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LGBTQ+ろう者の全国組織が設立されました

2023年04月15日

 4月6日、日本ろうLGBTQ+連盟(野村恒平代表)が設立されました。東北、関東、九州・中国、沖縄の7つの当事者団体が連携し、孤立しがちなろう者のLGBTQ+を支援し、地域のコミュニティを活性化していくことを目指します。


 設立に際し、公式Twitterに以下のようなコメントが掲載されていました。
「日本ろうLGBTQ+連盟は、2023年4月6日に設立いたしました。全国のろうLGBTQ団体等の当事者が協同し、運営していきます。
 活動を通じて、地域のコミュニティを活性化し、そして促進することを目的としています。これまでに引き継がれてきたろうLGBTQ+コミュニティを守り、この歴史に対する誇りを持ち、誰もが安全に安心して暮らせる社会を目指します。
 当連盟はこれから日本社会の発展に寄与し、邁進していく所存でございますので、今後とも一層のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」

 朝日新聞には、連盟の理事を務めるトランス男性のモンキー高野さん(1月の「ハートネットTV #ろうなん 1月号 知ってほしい!LGBTQのこと」にも出演していました)をフィーチャーする記事が掲載されました。
 高野さんは幼いころから性別違和を抱き、小学生まではズボンばかりはいていましたが、中高生時代は、セーラー服を苦痛に感じながらも、いじめられたくないと思い、我慢して着ていたといいます。20歳を過ぎて、家族にカミングアウトし、お父さんは何が起きたか理解していない様子で、お母さんは手話で「気持ち悪い」と返してきたそうです。「やっぱり、わかってもらえない…」とショックを覚えましたが、トランス女性の友達が支えてくれました。高野さんは「トランスジェンダーの仲間がいなければ、あきらめて男性と結婚していたかもしれない」と語ります。27歳のころ、手話通訳士の高島由美子さんに出会い、2015年には世田谷区の同性パートナーシップ証明制度の第1号カップルとなりました。一緒に暮らして25年ですが、戸籍上は女性どうしになるため、法的には結婚できていません。
 聞こえない人も聞こえる人も性的マイノリティであることの困難は変わらない、ただ「ろう者のコミュニティは狭く、カミングアウトがより難しい面はある」と高野さんは語ります。「私は支えてくれる仲間がいたから生きてこられたが、自殺を考えている人もいるかもしれない。かつての自分のように、悩んでいる人の力になれれば」「ろう者のLGBTQ+が相談できる窓口をつくり、『あなたは独りじゃない』と伝えたい」 
 
 
 日本ろうLGBTQ+連盟は5月27日に新宿区で設立記念パーティを開きます。今後、勉強会を開いたり相談活動をしたりする予定で、活動を広げるため、当事者でない人にも寄付を募っています。詳細は、公式サイトをご覧ください。

 


参考記事:
ろうの性的少数者、つながろう 団体設立、相談・交流めざす(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15610338.html


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