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【同性パートナーシップ証明制度】茨城県と佐賀県が都道府県として初めて連携協定を結びました、その他、奈良県や埼玉県の動きもご紹介

2022年08月20日

 8月18日、「パートナーシップ宣誓制度」を県として導入している茨城県と佐賀県が連携協定を結んだことを発表しました。都道府県間での連携協定は初めてのケースです。

 連携によって、制度を利用するカップルが2県間で引っ越す場合、受領証などを返還し、再度転入先で宣誓を行なう手続きが不要となり、転出手続きをするだけで転入先の自治体から受領証が送られてくるようになるそうです。利用者の負担軽減につながります。単に手間が減るということだけでなく、地元の役所で宣誓を解消したり引越し先であらためて宣誓したりするたびに「誰か知っている人に同性パートナーの存在がバレたり、アウティングされるのではないか」といった不安を感じる方もいるそうで、そうした精神的な負担の軽減にもつながるといいます。

 両県とも、制度を利用したカップルは、公営住宅の入居の申込みや医療機関での面会などの際に家族として扱ってもらえるようになっています。佐賀県は特に、県内全20市町と協定を結び、市町営住宅への入居も認められるようになっていますし、佐賀市では軽自動車税種別割の減免、水道料金や下水道使用料等の各種証明書等の申請、保育施設に入所を希望する場合の申込手続きなどの利用も認められます(詳細はこちら

 連携を呼びかけた茨城県の大井川和彦知事は、「性的少数者や外国人が住みよい町になることが地方の力になるという思いは同じ。お互い勉強しあって高めあえれば」として、11月にも導入見込みの東京都をはじめ他県とも連携を進める考えを示しました。佐賀県の山口祥義知事も「県で最初に制度を導入した茨城県と協定を締結できるのは大変うれしい。今後の全国展開の弾みになってほしい」と語りました。

 3年前に茨城県の制度の認定を受けた水戸市議会議員の滑川友理さんは、「制度の申請には書類の用意など時間や手間がかかって簡単ではないし、人によっては友人や勤務先にも言っていないなかで負担に感じる場合もある。県どうしの連携によって、何度も申請する必要がなくなるのはとてもよいことです」「パートナーシップ宣誓制度を利用することで行政サービスだけでなく民間の配偶者や家族向けのサービスを利用しやすくなります」「制度が導入されていない自治体もあり、住んでいる場所によって幸せの形が違うことは課題だと感じています。この連携をきっかけにして全国どこでも同じ待遇を受けられるようになってほしいです」とコメントしています。

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 都道府県の動きとして、ほかにも、奈良県が8月1日、パートナーシップ証明書があれば同性カップルも親族として県営住宅への入居を認めることを県人権施策協議会の会合で報告しました。奈良県内では大和郡山市、奈良市、生駒市、天理市で制度が導入されています。
 近畿地方ではすでに、大阪府、三重県、和歌山県、兵庫県で、府営/県営住宅への入居が実現しています。
 
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 それから、埼玉県で、県としてのパートナーシップ・ファミリーシップ制度導入を要望する方が、個人として署名キャンペーンを立ち上げました。この方は女性で、パートナーが法的性別変更をしていないトランス男性で、戸籍上は同性カップルです。3年前、病で倒れて緊急搬送された際、パートナーの方は家族として認められず、病状を聞くこともお見舞いに行くこともできず、再会できたのは搬送されてから15日後のことだったそうです(涙が止まらなかったそうです)。このときは無事に退院して再会することができましたが、もしまたお互いに何かあったら…と考えるたびに不安になるといいます。埼玉県では全63自治体のうちすでに36自治体で制度導入が実現していますが、お二人が住む自治体ではまだで、やはり県として導入してほしいということで、この署名を始めたそうです。ぜひご賛同をお願いいたします。



参考記事:
全国初「パートナーシップ宣誓制度」茨城県と佐賀県が連携協定(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20220818/1070018221.html
転居先で手続き簡素化 同性カップルなど公認「パートナーシップ宣誓制度」佐賀・茨城が協定【佐賀県】(サガテレビ)
https://www.fnn.jp/articles/-/405087
茨城と佐賀、パートナーシップ宣誓で連携 都道府県で初(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC186T50Y2A810C2000000/
県と佐賀県「パートナー制度」で協定 転居後の手続き簡略化 郵送可能「アウティング」防止にも/茨城(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20220820/ddl/k08/010/096000c
パートナー制度 茨城と連携 引っ越し手続き簡素化(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/saga/news/20220818-OYTNT50138/
茨城県と佐賀県 パートナー宣誓で連携 全国初 転入出手続き簡素化(茨城新聞)
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16608215657901

証明書類あれば同性パートナーの県営住宅入居対応 奈良県が人権施策協で報告(奈良新聞)
https://www.nara-np.co.jp/news/20220802213716.html

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