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PrEP導入に向けたパブリックコメント(意見公募)が行なわれています

2022年03月23日

 2019年に日本エイズ学会の松下理事長が「2020年にはPrEPが導入されるだろう」と語ったとのニュースをお届けしていました。コロナ禍の影響もあって時間がかかったと思われますが、日本エイズ学会ではPrEP薬事承認へ向けて議論を重ねてきており、このたびPrEP導入準備委員会が中心になって「PrEPの診療指針・要旨(案)」および「国内承認後の実施体制(案)」が発表されました(こちらに掲載されています)。3月末までパブリックコメント(意見公募)が行なわれています。パブリックと言いながら、おそらく学会の会員向けだろうなと思われる雰囲気で、これはご紹介してもよいものか…と迷っていたのですが、aktaさんが学会に確認してくださり、どなたでも意見を出してよいというがわかりましたので、お知らせします。

 今回、「PrEPの診療指針・要旨(案)」および「国内承認後の実施体制(案)」という2つの文書が掲載されました。
 「PrEPの診療指針・要旨(案)」は、「期待できる効果」「PrEPで使用する薬剤および内服方法」「PrEPの対象」「処方日数」「副作用」「必要な検査と頻度」「薬剤耐性の問題」「PrEPと性感染症」という章立てで、医学的・薬学的な専門的な話がメインとなっています。(この文書の中のTDF/FTCはツルバダと呼ばれる薬、TAF/FTCはデシコビと呼ばれる薬のことです)
 「国内承認後の実施体制(案)」のほうは、「クリニックでの実施例と課題」「PrEP承認後の国内での実施体制案および整備すべき点」という章立てで、アドヒアランス(ちゃんと薬を飲み続けられるか)の課題や、ちゃんと病院やクリニックに定期的に通えるか、正しい情報をいかに届けるか、薬が高い問題、などが検討されています。「整備すべき点」のなかで、「コミュニティ(ハッテン場やアプリも含む)に向けた情報提供を行なうことが喫緊の課題である」と書かれているのがうれしかったです(この記述からもわかるように、主にゲイ・バイセクシュアル男性(MSM=men who have sex with menと書かれているのはそういう意味です)のためにこのように一生懸命検討してくださっているわけで、胸が熱くなります)
 
 なお、少なからず専門的で、読み込むのが難しい部分もある文書を、少しでもみなさんにわかりやすく伝えようということで、aktaさんが内々の勉強会を開いた際の一部分を動画でアップしてくれました。ぜひご覧ください。

 意見募集は3月末までで、所定のフォームに記載のうえ、メールで学会事務局宛に送る仕組みです。詳細はこちら(もともとエイズ学会員のための意見募集ですので、フォームには住所や氏名が必須と書かれています…。それはちょっと困る!という方は、無視して匿名で送ってしまってもよいと思います、ここだけの話)
 ゲイ・バイセクシュアル男性のHIV予防にとって、非常に重要な手段となるPrEP。これまでは未承認だったので、ある意味アンダーグラウンドなものだったのですが、今後、薬事承認された後、どのように具体的に現実化するのか、についての貴重な意見表明の場になりますので、ちょっとでも、なんでもよいので、送ってみてください(薬が高いのは困る、とか、地方在住者でも利用できるようにしてほしい、とか、いろいろあると思います)

 
参考記事:
日本エイズ学会がPrEPに関するガイドライン案のパブリックコメントを行っています(akta)
https://akta.jp/information/3920/


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