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WHOがエムポックスの緊急事態宣言を終了しました

2025年09月10日

 WHO(世界保健機関)は9月5日、昨年夏に発していたエムポックスについての緊急事態宣言を終了すると発表しました。


 WHOのテドロス事務局長は5日、コンゴを中心に拡大していたエムポックスについて、コンゴやブルンジ、シエラレオネ、ウガンダなどで「感染が持続的に減少してきた」として緊急事態宣言の終了を発表しました。ただし、「脅威がなくなったわけではない」として注意を呼びかけました。

 2022年から2023年にかけてゲイ・バイセクシュアル男性を中心にエムポックス(弱毒性のクレード2b)が流行し、日本国内でも数百人が感染、なかには亡くなる方もいました。
 そして昨年、重症化しやすいタイプの変異株(クレード1b)がコンゴ(旧ザイール)を中心に流行し、昨年8月にWHOが再び「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。このクレード1bは(性的接触を含む)接触感染が主な感染経路であることが明らかになっていて、コンゴ等だけでなく、スウェーデンやタイなどでも感染報告が上がっていたことから、世界的なパンデミックも危惧されていました。
 幸い、日本からもワクチンを提供するなど国際社会の協力も功を奏したのではないかと思われますが、心配された世界的なパンデミックにはならず、感染が減少してきたようです。
 
 一方、WHOは、最大の資金拠出国アメリカがWHOから脱退することを表明したのを受けて、財政難に直面しています。テドロス事務局長は、今後、エムポックスの感染が再び拡大するおそれもあるとしたうえで「資金不足により対応能力がひっ迫している」と述べ、各国に支援の継続を呼びかけました。WHOやアフリカCDC、関連団体はこれまで、各国での感染者の減少、偏見への対処、検査・ケア・ワクチン接種へのアクセス拡大を支援しており、今後の支援の継続には「財源が非常に必要だ」と訴えています。


 ちなみに日本における今年のエムポックスの感染状況を見てみると、4月に1名、7月にも1名の感染が報告されており、完全に流行が終結したわけではないようです。なかには気づかずにいる方や、症状が軽くて見過ごしている方もいらっしゃるかもしれませんが、もし性器や肛門周り、口などに水ぶくれを伴う発疹が見られたら、病院で診てもらいましょう(詳しくはこちらをご覧ください)。多くの場合、1ヵ月ほどで治りますが、ずっとHIV検査を受けずにいてエイズを発症したり免疫不全状態になっている方がエムポックスに感染した場合、重篤な状態に陥る可能性があります(命に関わります)。ですから、定期的にHIV検査を受けることも大切です。




参考記事:
「エムポックス」感染者減少し緊急事態宣言終了を発表 WHO(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250906/k10014915021000.html
WHO「エムポックス」緊急事態宣言を解除 新規感染者や死者数が減少傾向と評価(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2154424
エムポックス 減少傾向 WHO 緊急事態宣言終了(FNN)
https://www.fnn.jp/articles/-/927571

感染症エムポックス、緊急事態終了=2度目の宣言解除―WHO(時事通信)
https://medical.jiji.com/news/60585
WHOがエムポックスの緊急事態宣言を約1年ぶりに解除(日経メディカル)
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202509/590172.html
感染症エムポックス、WHOが「緊急事態」解除…事務局長「今後も起きる可能性はある」(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20250908-OYT1T50030/
WHOがエムポックス緊急事態宣言終了、アフリカで感染減少(ロイター)
https://jp.reuters.com/world/europe/TCB52A3W3NIKLAH7K6MH72GXBQ-2025-09-07/
エムポックス、WHOが緊急事態を解除-根絶への取り組みなお必要(bloomberg)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-09-08/T28RA8GP9VCY00

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