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日刊スポーツ映画大賞で『エゴイスト』の鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんがW受賞

2023年12月28日

 12月28日、日刊スポーツ映画大賞で『エゴイスト』の鈴木亮平さんが主演男優賞に、宮沢氷魚さんが石原裕次郎新人賞に輝き、劇中でゲイカップルを演じたお二人がW受賞を果たしました。


 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞は、1988年に設立された日刊スポーツ新聞社が主催する映画賞で、特に昭和を代表するスター・石原裕次郎さんの名を冠した石原裕次郎新人賞は緒形直人さんや加藤雅也さんなど錚々たる俳優が受賞してきた栄誉ある賞です。今回、宮沢氷魚さんが『エゴイスト』や『はざまに生きる、春』で石原裕次郎新人賞に輝きました。
 宮沢さんは受賞コメントとして「時に自分である時間と役である時間を分離させる必要があるんですけど『エゴイスト』の時は(演じた)龍太に、亮平さんも恐らく浩輔さんになっていた。そこまでのレベルで役が自分に入ってくる感じは初めての経験」と語り、また、鈴木亮平さんとのダブル受賞について「同じ所で賞がもらえるのは、ずっと僕たちが願っていたこと」「また亮平さんと一緒にやりたいんですけど…まだできない。今は自分の中にある『エゴイスト』を味わい、大事にしたい。新しい人物どうしとして役を全うできる時が来たら」と語りました。 

 また、主演男優賞に輝いた鈴木亮平さんは、「20年前の南部オクラホマ州は、皆が優しいけれど、性的マイノリティに関する差別がすごかった。“欧米は進んでいる”と思いがちですけど、保守的な場所もある。日本も日本にあった形で、当事者が自分たちの物語だと思える作品が増えたら、と。その意味で、今回はゲイムービーを成り立たせることが僕たちの一つの使命でした」と語りました。米国の保守的な州での性的マイノリティへの差別について言及しながら、使命感を持ってゲイムービーに携わったというコメントは鈴木亮平さんだからこそで、本当に素晴らしく、さすがだと思わせます。宮沢さんとの同時受賞についても「一緒に受賞できて本当にうれしい」と喜んでいらっしゃいました。
 

 『エゴイスト』は今年2月10日に公開されましたが、総理秘書官から同性愛者に対する差別発言があった直後であり、日本外国特派員協会での記者会見で宮沢氷魚さんは、「今回たくさんの人が声を上げて失言に対しての意見や行動をする姿が見れた。日本の今までの歴史を考えても、とても大きなステップアップ」「世論というか、皆様がたくさん声を上げたということで、日本の未来に希望が見えると思います。とても悲しい出来事ではあるんですけど…それによって、前向きな皆様の意思の強さ、意見を、どんどん発信しようとする姿が見えたと思う。僕は、そこに、もう少し、耳目が集まってもいいんじゃないかなと思います」とコメントしていました(詳細はこちら
 鈴木亮平さんも、神奈川新聞のインタビューNEWS ZEROや、NYアジアン映画祭などで数々の素晴らしいコメントを発してくださいました。
 『エゴイスト』は映画自体も素晴らしかったですが、お二人のこうした発信も素晴らしく、そういう意味でも2023年を代表するゲイ映画になったと思います。
 そんな『エゴイスト』は、先月のTAMA映画賞、今回の日刊スポーツ映画大賞と、順調に受賞を重ねています。今後も3月8日の日本アカデミー賞までの映画賞レースの期間、たくさん受賞しそうですし、本命として走り続け、ぜひ日本アカデミー賞でも受賞してほしいですね。



参考記事:
【映画大賞】宮沢氷魚「ずっと願っていたこと」鈴木亮平とのダブル受賞を喜ぶ/受賞トーク
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202312270001529.html
【映画大賞】鈴木亮平 米国生活もへて「ゲイムービーを成り立たせる事が使命」に/受賞トーク
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202312270001534.html

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