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『94歳のゲイ』の長谷さんがパレードに参加しました

2024年04月23日

 こちらのニュースでお伝えしていた通り、映画『94歳のゲイ』の長谷忠(はせただし)さんが21日、TRPのパレードに参加しました。長谷さんは「Marriage For All Japan」フロートの最後尾で、車椅子に乗ってパレードしていました。

 TBSのニュースによると、長谷さんが東京に来るのは人生で初めてだそうで、「こんなに人が多いとは思ってなかった。日本って広いな」と語っていました。
 日本では1990年代まで同性愛が“異常性欲”などとして扱われ、治療が可能な精神疾患とされてきて、長谷さんは(ゲイ雑誌は読んでいたものの)誰かと出会うということもなく、恋愛もセックスもせず、誰にも言わずに生きていました。長谷さんは80年代後半に一度、「黙ってゲイで生きていても寂しいなと思ったから、やってみようと思って」ゲイの権利向上を目指すグループに入り、同性愛者への理解を求める御堂筋でのデモに参加したそうです。しかし、周りが若い人ばかりで居心地の良い場所ではなかったと語っています(本当に80年代に同性愛者への理解を求めるという趣旨のデモがあったのだとしたら、94年のパレードが初という歴史が書き換えられることになると思うのですが、これ以上の詳細が不明で…少なくともインターネット空間には何も情報がないです。もし何かご存じの方がいらしたら、教えてください)
 4月21日、95歳になった長谷さんは30年以上の時を越えてパレードに参加し、「Marriage For All Japan」フロートの最後尾で、車椅子に乗ってパレードしました。沿道で声援を送る人たちを見て「こんなに多くの人が理解してくれてるんやな」とつぶやきながら、笑顔でレインボーフラッグを振っていたそうです。「僕が大阪でデモをしたときは若い人ばっかりやった。でも今日は中高年のゲイが多いことにびっくりした。仲間がたくさんいることがわかった。初めてこんなにたくさんの人を見た」
 
 長谷さんはパレードの前日、ポレポレ東中野で『94歳のゲイ』の初日舞台挨拶に登壇しました。長谷さん登壇の2回は完売となったそうで、満席の観客に向かって長谷さんは「本当にありがとうございました。ありがとう(の言葉)以上だね。よう集まってくれたな。後悔してへん? そうでなかったらいいけど……よくこれだけのお客さんが来おったな、どうしたらいいのかわからへんわ」と、笑顔で戸惑いと喜びをあらわにし、「みんなこれからも元気で、長生きするんやで」と語ったそうです。


映画『94歳のゲイ』 
 男が好きということを「絶対に言われへん」時代を生き、ずっと思いを胸に秘め、セックスすらせず、90近くなるまで誰にもゲイだと知られずに孤独に生きてきた長谷忠さんの人生を追ったドキュメンタリー映画です。2022年にMBSで放送された「93歳のゲイ~厳しい時代を生き抜いて~」が大きな反響を呼び、2023年にはTBSドキュメンタリー映画祭2023にて関西限定上映され、今回は追加撮影の素材も加えた90分の再編集版『94歳のゲイ』として劇場公開されます。

94歳のゲイ 
2023年/日本/90分/PG12/監督:吉川元基
4月20日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開


 
参考記事:
「仲間はたくさんいる」人生初の東京でパレードに参加した高齢のゲイ 沿道を見てつぶやいたこと(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1130259

「94歳のゲイ」長谷忠さんが初めての東京で舞台挨拶「みんな長生きするんやで」 「薔薇族」伊藤文学編集長とも対面
https://eiga.com/news/20240420/12/

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