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台北市がLGBTQテーマのバスツアーを実施、ドラァグクイーンがバスガイド

2024年09月28日

 台北市政府観光伝播局は26日、LGBTQをテーマにしたバスツアーを実施すると発表しました。文化や音楽、映画に焦点を当てた3つのコースが設定され、いずれもドラァグクイーンらがガイドを務めるそうです。
 
 ツアーは10月26日の台湾同志遊行(Taiwan LGBT+ Pride)を前に、10月5日から25日まで実施されるそうです。
 二二八和平記念公園※1や西門紅楼※2、総統府などLGBTQ権利擁護運動の軌跡をたどる文化コース、アライとして絶大な人気を誇る歌手のアーメイ(張恵妹)、ジョリン・ツァイ(蔡依林)、エルバ・シャオ(蕭亜軒)らの楽曲を聞きながら市内を回る音楽コース、映画「花蓮の夏(盛夏光年)」や「藍色夏恋(藍色大門)」などのロケ地を訪れる映画コースがあるそうです。

 26日に開かれた記者会見で、過去に実施された同様のツアーでもガイドを務めた経験のあるドラァグクイーンの郭濬瑋さんは、毎年参加者と交流するなかで感動や誇りを感じていると語り、台湾人の尊重と優しさに感謝を示しました。
 観光伝播局の薛秋火副局長は、LGBTQツーリズムを台北市の特色あるブランドにし、国内外からの旅行客に台北のフレンドリーさと包容力、多様な魅力を感じてもらいたいと語りました。

※1 二二八和平記念公園は、台湾文化庁も「この公園は同性愛男性たちが集まる場になっていました。作家の白先勇が、小説『孽子(ニエズ)』でこの公園を舞台にした同性愛者の物語を描いています」と公式サイトに記しているように、遅くとも70年代にはゲイのたまり場(ありていに言えばハッテン場)になっていました。そんなハッテン公園を政府や台北市がLGBTQの運動の歴史における重要な場所と位置づけているところが本当にスゴいと思います(日本で政府や東京都が権田原や上野公園、新木場公園などをそのように扱うなんて考えられないですよね…)

※2 西門紅楼(Ximen Red House)は、もともと台湾初の公設公営市場として1908年に建てられた歴史的建造物ですが、その南側の広場が多数のゲイバーやショップが軒を連ねるオープンカフェのようなエリアになっています。プライドの時期にはフェスのようなイベントも開催されますし、紅楼の劇場空間でクラブイベントが開催されたりもします。こちらの記事によると、80年代にはここにあったポルノ映画館にゲイが集まっていたといい、2007年に「小熊村珈琲店」が出店して以降、ここに続々とゲイバーが集まり、今のような一大ゲイエリアとなりました。

 
 台北市は、そもそも2003年の第1回台湾同志遊行を主催した(帰着後に当時の台北市長で後に総統になる馬英九がスピーチ。詳細はこちら)というだけでもスゴいのに、2019年には西門駅前にレインボーカラーの「彩虹地景」を作って人気の観光スポットとし、台北市政府観光伝播局の公式観光サイトの中にLGBTQ特設ページも作るなど、観光施策にも力を入れてきました。今回のバスツアーもその一環でしょう。今後もさらに素敵なことをいろいろやってくれるのではないでしょうか。 
 
 

参考記事:
台湾でLGBTなどテーマのバスツアー ドラァグクイーンがガイドに(中央社フォーカス台湾)
https://japan.focustaiwan.tw/travel/202409280001

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