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料理を通じて惹かれ合う同性二人を描いたコミックが全話無料公開、2/21まで

2025年02月08日

「なにたべ」に続いて同性カップル×食卓を描いた漫画を原作としたテレビドラマとしてLGBTQコミュニティで支持を集めた『作りたい女と食べたい女』(つくたべ)の原作漫画が、2月21日まで全話無料配信されます。


 「つくたべ」の二人は初めからカップルだったのではなく、たまたまご近所で料理を通じて知り合った女性二人が、料理を作って食べてもらう喜び、食べる喜びを感じ、心を重ね合わせる経験から少しずつ惹かれ合い、やがて、同性どうしという壁はありながらもおずおずと恋を育てていく(周囲のいろんな人たちも応援してくれる)という二人で、その過程が実に感動的で、素敵なお話だったのでした。 
 そんな「つくたべ」のヒットを機に、「社会的あるいは文化的に『いない』ことにされている存在や関係や感情について描かれる作品を積極的に掲載していく」新たなマンガブランド「CandleA(キャンドレア)」がKADOKAWAに誕生し、2月7日にコミックス4作品が同時発売されるのを記念して、「つくたべ」全話無料公開キャンペーンが行なわれることになったのでした。

 コミックナタリーの「CandleA」責任編集者・K氏へのインタビュー記事のなかで、こう語っています。
「これはコンテンツ業界全体でたまに聞く話ですが、「フェミニズム的な題材やLGBTQ要素がある作品は売れないだろう」と判断されて頓挫することはあるようです。当然、個々の編集部の経験則や数字、そのほかのたくさんの判断要素があってのことだと思いますが、個人的には「やってみたら売れるかもしれないのに」と思っていて。ただ、いち編集者としては、そうした常識を打ち破って連載を通していくのが難しいというのもわかります」
「私の所属する編集部はありがたいことに「やりたいならいいよ」という感じでした。ただ、それはすごく幸運な環境であったと思っています。だから、“積極的に挑戦していこう”という場があって、たくさんの人がいろいろな作品を世に送り出していったら、何か変わることもあるかもしれない。ブランドの立ち上げを決めた背景には、そういった気持ちもありました」
「こうしたテーマの成功例は世の中にたくさんあるとは思うんですけど、集まって挑戦していくことで別の道が見いだせたらなと思っています」
 また、「つくたべ」として「Marriage For All Japan」(同性婚法制化)へのチャリティを行なったことも「挑戦」だったのでしょうか?との質問に対して、「そうですね」と、「例えば「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」の豊田悠さんが、映画化で得た原作使用料の一部を「Marriage For All Japan」へ寄付されたりなど、作家さん個人で同性婚法制化に賛成をしてチャリティを表明することはあったのですが、出版社が主体になるのは例がなかった。ただ、作家さんだけを矢面に立たせて、作品を刊行している出版社が何もせずにいるのは違うんじゃないか、という気持ちが大きくなっていきました。現実から地続きな存在であるレズビアンというマイノリティ表象を作品内で扱っているし、彼女たちの幸せを願うのに、現実の問題を見なかったことにするのはできないなと」と語られています。

 ちょうどバレンタインの季節でもありますし、「結婚の自由をすべての人に」訴訟も6周年を迎え、今年は重要な年になりそうということでキャンペーンも予定されていますし(もうすぐ情報をお届けできると思います)、「つくたべ」全話無料公開もその後押しになるような気がします。






参考記事:
「“マイノリティをテーマにした作品は売れない”に抗いたい」KADOKAWAの新マンガブランド・CandleA(コミックナタリー)
https://natalie.mu/comic/pp/candlea


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