g-lad xx

NEWS

「社会が変わってしまう」発言に対してピンクドット沖縄が声明、「結婚の平等を認める社会全体の雰囲気醸成のため力を注ぎ続けます」

2023年02月03日

 2月1日、岸田首相が衆院予算委で同性婚の法制化について「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ。社会全体の雰囲気にしっかり思いを巡らせた上で判断することが大事だ」と述べた件に対し、2日、ピンクドット沖縄が声明を発しました。
 

「同性婚に関する昨日の岸田首相の発言を受けて」

 岸田首相は衆院予算委で、同性婚などに関し「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ。社会全体の雰囲気にしっかり思いを巡らせた上で判断することが大事だ」と述べました。
 社会の雰囲気を何で測るのか?色んな見方があるかと思いますが、世論調査は1番わかりやすい視点だと思います。そこで2021年に全国紙が行った世論調査のデータを調べました。結果は以下のとおりです。
 「朝日新聞社の電話世論調査で同性婚について尋ねたところ、「認めるべきだ」が65%に上り、「認めるべきではない」22%を大きく上回った。さらにデータを自民支持層に絞ってみてみると57%が「認めるべきだ」と答え、「認めるべきではない」32%を上回った。」
 これが今の社会全体の雰囲気です。
 ちなみに岸田内閣の最新の支持率は35%。これも今の社会の雰囲気です。
 岸田首相の発言には正直心が折れそうになりましたが、ピンクドット沖縄ではめげることなく、結婚の平等を認める社会全体の雰囲気醸成のため力を注ぎ続けます。


 ピンクドット沖縄はホテルパームロイヤルNAHA代表取締役総支配人の高倉直久さんをはじめ、アライの方たちが中心になって活動しているプライドの団体ですが、一昨年、LGBT法案が国会提出を見送られた件についても「実に残念な結果」「今の日本社会はLGBTQへの理解がまだまだ低く、当事者が生きづらい社会である事が証明された」とコメントしたり、昨年の神政連による差別的な冊子の配布に対して「科学的根拠もない非科学的な事実誤認を正当化するような原説に強く抗議致します」との抗議声明を発するなど、他の団体に勝るとも劣らない踏み込んだコメントや声明を発し、LGBTQコミュニティを力強く支援してくれています。実に素晴らしいです。ありがとうございます。


【追記】
 ピンクドット沖縄は7日、荒井元首相秘書官の「見るのも嫌」などの差別発言についても声明を発しました。

[岸田政権の人権意識の低さにがっかり]
 岸田首相の同性婚に対する消極的な発言に端を発した秘書官の更迭騒ぎを見ていて、我々の認識とのあまりのギャップに力が抜けてしまいました。
 岸田首相は同性婚について「社会全体の雰囲気、全体のありようにに思いを巡らせ判断する」と発言されましたが、荒井前秘書官の発言からいみじくも政権中枢に漂う雰囲気が国民に伝わってしまいました。更迭されたのは荒井元秘書官だけですが、報道によるとその場にいた他の秘書官も同様の認識を示したそうです。
 同性婚に関しては現在進行形で日本初の同性婚裁が行われており、すでに第一審の判決が出た3つの地方裁判所のうち2か所で、「同性婚を認めないのは平等原則に反している」、「(法制度がない事は)個人の尊厳に照らして合理的理由はない」という憲法違反の判決が出ています。
 更に、東京地裁の判決では「立法府において十分に議論、検討がされるべき」と立法府が積極的に動く時期に来ている事を指摘しています。その立法府、つまり国会で起こった今回のお粗末な出来事は当然厳しく糾弾されるべきであり、岸田首相は裁判の記録にしっかり目を通して次の発言に細心の注意をはらう必要があります。
 国民は見ています。
 ピンクドット沖縄では今回の荒井前秘書官の発言に抗議し、引き続き「結婚の自由をすべての人に訴訟」の原告団との連帯を強くして参ります。

INDEX

SCHEDULE