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サム・アルトマンが子どもを授かりました

2025年02月27日

 昨年1月に同性パートナーと結婚したOpenAIのサム・アルトマンCEOが2月23日、男の子を授かったことをXで報告しました。
 

 サム・アルトマンは代理母を通じて授かった愛息子の写真をXに掲載し、「生まれてきてくれてありがとう、おちびちゃん!」「息子が思ったより早く生まれたので、新生児集中治療室(NICU)にもう少しいる予定だよ。彼はよく頑張ったし、小さな泡に包まれて気持ちよさそうだ」「こんなに愛を感じたことってないよ」と綴りました。
 
 2014年の『エスクワイア』誌のインタビューでサム・アルトマンは、「(保守的な)中西部で育ち、ゲイであることに悩んでいたが、誰も話せる人がいなかった。だからこそ、インターネットはすばらしいものだった」と語っています。彼は高校時代にカムアウトし、周囲の教師らを説得しながら同性愛者への理解を広げる運動を主導したそうです。当時の教師は『ニューヨーク・タイムズ』紙に「想像力とビジョンがあり、自分のアイデアを実現するために人を説得する力もある」と話しています。
 そんな彼はシリコンバレーで頭角を表すようになり、2015年にOpenAIを設立しました。
 夫のオリバー・マルヘリンは、オーストラリアのソフトウェア・エンジニアで、メルボルン大学でコンピューター・サイエンスを学び、Metaで10年間働いていました。
 長い間交際してきた二人は昨年初めに結婚。二人はその後、代理母を通じて子を授かる計画を進めていたそうです。
 アルトマンは1月末、有名ポッドキャストに出演して「まもなく生まれる子どもを待っている」と語っていました。「未来の子どもたちは自身より賢いAIがない世の中を知ることはできないだろう」とも。

 アルトマンの息子が生まれたというニュースにマイクロソフトのサティア・ナデラCEOは「サム、心からおめでとう」「親になることは人生で最も深くてやりがいのある経験の一つです。あなたとあなたの家族に良いことだけがあるよう願っています」と語りました。

 アルトマンは私生活をできるだけ公にしないようにしていますが、夫のマルヘリンは2023年にホワイトハウスの晩餐会で一度だけ人々の前に姿を現したことがあるそうです。
 今月のフィガロジャポンの記事では、週末になると二人でナパ・バレーに行って牧草地で牛を育てていることや、近いうちに子どもを持ちたいと考えていることが報じられていました(詳細はこちら
 
 米国からは連日のようにLGBTQコミュニティを落胆させるようなひどいニュースが届きますが(アルトマンの近くにいる人も加担していたりしますが)、そんななかでも子どもが生まれたという喜ばしい報せがあると心が和みますね。これからも末永くお幸せに! 
 
 
 

 欧米では様々な方法で同性カップルが子どもを授かり、育てることが一般的になっていますが、翻って日本はどうかというと、同性カップルの代理母出産が認められないどころか、国が許可するあっせん機関から精子や卵子の提供を受けることが法律で禁じられそうな勢いです(自公維国が今国会に提出した特定生殖補助医療法案で、法律婚の夫婦のみが対象とされています)。議連の中では対象を同性カップルにも広げるべきだとの意見も出ましたが、“子どもの法的な身分が不安定になる”との理由で見送られました。同性カップルは認定医療機関を受診できないため、リスクの高い「個人間での精子のやりとり」を求める人が増えると見られています。同性婚は認めない、子どもも作らせない、夫婦別姓も認めないような不自由な国に、果たして未来はあるのでしょうか。もっと国民の笑顔が増えるような政策をお願いしたいです。
 
 

参考記事:
「同性婚」サム・アルトマン氏、結婚1年後に親になった…代理母を通じて男の子を出産(中央日報)
https://japanese.joins.com/JArticle/330286

“法律婚のみ治療対象”当事者らが見直し求める 特定生殖補助医療法案(日本テレビ)
https://news.ntv.co.jp/category/society/9cd126790600459ead0d6b89d0f2a002
【そもそも解説】「特定生殖補助医療法案」国会に提出 何が変わる?(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/AST2L26MKT2LUTFL015M.html

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