g-lad xx

NEWS

日本学術会議が婚姻平等実現に向けた民法改正を提案

2026年06月06日

 日本学術会議法学委員会の「社会と教育におけるLGBTIの権利保障分科会」が6月5日、「婚姻の平等実現に向けた民法改正への提案 ―相次ぐ違憲判決をふまえて―」との見解を発表し、「最高裁判決を待つことなく政府は直ちに具体的な法改正に向けた検討作業を始めるべきである」と述べました。


 日本学術会議の同委員会は「結婚の自由をすべての人に」訴訟に先立つ2017年、性的マイノリティ差別を解消する法律の制定や婚姻平等を提言しています。「今日、既に法制度上、婚姻と生殖・養育との不可分の結合関係は失われ、婚姻法は主として婚姻当事者の個人的、人格的利益の保護を目的とするものになっている。したがって、個人の利益を否定するに足りる強力な国家的ないし社会的利益が存しない限り、個人の婚姻の自由を制約することは許されない」としたうえで、前年の学術大会で家族法に「異性又は同性の二人の者は、婚姻をすることができる」という規定を新設する提案がなされたこと、これが憲法24条1項に反するものではないことを論理的に検証するものでした(詳細はこちら

 今回の見解は、(1) 2017年の提言以後、同性パートナーシップ証明制度(やファミリーシップ制度)が全国に拡充し、事実婚としての効力の承認も拡大、そして各種訴訟での違憲判断の積み重ねや、世論動向の変容、諸外国での婚姻平等化の一層の進展が生じていることに鑑み、立法府及び政府は、同性間にも婚姻を成立させるよう速やかに法改正を行うべきである、(2) 2026年度にも予想される最高裁による憲法判断を控えて、婚姻平等のための迅速な立法化を行えるよう、政府は直ちに具体的な法改正に向けた検討作業を始めるべきである、(3) あえて違憲の可能性のある婚姻以外の別制度を設けるのではなく、まず同性間の関係についても既存の法律婚への包摂を図るべきであり、しかる後に異性カップルを含めたより多様な選択肢の可能性を模索するべきである、というものです。具体的にどのように法改正するのかという観点で、戸籍制度との関係や嫡出推定規定の捉え方などについても論じていたり、違憲判決が出ても国会がなかなか動かない場合、応急的な手当として「届出書式や戸籍の記載事項の語句を性中立化するなどの改正がなされるまでは、最高裁の判断に基づき戸籍事務管掌者は同性カップルの婚姻届書を受理し、婚姻届受理証明書の交付により、当事者の婚姻関係の公証を確保することが可能である」とも述べられたりしていて、興味深いです。
 日本の科学者の内外に対する代表機関、いわば学術界における最高の権威である学術会議がこのように、Marriage For All Japanの訴えを後押しするかのような見解を、このプライド月間に(Tokyo Prideの直前に)発表してくれたこと、とても心強いです。励みになります。
 PDFにして37頁分という、なかなかの論文ですが、お時間がありましたら、読んでみてはいかがでしょうか。

  
見解「婚姻の平等実現に向けた民法改正への提案 ―相次ぐ違憲判決をふまえて―
日本学術会議 法学委員会 社会と教育における LGBTI の権利保障分科会
委員長:三成美保氏(追手門学院大学教授/奈良女子大学名誉教授)

INDEX

SCHEDULE

    記事はありません。