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『おっさんずラブ-リターンズ-』に出演した俳優の坂口涼太郎さんが同性婚実現を求めるメッセージを投稿

2024年03月09日

おっさんずラブ-リターンズ-』の最終回が3月1日に放送されましたが、この最終回に出演した俳優の坂口涼太郎さんが婚姻平等(同性婚)の実現を求めるメッセージをX(Twitter)とInstagramに投稿し、反響を呼びました。



 『おっさんずラブ-リターンズ-』は、春田と牧が念願の同棲生活をスタートさせ、でも家事分担やなんかでケンカしたりして、ハウスキーパーを頼むことにしたが、なんとそれは黒澤武蔵だった、といった具合に、恋愛から家族にテーマがシフトしつつ、次から次にドタバタが起こるような、男どうしのラブコメディでした。
 しかし、2018年の『おっさんずラブ』ではるたんと牧、黒澤部長が繰り広げた、後ろめたさを微塵も感じさせない清々しいまでに堂々とした直球の純愛劇に胸を踊らせ、歓喜したファンの方たちの中には、今回の『リターンズ』を手放しで賞賛するわけにはいかなかった…と感じた方も多かったようです。
 特に第6話で春田が「俺たちの場合、婚姻届を出すとか、そういうものがあるわけじゃないんで」と言い、武川部長が「そうだな。ただ世間一般の夫婦のように法的な根拠があったとしても、その愛が永遠に保証されるわけじゃない。お前たちのように仲間の祝福を受けるだけでも、俺は十分だと思う」と言ったことで、同性カップルが結婚したくてもできない現状を変えるどころか追認してしまっている番組側の姿勢が明らかになり、厳しい批判の声がたくさん上がりました(苔さんという方がブログで「「おっさんずラブ」卒業論文 ──「リターンズ」における同性カップルの描き方」という記事を上げていますが、このような今回の『リターンズ』の問題点が見事に分析されていて素晴らしいです。ぜひ読んでみてください)
 
 一方、最終回に(春田をヘッドハンティングしようとするゲイっぽいリーマンの役で)出演した俳優の坂口涼太郎さんが3月1日、自身のX(Twitter)とInstagramで、以下のようにコメントしました。
「早く誰でも最愛の人と法的に家族になれますように。”結婚”でしか財産や命や大切な権利をパートナーに託せないのに男女しか結婚できないこの島の婚姻制度が変わりますように。まあ必ず変わるけどね!だって『#おっさんずラブ』大人気なんでしょう?これはファンタジーじゃないんやで」
 この投稿には1.1万件のいいねがつき、「素敵」「ひとりでも世の中から淘汰される事がない社会になりますように」といったコメントが寄せられました。ハフポストでニュースにもなりました。
 坂口さんは、婚姻制度が愛するパートナー(家族)に財産や命や大切な権利を託すための制度であることを踏まえたうえで(制度の本質を的確に理解してないと、なかなかこのように書くことはできないと思いま)、同性カップルが婚姻制度から排除されていることの不条理と、そのような構造的な差別を変えていかなくてはいけないというメッセージを簡潔に伝えています。そして、世間で『おっさんずラブ』という男どうしの恋愛やパートナーシップ(と言ってよいと思います)を描いたドラマがこんなに人気を博しているわけだから、同性婚についての理解や支援が得られないはずがないと、『おっさんずラブ』で描かれていたような同性カップルの恋愛やパートナーシップは決してファンタジーなどではなく、現実にこのような同性カップルが日本にたくさん暮らしているんだよ?と語っています。短い文章の中に重要なメッセージを無駄なく、効果的に盛り込んだ、素晴らしいコメントでした。

 
 
 ちなみに、同時期にNHKで放送されていた女性どうしの愛を描いたドラマ『つくりたい女と食べたい女』は、公式Xアカウントが#物語のままで終わらせないというハッシュタグで「結婚の自由をすべての人に」(同性婚訴訟)を応援してくれていました。(原作者のゆざきさんもトランス差別反対の投稿をXのいちばん上に固定表示しています。素晴らしいです)
 今後、日本でも、このような作り手が増えていくことを期待します。

 

参考記事:
坂口涼太郎さん「誰でも最愛の人と法的に家族になれますように」。結婚の平等求める投稿に共感相次ぐ(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_65ea68d7e4b026052a52d9a6

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