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【婚姻平等訴訟】九州訴訟控訴審が始まり、原告のみなさんが「歴史をよい方向に変える判決を下してほしい」と訴えました

2024年02月21日

 「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟の控訴審が2月19日、福岡高裁で始まりました。昨年6月、福岡地裁は「同性カップルは婚姻制度によって得られる利益を一切享受できず、法的に家族と承認されない重大な不利益を被っている。自ら選んだ相手と法的に家族になる手段を与えていない法の規定は、もはや個人の尊厳に立脚すべきものとする24条2項に違反する状態にあると言わざるを得ない」として、違憲状態であるとの判断を示した一方、婚姻の自由を保障した24条1項などについては合憲とし、損害賠償の請求は棄却したため、原告側が控訴していました。

 19日の初弁論で、福岡市の原告・まさひろさんは、「同性では婚姻ができないため、私たちは法的には他人です。もしも明日こうすけさんが救急搬送され意識不明となったときに、私は、病院からは家族として扱ってもらえるのでしょうか。最愛のパートナーが大変なときに何もできず、手を握ってあげることも、顔を見ることすらも、許されないかもしれません」「世論調査では同性婚への賛成は反対を圧倒的に上回り続けている。これでもまだ社会的承認を得られていないのでしょうか」「愛する人と法的にふうふになりたいと思ったときに、選択肢がないことはおかしいと思います」「高裁には、同性婚ができないのは違憲だという、これ以上先送りにすることを許さない判決を期待しています」と訴えました。
 熊本市の原告・ゆうたさんは「こうぞうさんと私は法律上は赤の他人です。配偶者として取り扱ってくれる人は、誰もが直面する有事の際、誰もいません」「この国、政府与党は、声を上げる当事者がいなくなるのを待っているのかと疑いたくなるほど、自分たちの都合のいいときには都合のいいように文化・人権・法律を切り取って利用し、都合が悪ければ驚くほど冷淡で、無関心です」「司法が、この問題を立法府に丸投げするのではなく、立法府が早急に動き出す必要があるのだ、という正しい判断を出すことが、この国を生きる全ての人にとって利益になると信じています」と、こうぞうさんは「国は、結婚を認めないことで、同性のパートナーとふうふとして生きている人たちを見えない存在にし、偏見や差別を再生産しています」「同性婚法制化について、首相たちは『わが国の家族のあり方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要する』と何年も繰り返しています。同性婚について考えない日がない僕は、僕らの結婚の何が、極めて慎重な、検討を要する、家族のあり方の根幹に関わるのか、何度考えてもわかりません」「少数者の権利について上がる声には、平時も災害などの緊急時も『今は他に優先すべきことがある』と後回しにされ、待っていてはいつまでも順番が来ないことを知っています」「“まずは理解から”と言われますが、法律ができることこそが、何よりも理解の裾野をさらに広げ、僕らを当たり前の存在としてより社会に根付かせていくと思っています。求めているのは、結婚とは違う特別な制度ではなく、平等な結婚の自由です」「訴訟は原告だけのものでなく、僕らの後ろには可視化されていない多くの人生が存在しています」「どうかこの国で、より多くの人が希望を持ち生きていけるように、歴史を良き方向に変える判決を願います」と訴えました。
 国側は、「憲法では同性間の婚姻を想定していない」などと主張し、控訴棄却を求めています。

 弁論を終えた後の記者会見で、こうすけさんは「『目の前にいる人達の人権が今ないがしろにされている、それを救えるのは(裁判官の)あなたたちしかいないんです』ということをしっかり伝えられるように、これからも頑張っていきたい」と語りました。
 また、こうぞうさんは「等身大の人間の姿がみえる言葉を僕らは届けていかないとといけないと自分の中で考えて意見陳述を考えました。改めて言葉にしたり人に思いをのせて伝えるのは非常にしんどい部分もあるなと無意識にこみ上げてくる涙から思いました」と、ゆうたさんは「ニュースで取り上げられなくなったなという実感があります。直接関係ない人には忘れられてしまう、埋もれてしまう。ただ問題はこれは人権問題、人生の問題だと思っているので皆さんの心に常にあってほしいと思っています」と語りました。

 「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟第2回の期日(口頭弁論)は9月2日だそうです。

 以下は控訴審第1回の意見陳述を終えた原告のみなさんと弁護士の方などによるオンライン報告会の模様です。


 
参考記事:
「結婚という選択肢が無いことは明らかに平等ではない」同性婚めぐる訴訟、原告4人が意見陳述(RKB毎日放送)
https://rkb.jp/contents/202402/202402190255/
結婚の自由を求め控訴審始まる 同性カップル"一刻も早く" 福岡高裁(TVQ九州放送)
https://www.tvq.co.jp/news/news.html?did=2024021900000006
同性婚訴訟の控訴審始まる 原告「歴史を変える判決を」1審は「違憲状態」と認めるも賠償請求は棄却 福岡高裁(FBS福岡放送)
https://www.fbs.co.jp/fbsnews/news96zykippboyopkmbhf.html
「可視化されない多くの人生が存在」同性婚認めないのは違憲状態 1審判決の控訴審福岡で始まる(くまもと県民テレビ)
https://www.kkt.jp/nnn/news100dqx6q2lgocajo4v3.html
同性婚「歴史変える判決を」 福岡二審初弁論、原告訴え(共同通信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/310220
同性婚訴訟の控訴審始まる=一審は「違憲状態」―福岡高裁(時事通信)
https://sp.m.jiji.com/article/show/3169113
同性婚福岡訴訟 控訴審始まる 原告「平等な結婚の自由」訴え 第1回口頭弁論(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240220/ddl/k40/040/217000c
同性婚訴訟控訴審、原告「立法進める動きない」…福岡地裁は「違憲状態」と判断も賠償棄却(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240220-OYTNT50040/
男性カップル2組「多くの人が希望を持てる判決を」 福岡高裁で同性婚訴訟控訴審始まる(西日本新聞)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1180446/
同性婚「歴史変える判決を」 福岡控訴審、初弁論で原告訴え(熊本日日新聞)
https://kumanichi.com/articles/1332969

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