相談件数が約5万4500件と、いずれも過去最少となっています。2021年の新規感染報告数が少なかったのは、検査を受ける人が減ったため、とも言えそうです。委員長は「無症状感染者が十分に把握できていない可能性に留意する必要がある」とコメントしています。
 
 万が一エイズを発症し、免疫力が低下した方がCOVID-19も発症した場合、重症化のリスクが高まる可能性がありますから(こちらの記事で忽那先生もそのように述べています)、そういう意味でもHIV検査を受けて早めにわかって治療できたほうが安心ですよね。
 東京都では新宿東口検査・相談室が頑張って休まずに開けてくださっていますが、お住まいの地域によっては保健所のHIV検査が休止していて検査を受けたくても受けられない場合もあると思います(例えば沖縄本島ではほとんどの保健所がまだHIV検査を停止していて、那覇市保健所で月1回実施しているだけという厳しい状況です)(都道府県ごとのHIV検査情報はこちら)。昨年来、北陸や北東北などで無料で郵送検査を受けられるキャンペーンが実施されてきましたが(またあれば、ぜひ利用しましょう)、いつでもどこでも受けられるわけではなく…。あとは、有料になってしまいますが、民間の郵送検査(たとえばこちら)もありますし、もし東京に来る機会があればクリニックで即日検査(たとえばこちら)を利用するという手もあります。
 本当はどこに住んでいてもHIV検査が(コロナの検査も)無料でどんどん受けられる体制になったらよいのでしょうが、現実はそうではありません…。ご自身の命と健康を守るために、できるだけHIV検査も受けるようにしましょう。
 
 
 なお、すでにニュースでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、全国的に梅毒の感染が拡大しています(性別や性的指向を問わず)。今年は過去最多の昨年を上回るペースで、特に関東での患者報告数が多く上がっているそうです(詳細はこちら
 梅毒にかかっているとHIVにも感染しやすくなるため、注意が必要です(こちらこちらをぜひご覧ください)
 東京都東口検査・相談室では、HIVと同時に梅毒も検査してもらえます。大阪ではdistaで2ヵ月に一度、HIVと梅毒の検査が受けられます。横浜ではSHIPで月に一度、HIV、梅毒、B型肝炎の即日検査が受けられます。その他の地域のみなさんは、各地のコミュニティセンターに問い合わせたり、お住まいの自治体のサイトで調べてみてください。HIVと同様、有料ですが民間の郵送検査も利用できます。
 

参考記事:
【梅毒】全国で1,587人 過去最多の昨年同時期を上回る 赤い発疹などの症状に注意(感染症・予防接種ナビ)
https://kansensho.jp/pc/article.html?id=IE00000809

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