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『ウィキッド』エルファバ役のシンシア・エリヴォがLGBTセンター・ガラでパワフルなスピーチを披露しました

2024年05月22日

　映画『オズの魔法使い』の前日譚で日本でも人気を博してきたミュージカル『ウィキッド』が映画化され、全米で今年11月27日に公開されますが、アリアナ・グランデと並んでこの映画に主演し、西の魔女エルファバを演じているシンシア・エリヴォが5月18日（現地時間）、ロサンゼルスLGBTセンター・ガラにて名誉ある賞を贈られ、「ここで皆さんの前に立つにあたり、坊主頭でピアスをした黒人のクィアとして、人と違う存在であることについて、いくつかお話できることがあります」と力強いスピーチを行なったことが、ニュースとして伝えられています。
　
　オープンリーゲイとして初めてロサンゼルス市裁判所の判事となった活動家のランド・シュレーダーの名を冠したシュレーダー賞は、世界最大級のLGBTQ組織であるLGBTセンターが、その人のフィールドで目覚ましい活躍を見せながらLGBTQコミュニティにも貢献してきた人に贈る賞です。
　これまでにエミー賞、グラミー賞、そしてトニー賞も受賞している英国のシンガーソングライターで、2022年にバイセクシュアルであることをカミングアウトしたシンシア・エリヴォは、今回、エンターテインメント業界での功績とLGBTQ+コミュニティ支援の活動を称えられ、シュレーダー賞を受賞しました。
 『マトリックス』シリーズのナイオビ役で知られるジェイダ・ピンケット・スミスからトロフィを受け取ったシンシア・エリヴォは、「エルファバの物語は、カラフルで力強い魔法を持った女性が、軽蔑され、悪魔の如く言われ、そして差別されていたにも関わらず、一人のヒーローになる様を描くものです。映画『ウィキッド』では彼女に貼られたレッテルを掘り起こし、イメージを新たにしています。人と異なる力を持つ彼女の存在を認め、高らかに讃えるのです。ここにいるカラフルでマジカルな皆さんにとって、これはなじみのある物語かもしれません」と語りました。
「私は長い間、クィアであることをまるでフェザーボアのように纏い、本当の自分を体現している人々に深く感銘を受けてきました」
「まるで、LGBTQ+コミュニティをガラスの箱の中から見つめているような気持ちを抱いていました。しかし今、そのガラスは粉々に壊れ、私は広く開放的な空間へと踏み出しました。そこは私にとって、『ホーム』のような場所です」
「黒人で、スキンヘッドで、ピアスをしていて、そしてクィアである私が言えるのは、『他者』としての経験が少なからずあるということ。エルファバのストーリーは、抑圧の中で個性や『他者性』を貫くことが、時にどんな意味を持つのかについての教訓的な物語になっています」
「どうか、反逆し、自分らしくあり続けてください。また、ありのままの姿で生きることを、周りの人々に促してください。人間は時に、少し背中を押してもらうことが必要なのです」
　
　ミュージカル『ウィキッド』は、素敵な力を持っているにもかかわらず、全身緑色という個性的な見た目であるがゆえに人々から疎まれ、悪魔化され、“悪い魔女”とされてしまうエルファバと、彼女の親友であるグリンダの友情の物語で、（ドラマ『glee/グリー』でレイチェル＆カートも歌っていた）「Defying Gravity」のような名曲とともに、世界中のミュージカルファンを魅了してきました（ゲイのファンも多いと思います）が、シンシアが語ったように、今回の映画版『ウィキッド』は、エルファバがどのように人々から色眼鏡で見られ、差別され、スティグマを付与されるようになったかということや、そんな彼女が持つ素晴らしい力を讃えるような物語になっていて、明らかにLGBTQコミュニティ（や様々な社会的マイノリティ）への支援のメッセージとなっているようです。

　このシンシア・エリヴォのスピーチと同じ頃、映画版『ウィキッド』第1部の公式トレーラー第1弾が公開されました。これだけでもちょっとウルっときてしまうような、素晴らしい映画になること間違いなし！と確信させるトレーラーです。

　グリンダ役でアリアナ・グランデ、エルファバ役でシンシア・エリヴォ、二人の間で揺れる王子フィエロの役でドラマ『ブリジャートン家』のジョナサン・ベイリー（ゲイの俳優です）、校長の役でエブエブのミシェル・ヨーが出演しているほか、グリンダのクラスメートの役で『ファイアー・アイランド』のボーウェン・ヤンも出演しています。これって完全にゲイのためのキャスティングよね？と思わざるをえません。
　監督は映画『クレイジー・リッチ！』『イン・ザ・ハイツ』などで注目を集めたジョン・M・チュウ。『ウィキッドは2部構成で、今回の第1部は今年11月27日に、第2部は2025年12月25日に全米で公開されることになっています。日本での公開が待ち遠しい！ですね。　
 
　

参考記事：
シンシア・エリヴォ、映画『ウィキッド』エルファバ役への思いを語る ―「私が演じることになったのは必然」（The Hollywood Reporter Japan）
https://hollywoodreporter.jp/movies/45672/
シンシア・エリヴォ、「坊主頭でピアスをした黒人のクィア」としてLGBTQ＋コミュニティに向け力強いスピーチ（VOGUE）
https://www.vogue.co.jp/article/cynthia-erivo-los-angeles-lgbt-center
アリアナ・グランデの映画『ウィキッド』、公式トレーラーが公開　シンシア・エリヴォ演じるエルファバとの出会いのシーンも（ELLE）
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a60803957/ariana-grande-cynthia-erivo-new-wicked-trailer-240516/
Cynthia Erivo Named Among Honorees At Los Angeles LGBT Center Gala（ESSENCE）
https://www.essence.com/entertainment/cynthia-erivo-la-lgbt-center-honors/
Cynthia Erivo opens up about her 'shattered' glass closet at LA LGBT Center gala（Out）
https://www.out.com/celebs/cynthia-erivo-la-lgbt-center-gala-speech

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