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同性カップルの結婚を祝福するシーンも盛り込まれた佐賀県のPR動画「Start in Saga」が「消費者が選んだ広告コンクール」グランプリを受賞しました

2023年01月16日

 佐賀県が「子育てし大県“さが”プロジェクト」の一環として制作したPR動画「Start in Saga」が、日本アドバタイザーズ協会(JAA)の広告賞「消費者が選んだ広告コンクール」のデジタル広告部門でグランプリを受賞しました。

 動画は、結婚式を挙げたカップルや育児休業から職場復帰した女性、ゲイカップルなどをたくさんの人が祝福し、人生の新たなスタートを応援するものです。結婚式で「ゴールインおめでとう」という言葉に新婦の方が疑問を感じたところから始まり、県の人がレッドカーペットをどんどん街中に広げていき、人混みで歩きにくそうにしている妊婦さん、ゆっくりと茶畑を歩くご夫婦、車椅子のご家族、育児休業から職場復帰した女性、お城のような建物で結婚式を挙げるゲイカップル、独りで楽しそうにレッドカーペットを歩く人など、様々な方たちの幸せを祝福していく感動的な映像です(音楽も素敵です)
 プレスリリースでは、「最初は「結婚っていいな」「家族っていいな」と思ってもらうことで、結婚を後押しするキャンペーンを実施しようと考えておりました。しかし、結婚することが幸せのゴールではなく、結婚だけが幸せのかたちではありません。そのため、子育てし大県“さが”プロジェクトや「佐賀県パートナーシップ宣誓制度」をはじめ、佐賀県で暮らす幸せな家庭を増やすために、様々な取組みを行う姿勢・行っていく未来への姿勢を表明する動画を制作しようと決めました」と述べられています。男女の夫婦やその家族に幸せを限定するような異性愛規範的なメッセージではなく、多様な人たちの幸せをサポートしていこうとする姿勢こそが、感動を呼び、評価されたのでしょう。
 時間的には一瞬ですが、ゲイカップルの結婚式のシーンも盛り込まれています。そのロケ地が素敵で、この映像の中でも最も瀟洒な、まるで中世ヨーロッパにタイプスリップしたかのようなお城のような建物です(有田ポーセリンパーク内のツヴィンガー宮殿という場所だそうです)。お二人がタキシードではないカジュアルな服装なのもいいですし、顔が見えないところも含めて、リアルなゲイカップルなのかな?と思わせます。
 

 
 今回受賞した「消費者が選んだ広告コンクール」の広告賞は、生活者の視点から優れた広告を表彰しており、一般消費者が審査に加わっています。新聞広告、テレビ広告、デジタル広告部門など6部門があります。デジタル広告部門には全部で223点もの応募があったそうですが、この佐賀県の動画が見事にグランプリに輝きました。審査員からは「行政である佐賀県から『結婚はゴールではない』という強いメッセージが生まれてくるのがすてき」「佐賀県として全ての人を幸せにするサポートを推進していこうとする気持ちが強く感じられた」などと評価されました(「全ての人」という言葉から、おそらく同性カップルのシーンがあったことも高評価につながったと思われます)


 佐賀県は、九州で初めて県として同性パートナーシップ証明制度を導入しただけでなく(全国でも4例目)、全国で初めて、県内の全20市町と個別に協定を締結し、県で宣誓を行なったカップルが、各市町の行政サービス(市営住宅への入居の申込みや、市立病院での面会等)における家族と同様の対応が保障されるようにしました(詳細はこちら)。昨年には、都道府県間では初めて、茨城県と連携協定を結びました。
 このように熱く同性カップルをサポートしてきた佐賀県ですので、今回、結婚をめぐるPR動画に同性カップルを含めたのは当然の成り行きだったのでしょう。
 
 

参考記事:
「結婚はゴールではない」 佐賀県PR動画が広告賞グランプリ 「Start in Saga」(佐賀新聞)
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/975485
第60回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール 消費者の「心に響いた」広告が決定(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000079453.html

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