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“家族ができない同性愛者”を排除するための闘い…自民比例・井上義行候補の発言が波紋を呼んでいます

2022年07月04日

 参院選の比例区に自民党から立候補している井上義行氏が6月22日、出陣式で「外国からの勢力によって」「同性愛とかいろんなことでどんどん可哀想だと言って」「家族ができないで、家庭ができないで、子どもたちは本当に日本に本当に引き継いでいけるんですか」「その闘いでもあります」と演説したことが波紋を呼んでいます。


 井上氏は内閣参事官補佐や内閣総理大臣首席秘書官を歴任し、第一次安倍晋三内閣では内閣総理大臣首席秘書官を務めた人物。2019年の参院選では比例区で出馬し、落選しています。
 井上義行氏ご自身のYouTubeチャンネルに、6月22日の出陣式での演説の動画が掲載されています。7分50秒〜の部分でこう述べています。
「今私は分岐点だというふうに思っています。なぜ分岐点か。それは今まで2000年培った家族の形が、だんだんと他の外国からの勢力によって変えられようとしているんです。昔は皆さん、考えてみてください。おじいちゃんおばあちゃんやお孫さんと住んだ三世代を。その時は社会保障そんなに膨れてこなかった。でも核家族だ、核家族だ、個々主義だ、こういうことを言っている。そしてどんどんどんどん、僕はあえて言いますよ、同性愛とかいろんなことでどんどん可哀想だと言って、じゃあ家族ができないで、家庭ができないで、子どもたちは本当に日本に本当に引き継いでいけるんですか。しっかりと家族を産み出し、そして子どもたちが多く日本にしっかりと産み育てる環境を私たちが今作っていかなければいけないと思いませんかみなさん。その闘いでもあります」

 多くの方が指摘しているように、先日の神道政治連盟の冊子の内容や、これまでの自民党議員の“生産性がない”発言や“足立区が滅ぶ”発言などとも呼応するひどく差別的な発言です。しかも“家族ができない同性愛者”を「可哀想だ」と容認してはいけない、これは「子どもたちが多く日本にしっかりと産み育てる環境を」作るための「闘い」だとする(同性愛者の排除を堂々と宣言する)攻撃的な主張でもあります。
 
 LGBT法連合会事務局長の神谷悠一氏は、「あまりに短絡的で、差別的だ」と批判しています。
「家族を作るか、子どもを作るかで優劣をつけるのは優生思想的だ」
「同性カップルを念頭に『子どもを作らない、つまり生産性がない』などと主張し、批判を浴びた杉田水脈氏の過去の寄稿にも通じる」
「同性愛者や、様々な理由で子どものいない世帯を少子化のスケープゴートにしているとも受け取られかねない発言。今回は加えて、核家族すら槍玉にあげているように見える」 
「すでに子育てをしている同性カップルや、子どもをもたない選択をした家庭の実態をはじめ、現実に生活する多くの人々の姿が見えていないのではないか」
 
 SNS上でもたくさんの批判の声が上がっています。

 

 先日の神道政治連盟の冊子のこととあわせて、大手メディアはきちんとこの差別発言のことを取り上げ、問題化していただきたいですね。

参考記事:
「同性愛とか色んなことで可哀想だと言って…」自民比例・井上義行候補の発言に波紋(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62c186b8e4b065b10ad5ddc9
自民党のLGBT差別は冊子配布だけでない! 安倍元首相の子飼い候補が街頭演説で「同性愛者」攻撃、なんと安倍がその動画を拡散(リテラ)
https://lite-ra.com/2022/07/post-6207.html

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